久々のブログ更新です。
少し前まで暖かい日があると思えば寒い日があり、朝には暖房が必要な日がありました。しかしこの数日は急に暑くなり、松本では4日連続して真夏日でした。5月では初めてのことだそうです。
日本には四季がありますが、暑い時期と寒い時期がほとんどで、すごしやすい時期は非常に少ないと思っています。今年はその典型的な例だと思います。
私の試聴室では、6組のスピーカーを使っています。そのうち3組を主に使っています。スピーカー切替器を販売しているので、その長期信頼性試験も兼ねて6組のスピーカーを設置しています。
6組ものスピーカーがあると、全てのスピーカーをベストな状態で鳴らすことは難しいです。全てのスピーカーを理想的な場所に配置することができないからです。さらにスピーカーの能力を最大限発揮させるためには、使用しているスピーカーだけ部屋に置くべきだという話を聞きます。使っていないスピーカーがレゾネータとして作用して部屋の音響特性に影響を与えるためでしょう。それを言い出すとステレオでは左右のスピーカーが相互に影響するので、ステレオを否定することになってしまいます。
それでも、各スピーカーの特長を生かすために、スピーカーの配置を変更したり、スタンドを作ったりしています。これはこれで面白い作業ですが、出口の見えない作業です。(まるで日銀の金融緩和のようなもの??)
6組のスピーカーの中の一つがProAcのStudio100です。これを購入する前に試聴しましたが、比較したソナスファベール(型番は忘れました)より空間再現力が優れていて一瞬で気に入りました。しかし、購入後は試聴の時のような音を出せず、レイアウト変更を行っても改善しませんでした。
試聴の時には、超重量級のスタンドに粘着性のラバーでスピーカーを固定していました。今のスタンドはそれには遠く及びません。実力を発揮できない原因は、スピーカースタンドしかないと思うようになりました。
ProAc用スタンドの候補としては、超重量級のスタンドが考えられますが、我が家と購入したオーディオショップの建物の構造の違い(我が家は木造で2階に設置、ショップは石作り建物の半地下)を考えるとスタンドだけ真似ても同じ結果が得られるとは思えません。
一方で、現在ProAcを乗せているスタンドでは地震があれば簡単に落下してしまいます。我が家の近くには、有名な牛伏寺断層をはじめとして幾つもの活断層があるので、いずれ地震が起きる可能性が高いと思います。音質と地震対策の両面でProAc用スタンドの導入をずっと考えていました。
ファミリーアーツピュアサウンドさん(以下FAPS)のサイドプレススピーカースタンドのことは、数年前から気になっていました。構造から考えて、音が悪いはずが無いと直感しました。しかし価格が高く購入に踏み切れませんでした。
今回は、地震対策の意味もあり思い切ってスピーカースタンドを購入することにしました。重量級スタンドの選択肢もありますが、一度はサイドプレススタンドを試してみたいので、FAPSさんのサイトを見ました。マエストロというスタンドが在庫限り(1セット!)特価をみつけました。特価でもかなり高価なので迷いました。1セットだけ残っている時に、購入を思い立ったのも何かの縁だと考えて1週間後に在庫を確認しました。幸い在庫があったので注文しました。ゴールデンウイーク前に、スタンドが届きました。この間にも、FAPSの志賀様から様々な役に立つ情報を頂きました。
使用の感想です。FAPSさんのサイトにも掲載されています。変化が大きい順番に書いています。①と②の度合いはほぼ同じです。
① 音のイメージが変わった
ProAcの音は、暗くて、くすんだ感じです。英国のスピーカーなので、そんなものかとも思っています。でも、購入前の試聴では英国らしからぬ音がしていた記憶があります。(イタリアのスピーカーに勝ったので)サイドプレススタンドを使うと、音がより明るくなりました。英国スピーカーの良さを残しつつ、適度に開放的になりました。
② 瞬発力が改善
従来は、音の出方が多少まったりしていて、破裂音のような音を上品に鳴らしていました。悪く言えば鈍重に再生していました。それが、シンバルの音など、ホーン型のスピーカーに近い感じになりました。
③ 低音の量感が増した
