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SME3009S2 修理

様々な理由と、私の仕事の遅さによって、パワーアンプの設計に時間がかかっています。

漸く、回路設計が終わってケースと基板の設計に入りました。事前にレイアウトや基板間の配線について検討し、基板の分割を行っていますが、それでも変更の繰り返しが続きます。できるだけ速く試作を開始したいと思います。

レコードプレイヤーのアームとしてSME 3009シリーズ2を使っていますが経年変化による劣化が起きていました。下の写真のようにカウンターウェイトから右にサブウェイトが出ています。SMEのアームではサブウェイトを前後に移動して針圧を調整します。またサブウェイトの左右の位置を変えてラテラルバランスの調整をします。トーンアームの軸上にあるウェイトをメインウェイト、右にあるサブウェイトをライダーウェイトと呼ぶそうです。メインウェイトを取り付けてある軸はラバーによりアームと結合していますが、ラバーが劣化してメインウェイトを固定している軸が回転してサブウェイトが下がってしまいます。これではアームは正常に動作しません。

今まで応急処置をしていましたが、いよいよ限界なので以下の販売店からラバーを購入しました。

http://www.soundheights.co.jp/

在庫が無く、納期は約1ヶ月でした。

アームからメインウェイトを固定している軸をはずした状態です。後ろに見えるのがはずした軸です。アームの内側に古くなったラバーのカスが残っているので綺麗に取り除かないと新しいラバーがスムースに入りません。軸の中にあるカスも綺麗に除去しないとなりません。この作業が非常に大変でした。

購入したラバーをアームに取り付けた様子です。アームとラバーをアロンアルファで接着します。2つのラバーのうち前方のラバーは、ラバーに接着剤を塗布した後アーム挿入します。挿入途中で接着されてしまうと困るので接着剤を塗布する前に数回ラバーの出し入れをして慣らします。接着剤を塗布した後、一気にラバーを挿入します。

前方のラバーと軸を接着して完成です。

なぜカウンターウェイトをアーム本体とラバーを介して結合しているのか? リジッドな結合ではだめなのか? サブウェイトの微小な上下動がナイフエッジを通してカートリッジの針先に伝わることを防いでいると思いますが、ラバーの特性により却って悪影響があるかもしれません。本当にアナログな世界だと思いました。

アーム修理後の音だしは明日の予定です、、、

【2018/5/13追記】

音出しをしてみました。下のようにイコライザにはMarantz #7を使用。ラインアンプはソフィソナント製です。

アームが使えなくなってから修理するまで、3ヶ月以上経っていますし、イコライザはアームの修理前と違うので音の違いはわかりません。しかし、トレースは以前より安定しました。

丁度LPをかけている最中、地震警報が鳴り、家が揺れました。私の住んでいる松本は震度3でしたが、体感的には震度2~3程度だと思います。このときはさすがに針飛びしました。

Akurate DS(但し中古)購入

昨年のことですが、Akurate DSを購入しました。

Akurate DS/K です。ライントランス内蔵の日本仕様と思ったら、UK仕様品でした。ちょっとがっかりしましたが、将来外付けトランスを追加して音の違いを確認できるのでよしとしました。

私は2008年にSneaky Music DSを購入し、その後ずっと愛用して来ました。Sneakyより上位機種がありましたが、上位機種はライン出力のみの完結したシステムでした。一方SneakyはS/PDIF出力があるので外付けDACにより発展性があり、使用するDAC次第では上位機種を凌駕できると思って購入しました。

その後10年近くほぼ毎日愛用し、無くてはならない装置です。音質は悪くは無いがすごく良いわけではないです。ハイレゾソースとCDクオリティの音質の差があまりわからないなあと思っていました。

その後、知人から情報をいただきSneakeyでは44.1kHz系と48kHz系それぞれの発振器を搭載せず100MHzから2系統のクロックを作っていることがわかりました。これが音質を悪くしていることは明らかです。発振器をひとつ減らしてもわずか数100円しかコストが減らないので、音質のヒエラルキーを作るために行ったのではないかと勘ぐりたくなります。