意外なことに低音の量感が増えました。サイドプレススタンドはスピーカーを自由空間に浮かべるような構造なので、床や壁の影響による低域の盛り上がりが減ると思っていました。しかし、低域の量感が増えました。
④ 音場感が豊かになった
前後、上下の音場感が豊になりました。また音が出始める前や、消え行く瞬間の佇まいが今までより感じられるようになりました。
おそらく①~③はスピーカーの支点が明確になったためだと思います。スピーカーのコーン紙やドームが動く際にスピーカー全体が反作用で動いてしまいます。その動きが、少なくなったのではないかと思います。
④については、スピーカーを自由空間に浮かべることにより、音場再現性が向上したと思います。しかし、複数のスピーカーを設置しているので制約があります。1セットのみ設置すればさらに豊かな音場感が得られると思います、、、
スピーカースタンドの違いを比較するのは、結構面倒です。サイドプレススタンドは、スピーカーの取り付け/取り外しに時間がかかり、瞬時に音の差を比べることができません。FAPSの志賀様もコメントで、非常に手間がかかる作業だと言っています。
私は、スピーカー切り替え器を使い、他のスピーカーとの相対的な差をもとに比較しました。ProAcと他のスピーカーの音の差が、私の頭に入っています。その記憶と、スタンド導入後の音の差を比較することによって、スタンドの差が比較的容易にわかりました。
相対的な差を使って、音質評価をすることができることがわかりました。これは私にとっては、重要で面白い発見です。今後も様々な音質評価に使えると思います。
FAPSさんのサイトを見ると、床とスタンドの間の介在物をできるだけ減らすのが良いと書いてありました。導入後、FAPSの志賀様にお尋ねしたところ同様のアドバイスをいただきました。
そこで昨日、スタンドの設置方法の音質評価を行いました。我が家はコンパネの上にカーペットを敷いてあります。購入した直後は、カーペット上に18mm厚のパイン集成材を敷き、その上に黒檀のスパイク受けを介してスタンドを置きました。カーペットにスパイクで穴を開けたくないからです。この状態で20日ほど聞いていました。上記感想はこの状態でのものです。
今回の評価では、最初にスタンドを直接カーペット上に置きました。スパイク足がカーペットを貫通して、下のコンパネに届くように、スパイクのネジを調整してガタをなくしました。音の重心が下がり、安定度が増した感じです。低音が豊になりました。パイン集成材+黒檀よりも歪が減ったような印象です。
続いて、パイン集成材の上にスタンドを直接置きました。音質は、カーペット直置きと同じです。よってパイン集成材に直置きで暫く使おうと思います。
スタンドのスパイクが、カーペット下のコンパネに確実に接触すれば、結果は違うかもしれません。スパイクとコンパネの間にはカーペットの繊維があり、4本のスパイク毎に接触の程度が違うと思います。一方、カーペット上のパインは、カーペットの影響で床とリジットに結合しません。しかしスパイクとパインがリジットに結合します。両者の利害得失がほぼ相殺されたような気がします。
サイドプレススタンドの導入でProAcの音が良くなりました。ProAcを使って音楽を聴く比率が増えました。ProAcの音をベンチマークにして、他のスピーカーの音質改善も進めて行きたいと思います。
滝沢さん
誠にお久しぶりです。お元気でしょうか?
早速ですが、スピーカーをケーブルをベルデンから変えてみませんか?
Van Damme HIFI Series Studio Grade Speaker Cable (4mm がベター、eBayで購入可能。)
これは英国のモニタースピーカー系で非常によく使われます。安価で、かつ最大限の効果が得られます。
具体的には、高域特性&解像度の改善、サウンドステージの適正化、オーガニック&ニュートラルなサウンドの獲得などです。スタンドを変えること以上に効果があるものと確信しております。
クリアーで、分離が良く一音一音が聞き取りやすい。音場は左右に広くかなり分離します。中央の音と左右の端っこの音がこんなにくっきり離れるのかというくらい。逆に中央の音ははっきり中央に存在するようになります。とにかくこの値段では超お勧めできるスピーカーケーブルです。1週間もバーンインすると、ちょっと詰まった感じが無くなりさらに高域が聴きやすく変化。
ProAc仲間の高島より