そこで、Sneakyに外付けDACを接続して使っていましたが、仕事中にBGMとして使用する場合などはSneaky単体使用することもありました。

Akurateは、Sneakyに比べてSN比が高く、音が滑らかでです。音の出る時、消える時の雰囲気がよくわかります。Sneakyは悪い音ではないですが、粗い感じの音です。ALTECのスピーカーのような音ともいえます。この粗い感じが良い方向に作用するソースがあることも事実ですが、、

Akurate DS/KはSneakyより2階級上で、1世代後の製品なので当然です。そして上記のようにSneakyは音質をディグレードしているので納得できてしまいます。

今回、Sneaky+DAC と Akurateの音を比較しました。

Sneaky連合軍は、Sneaky、キット屋 SV-192S そしてMUTEC MC-3です。SV-192Sはサンプル・レート・コンバータ(SRC)を搭載しているのでSneakyの意図的なジッタを除去できます。そしてクロック源MC-3を使うことで音質が向上します。SV-192SがAkurateのDACと比較してどうかという問題は残りますが、クロックジッタの影響はかなり軽減される筈なので興味深い比較です。

音源としてLinn Records の 96/24、192/24等のいわゆるハイレゾ音源を使用しました。

AkurateとSneakyで同じソースを同時に再生し、切り替えながら試聴します。切り替えながら聴くほうが比較がやりやすく、要する時間が短縮できるので楽です。

Sneaky連合軍ではいくつかの設定の選択肢があります。SRCの設定を変えればさらに組み合わせが増えますが、今回はハイレゾ音源なのでSRCの倍率はX1固定にしました。何通りもある組み合わせから以下の3通りを選んで比較しました。

設定1:S/PDIFからクロックを抽出して使用する

Sneaky単体の時と似た音がします。しかし、音の粗さが多少緩和した印象を受けます。SV-192はライン出力に真空管とトランスが入っているので音が滑らかになっているかもしれません。DACはS/PDIFからクロックを抽出するので元のジッタ残りますが、内部のPLLでジッタが多少軽減すると思います。この比較で、SneakyのDACとSV-192のDACの差がある程度推測できますがジッタ特性も変化するのでDACのみの差ではないと思います。

設定2:DAC内蔵クロックを使用する

設定1に比べて音の粗さが減りました。Akurateの音に近づいています。しかしAkurateのほうがS/N比が良く、分解能が高く感じます。 この設定ではSneakyのジッタが内部クロックによるリサンプリングでほぼ無くなるはずです。DACの音質差が聞こえると考えられます。

設定3:MUTECからクロックを供給する

Akurateとの差がわからなくなりました。SN感や肌触りの良さではAkurateのほうが優れていますが、ブラインドで聴いてどちらが鳴っているか言い当てる自信がありません。連合軍はかなり頑張っています。ちなみにMC-3からWordクロックを供給しています。10MHzを供給するシステムより低コストで高音質を得やすいと思います。

Sneakyでも外部に上質なDACを接続して適切にクロックの分離を行えば、上級機の音質に迫ることがわかりました。Sneaky購入時の考え(自分を納得させるためのこじつけ?)が正しかったことを、Akurateとの比較を通して確認することができました。SV-192Sより高音質のDACを使えばAkurateを超えることも可能かもしれません。しかしコストを考えると連合軍の構成は良いバランスだと思います。

最近は、Linn DSのような構成のネットワークプレイヤーだけでなく、DACを搭載しないネットワークプレイヤー あるいは NASからS/PDIFやUSBで信号を出力するプレイヤーなどバリエーションが増えています。それぞれ一長一短ありますが、ユーザに都合のよいシステムを構成するための選択肢が増えるのは良いことだと思います。

考えてみるとLinnは10年前にネットワークプレイヤーの形態の多様化を見越した製品を意図してかどうかわかりませんが、準備していました。買いかぶりかもしれませんが、たいしたものです。

これからもSneakyをDACなしネットワークプレイヤーとして十分活用したいと思います。

 

PCの買い替え

今まで使っていたPCを購入したのは、2011年のこと。それ以来毎日使ってましたが最近調子が悪くなりました。SSDの不調かと思いましたが、診断ソフトによると問題ありません。しかし不安なのでPCを交換することにした。

私はかつてPCについてかなり詳しかったですが、今は購入するPCを決めるのも難しいです。CeleronとCoreiシリーズでどの程度性能が異なるのか?Corei3、5と7でどれだけ違うのか?私の使っているアプリがマルチコアによって速くなるのか?DRAMの容量はどの程度必要か?

また、数年前と比べてPCの価格が倍近くになっていることも驚きです。OSやアプリに必要なハードウェアへの要求が高くなったことも原因だと思いますが、今まではハードのコストダウンがそれを吸収していました。

むしろスマホなどのモバイル機器がメインになり、PCの生産量が頭打ちになったので、PCのコストが上昇したことが原因だと思います。

PCの買い替えに備えて、ソフトウェアの移行の準備を始めました。しかしライセンスがどうなっているか記憶が定かでなくて整理するのに多いに苦労しました。それでもソフトの移行のためのリストを作りPCの到着をまちました。

PCが来てからアプリをインストールした後でも、アプリ毎にデータの移行方法が異なり大変です。アプリによっては、データを新PCにコピーするだけ良いのに、別のアプリでは旧ソフトでデータをExportしてから新PCでImportする必要がある。別のソフトではライセンスを返上してからでないと移行できない、などなど。

最も苦労したのは、マイコンの開発用ソフトです。私はNXPのマイコンを使っています。新PCに開発環境をインストールしようとするとダウンロードページが見つかりません。

NXPがFreesclaeを買収して、両者のマイコンを統合した開発環境になったそうですが知りませんでした。新しい開発環境も良いかもしれませんが、PCと開発環境の双方が変わると不安です。なんとか従来のNXPの開発環境をダウンロードできるページを見つけてダウンロードしました。ソフトウェアのライセンスも従来はCodeRed社だったものが今は変わっています。インストールだけはしましたが、正常にビルドできるかまだ確かめていません。

それにしても、最近の半導体会社の分社化、買収、合弁などはすごい勢いで行われています。NXPはもとフィリップスでした。NXPが買収したFreescaleはモトローラから分かれた会社です。モトローラのディクリート製品はONセミコンダーになりました。オーディオに適したトランジスターを製造していた三洋は、モトローラに買収され製品の一部は今でもONセミコンダーが供給しています。ちなみに、NXPが製造していたディスクリート系は中国の会社に売却しNexpreaとなっています。オーディオでは非常に重要なディスクリートデバイスを供給している東芝もどうなるか心配です。

上記は実際に使用している半導体を供給している会社に関することですが、半導体業界全体ではどのような変化があるかをすべて把握できないほど大きな変化があります。

そう言えば、私が大学時代に半導体興亡物語という講談調の話を作って飲み会の時に語っていました。それはベル研究所でショックレー博士がトランジスタを発明してからインテルができるまでの話で、1950年から1970年台のできごとでした。詳細な内容は忘れてしまいましたが、その時でさえ企業の栄枯盛衰は非常に激しかったことを思い出します。今はそれをはるかに上回る状況です。

必要な部品は調達できるときに調達しておく。リピート生産はできたらラッキーくらいに考えておかないとならない世の中です、、、

 

瞬く間に、夏が過ぎ

前回のブログ更新から、かなり時間が経ってしまいました。

またダイレクト・トランスファーCDの8月以降の新譜の紹介も滞っていました。

申し訳ありませんでした。

7月22日に父が急逝し、葬儀、四十九日法要などの宗教的な行事、死亡や相続に関する手続き、そして実家の片付けなどなど、やることが満載でした。そのためソフィソナント・オーディオの業務を約2ヶ月間完全にストップしました。会社勤めなら不可能ですが、自営業の特権です。

特に実家の片付けが大変です。何年も前から、父に家の整理をしようと言っても聞いてくれませんでした。戦争時代をすごした人は、物が無い恐怖を経験しているので、物が捨てられないそうです。父もその年代です。父の生前、私や家内がなにか捨てようとすると、父が監視していて「捨てるな」と言われました。

父が亡くなってから家の片付けを始めました。何故、こんなものまで捨てずにいたのか? 驚愕せずに居られません。日々、父の遺影を見ながら、恨みました。軽トラで何十回も、市のクリーン・センターに”ゴミ”を捨てに行きました。職員の方と顔見知りになってしまいました。それでも、顔パスでは通してくれませんでした。堅いです。

実家の片付けの8~9割終わったと思います。事務処理は相続の手続きを残すのみです。

やっと、先週から仕事に復帰しました。仕事がストップする前、設計について解決できずに悩んでいたことが、再開後いとも簡単に解決してしまいました。中断は効率を下げますが、時には良い効果もあるようです。ただ、何について悩んでいたか思い出すまで時間がかかりましたが、、、

実家の整理をしながら、再認識しました。

死んだらお墓には、何も持って行けません。人生の終わりに向けて、少しずつ、物を減らす必要があります。死ぬときは、一つのスーツケースだけで往く。それが理想です。数年前からそう思っていましたが、さらに思いを強くしました。まだまだ時間があると思っていると、あっと言う間に時間が過ぎてしまいます。行動に移したいと思います。

ということで、スピーカー切替器の在庫一層セールを行います。在庫分を安くお分けしたいと思います。

別途 お知らせしますが 以下ようにしたいと考えています。

スピーカー切替器 基本セット 40%オフ 64,800円(消費税込)

スピーカー切替器 追加セット 40%オフ 29,160円(消費税込)

なお、基本セット購入された方には追加セッットの価格をさらに安くさせていただきます。

 

サイドプレススタンド導入

久々のブログ更新です。

少し前まで暖かい日があると思えば寒い日があり、朝には暖房が必要な日がありました。しかしこの数日は急に暑くなり、松本では4日連続して真夏日でした。5月では初めてのことだそうです。

日本には四季がありますが、暑い時期と寒い時期がほとんどで、すごしやすい時期は非常に少ないと思っています。今年はその典型的な例だと思います。

私の試聴室では、6組のスピーカーを使っています。そのうち3組を主に使っています。スピーカー切替器を販売しているので、その長期信頼性試験も兼ねて6組のスピーカーを設置しています。

6組ものスピーカーがあると、全てのスピーカーをベストな状態で鳴らすことは難しいです。全てのスピーカーを理想的な場所に配置することができないからです。さらにスピーカーの能力を最大限発揮させるためには、使用しているスピーカーだけ部屋に置くべきだという話を聞きます。使っていないスピーカーがレゾネータとして作用して部屋の音響特性に影響を与えるためでしょう。それを言い出すとステレオでは左右のスピーカーが相互に影響するので、ステレオを否定することになってしまいます。

それでも、各スピーカーの特長を生かすために、スピーカーの配置を変更したり、スタンドを作ったりしています。これはこれで面白い作業ですが、出口の見えない作業です。(まるで日銀の金融緩和のようなもの??)

6組のスピーカーの中の一つがProAcのStudio100です。これを購入する前に試聴しましたが、比較したソナスファベール(型番は忘れました)より空間再現力が優れていて一瞬で気に入りました。しかし、購入後は試聴の時のような音を出せず、レイアウト変更を行っても改善しませんでした。

試聴の時には、超重量級のスタンドに粘着性のラバーでスピーカーを固定していました。今のスタンドはそれには遠く及びません。実力を発揮できない原因は、スピーカースタンドしかないと思うようになりました。

ProAc用スタンドの候補としては、超重量級のスタンドが考えられますが、我が家と購入したオーディオショップの建物の構造の違い(我が家は木造で2階に設置、ショップは石作り建物の半地下)を考えるとスタンドだけ真似ても同じ結果が得られるとは思えません。

一方で、現在ProAcを乗せているスタンドでは地震があれば簡単に落下してしまいます。我が家の近くには、有名な牛伏寺断層をはじめとして幾つもの活断層があるので、いずれ地震が起きる可能性が高いと思います。音質と地震対策の両面でProAc用スタンドの導入をずっと考えていました。

ファミリーアーツピュアサウンドさん(以下FAPS)のサイドプレススピーカースタンドのことは、数年前から気になっていました。構造から考えて、音が悪いはずが無いと直感しました。しかし価格が高く購入に踏み切れませんでした。

今回は、地震対策の意味もあり思い切ってスピーカースタンドを購入することにしました。重量級スタンドの選択肢もありますが、一度はサイドプレススタンドを試してみたいので、FAPSさんのサイトを見ました。マエストロというスタンドが在庫限り(1セット!)特価をみつけました。特価でもかなり高価なので迷いました。1セットだけ残っている時に、購入を思い立ったのも何かの縁だと考えて1週間後に在庫を確認しました。幸い在庫があったので注文しました。ゴールデンウイーク前に、スタンドが届きました。この間にも、FAPSの志賀様から様々な役に立つ情報を頂きました。

 

 

使用の感想です。FAPSさんのサイトにも掲載されています。変化が大きい順番に書いています。①と②の度合いはほぼ同じです。

① 音のイメージが変わった

ProAcの音は、暗くて、くすんだ感じです。英国のスピーカーなので、そんなものかとも思っています。でも、購入前の試聴では英国らしからぬ音がしていた記憶があります。(イタリアのスピーカーに勝ったので)サイドプレススタンドを使うと、音がより明るくなりました。英国スピーカーの良さを残しつつ、適度に開放的になりました。

② 瞬発力が改善

従来は、音の出方が多少まったりしていて、破裂音のような音を上品に鳴らしていました。悪く言えば鈍重に再生していました。それが、シンバルの音など、ホーン型のスピーカーに近い感じになりました。

③ 低音の量感が増した

意外なことに低音の量感が増えました。サイドプレススタンドはスピーカーを自由空間に浮かべるような構造なので、床や壁の影響による低域の盛り上がりが減ると思っていました。しかし、低域の量感が増えました。

④ 音場感が豊かになった

前後、上下の音場感が豊になりました。また音が出始める前や、消え行く瞬間の佇まいが今までより感じられるようになりました。

おそらく①~③はスピーカーの支点が明確になったためだと思います。スピーカーのコーン紙やドームが動く際にスピーカー全体が反作用で動いてしまいます。その動きが、少なくなったのではないかと思います。

④については、スピーカーを自由空間に浮かべることにより、音場再現性が向上したと思います。しかし、複数のスピーカーを設置しているので制約があります。1セットのみ設置すればさらに豊かな音場感が得られると思います、、、

スピーカースタンドの違いを比較するのは、結構面倒です。サイドプレススタンドは、スピーカーの取り付け/取り外しに時間がかかり、瞬時に音の差を比べることができません。FAPSの志賀様もコメントで、非常に手間がかかる作業だと言っています。

私は、スピーカー切り替え器を使い、他のスピーカーとの相対的な差をもとに比較しました。ProAcと他のスピーカーの音の差が、私の頭に入っています。その記憶と、スタンド導入後の音の差を比較することによって、スタンドの差が比較的容易にわかりました。

相対的な差を使って、音質評価をすることができることがわかりました。これは私にとっては、重要で面白い発見です。今後も様々な音質評価に使えると思います。

FAPSさんのサイトを見ると、床とスタンドの間の介在物をできるだけ減らすのが良いと書いてありました。導入後、FAPSの志賀様にお尋ねしたところ同様のアドバイスをいただきました。

そこで昨日、スタンドの設置方法の音質評価を行いました。我が家はコンパネの上にカーペットを敷いてあります。購入した直後は、カーペット上に18mm厚のパイン集成材を敷き、その上に黒檀のスパイク受けを介してスタンドを置きました。カーペットにスパイクで穴を開けたくないからです。この状態で20日ほど聞いていました。上記感想はこの状態でのものです。

今回の評価では、最初にスタンドを直接カーペット上に置きました。スパイク足がカーペットを貫通して、下のコンパネに届くように、スパイクのネジを調整してガタをなくしました。音の重心が下がり、安定度が増した感じです。低音が豊になりました。パイン集成材+黒檀よりも歪が減ったような印象です。

続いて、パイン集成材の上にスタンドを直接置きました。音質は、カーペット直置きと同じです。よってパイン集成材に直置きで暫く使おうと思います。

スタンドのスパイクが、カーペット下のコンパネに確実に接触すれば、結果は違うかもしれません。スパイクとコンパネの間にはカーペットの繊維があり、4本のスパイク毎に接触の程度が違うと思います。一方、カーペット上のパインは、カーペットの影響で床とリジットに結合しません。しかしスパイクとパインがリジットに結合します。両者の利害得失がほぼ相殺されたような気がします。

サイドプレススタンドの導入でProAcの音が良くなりました。ProAcを使って音楽を聴く比率が増えました。ProAcの音をベンチマークにして、他のスピーカーの音質改善も進めて行きたいと思います。

JAXAのミニロケット

1月15日のミニロケット打ち上げが失敗したそうです。大変残念なことです。

失敗した事実が報道されてから書いても、「後だしジャンケン」のようで説得力がありませんがこの件について少し記述したいと思います。

昨年、ミニロケットの打ち上げコストを下げるためにスマホ用など民生用の部品を多用しているとの報道を見ました。その際「本当に民生用半導体で大丈夫?」という思いが頭をよぎりました。

そして1月15日に「通信が途絶えてしまった」というニュースを聞きました。やはり原因は民生用の半導体にある可能性が高いと思います。新聞などにもそのようなことを書いてあります。

私が会社勤めをしていた時の話です。私達が開発した業務用コンピュータを航空機内のシステムに使うプロジェクトがありました。システム・インテグレーター(SIer)がいくつかの業務用コンピューターを調達して機内で運用するシステムを作り航空会社に納品しました。もちろん飛行機の運航に関係するシステムでは無いので、民生用の製品でも使用可能でした。

システムのテスト運用が終わり本稼動が始まると色々とトラブルが発生しました。SIerだけでは解決できなかったので我々にもトラブル対策に参加して欲しいとの依頼が舞い込んで来ました。航空機内システムの計画の初期段階で我々の製品を使うシステムには反対しました。「絶対迷惑をかけない」という話をもらってシステムを構築するためのサポートを行っていました。そんな経緯があったのでトラブル解決には乗り気ではありませんでした。しかし、エンドユーザーに迷惑をかけるわけにいかないのでしぶしぶトラブル対応を行いました。

トラブルの内容は、機構的なこと、電源廻りに関することなど複数ありましたがその一つにデータ化けがありました。コンピュータのSRAM内部のデータが一部化けてしまいます。

データ化けの原因が色々考えられたので、試験をしてそれぞれの要因をつぶす作業を行いました。私は宇宙線によるソフトエラーでデータ化けが発生するのではないかと推測しました。宇宙線はα線、β線などの素粒子です。高度が高い航空機内では地表より宇宙線の量が多いので、これによってデータ化けが発生する可能性があります。私はデータ化けの現象から考えて宇宙線が原因の可能性が非常に高いと考えていました。

しかし当時、高度10,000m程度では宇宙線の量は地表とあまり変わらないというのが定説でした。そんなこともあり私が主張した宇宙線説は省みらませんでした。また宇宙線の影響を試験したくても試験装置がありません。納得はできないものの、データ化けは他の要因が原因であるということで幕引きになりました。その後、航空機内システムはデータを2重化するなどの対応によりデータ化け対策をしましたが、トラブルがあったためそれ以上普及せずフェードアウトしました。 結局、色々と振り回されて、その時設計していた製品の納期が遅れて、悪い思い出だけが残るプロジェクトでした。

その後しばらくして、高度10,000m程度でもソフトエラーが発生するというIBMの論文を見つけました。やっぱり、と一人ひそかに溜飲を下げたものです。

思い出話が長くなりましたが、ミニロケットについてはこの時の記憶が頭の中に蘇って来ました。

当時の半導体のプロセスは1ミクロン~0.8ミクロンくらいでした。現在スマホなどで使っている半導体は15nmとか25nmです。半導体はプロセスが微細になるほど誤動作しやすくなります。半導体にα線が衝突した時に与える影響は半導体の面積が小さいと相対的に大きくなります。プロセスの比率から考えれば今の半導体は当時の半導体より宇宙線の影響を2桁以上多く受ける筈です。

当時はα線がソフトエラーの主因だと考えられていたのでシリコン表面のポリイミド保護膜を厚くして対策していました。しかしプロセスが微細になるとβ線でも誤動作するかもしれません。β線を遮蔽することは非常に困難です。ミニロケットに厚い鉛のシールド箱を搭載するわけに行きませんし、今は鉛フリーの時代ですから。

ソフトエラーの対策は

(1) 古いプロセスを使って宇宙線の影響を減らす

(2) その上で、回路の冗長化(多数決、エラー訂正など)する 以外ないと思います。

民生用の半導体ではプロセスが微細過ぎますし冗長性が無いと思います。

ミニロケットの故障の原因調査の結果を見守りましょう。

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

本年が皆様にとって良い年になるようお祈り申し上げます。

2017年になって早くも10日近く過ぎてしまいました。もはや新年の挨拶の時期ではなく寒中見舞いの時期です。まことに時節を逸した挨拶申し訳ありません。

昨年10月に身内が事故に遭ってしまいました。ほぼ同時期に一人暮らしの親の体が弱って来ました。それらの面倒を見るのに時間が取られています。大変ですが生まれてから就職するまで(それ以降も)面倒を見てくれて、様々な迷惑をかけて来た親ですから恩返しするのは今でしょ!という気持ちです。私が会社勤めならほとんどを家内に押し付けてしまったと思います。しかし今の仕事は時間に融通がきくので家内と分担して対応しています。家内も非常に大変だと思いますのでこれからも協力しながらやって行こうと思います。

そうこうするうちに(オーディオとは全く関係ない)副業の成果物を販売したらどうかという話をもらいました。その商品化の検討を昨年末から始めました。今は商品価値があるかの評価をモニタの方にお願いして開始したところです。

そんなわけで本業であるパワーアンプの設計が止まっている状況です。しかし今年の前半には試作品を作りたいと思い時間を見つけて作業を進めています。

暦によると私は今年「八方塞がり」だそうです。私は年周りなどほとんど気にしません。若い頃なら「なんだ八宝菜かい?上等じゃねえか!」と言って一笑に付すところですが多少は歳を重ねて成長しています。様々なことに注意を払いつつ謙虚に過ごそうと思います。

DP-3000

私事が多忙になり仕事が進みません。こまったことです。

MJ12月号にDP-3000の駆動アンプの記事が載っています。私も40年ほど前にバイトで稼いだお金でDP-3000を購入し自分で箱を作ってプレイヤーを作りました。これは今でも保有しています。しかし20年ほど前から回転が不安定になりました。なんとかしたいと思って10年ほど前にDP-3000の駆動回路をトレースしてみました。

回路を解析したところ以下のような動作です。

(1)プラッターに記録されている磁気信号を増幅し検波する。

(2)検波出力を積分する。

(3)積分出力と基準電圧を差動アンプに入力する。

(4)差動アンプの出力でインダクションモーターを駆動する。

つまり回転数が上がると検波出力が増えるのでモータードライブ電圧を下げて回転数を減らす、回転数が下がると検波出力が低くなりモータードライブ電圧を上げる動作をするというフィードバック制御です。インダクションモーターは駆動する電圧によりトルクが変化するので電圧が高いほと回転数が早くなるようです。

上記の動作は速度制御です。しかし回転が安定しないので水晶発振器との位相制御を加えようと考えました。私は電子工学系なのでモーターの知識がほとんどありません。インダクションモーターを含む制御系の解析は結構面倒だなあ、、、など思っている間に10年以上過ぎてしまいました。

そうしたらMJに記事が載っていたので「先を越された!」とちょっと悔しい思いをしています。

DP-3000のプレイヤーに載せたアームをもう一度使ってみたいのでMJの記事を参考にして復活を考えてみようと思います。

手持ちのDP=3000のモーターもしくはプラッターの磁気記録に問題があるかもしれないと恐れています。先ずは位相制御を加えると回転が安定するか簡単に確認してみたいと思いました。

ソニーの電池事業を売却

ソニーのリチウム電池事業を村田製作所に売却するというニュースを読みました。

私が会社に勤めていた時に業務用の携帯コンピュータの設計をしていたことがありました。1980年代はニッケルカドミウム(ニッカド)電池を使っていました。ニッカドはなかなか難しいデバイスで品質問題を起こしたことがありました。それ以降電池を使った電源の設計には非常に慎重になりました。

その後ニッカドよりも容量の多いニッケル水素電池が出荷され始めました。ニッケル水素電池の充放電管理はニッカドよりもさらにクリティカルで注意が必要です。その割には容量がニッカドの1.2倍程度なので設計者としてモチベーションが起きませんでした。

時を同じくしてリチウムイオン電池開発の情報が入って来ました。海のものとも山のものとわかりませんが非常に魅力的な仕様でした。ATバッテリが最初にサンプルを出しました。確かATバッテリの吉野さんという方がリチウムイオン電池の基本技術を開発したと思います。直接話を伺いました。

リチウムイオン電池の魅力は容量あたりの重量が軽いことで携帯コンピュータには非常にありがたいことです。また充電制御が比較的簡単です。ただリチウムというと発煙・発火などの心配があるので気になりましたが製品の競争力を高めるためにすぐさま検討・評価を始めました。

するとソニーからもリチウムイオン電池の紹介がありました。ATバッテリが基本技術を持っていると考えていたので当初は特許の問題など???でしたが打ち合わせを重ねるうちにソニーのリチウムイオンの可能性も膨らんで来ました。そしてソニーのハンディカムにリチウムイオンを使う予定との話を聞いて段々ソニーのリチウムイオンを使う意向を固めました。

基本技術ではATバッテリが先行していたと思いますがソニーはバッテリを使う最終製品を持っていたので先にバッテリの商品化に成功したと思います。それが私達がソニーのバッテリを採用すると決めた理由の中で大きなものです。

私達はハンディカム用に発売される前にバッテリパックの仕様とサンプルの提供を受けて検討しました。携帯コンピュータでは特別仕様が必要なのでカスタム品の提供を打診しました。すると非常に積極的に対応していただきあっという間にカスタム品のサンプルを提供してくれました。

リチウムイオン電池は初物なので私達はかなり大規模かつ慎重な評価を行いソニーと情報共有をしました。この情報はソニーにもかなり有用だったと思っています。そして従来のニッカドやニッケル水素を凌駕する満足すべき結果を得て商品化を行いました。

これはおそらくビデオカメラ以外の機器としては初めてリチウムイオン電池を使った製品だったと思います。軽さが重要な携帯コンピュータではそこそこ売れてロングセラーになりました。

これは私が会社に貢献した数えるしかない製品の一つです。

その当時はソニー・エナジーテックという会社でした。開発の方も営業の方もソニー出身で積極的で恐いもの知らずの感じでした。私も若かったので製品の競争力を高めようとしてお互いに共鳴してどんどんと進んだように思います。

20年以上も前のことです。

雑記

7月になって既に半分ほど経ってしまいました。

あいかわらずパワーアンプの設計をしています。パワーアンプの中で最も歪が多いのは出力段です。設計中のアンプは出力段に特徴があります。増幅回路を複雑にせず出力段の歪を減らすための方法を追求しています。

今はアンプ本体の基本回路がほぼ固まって、特徴的な部分の設計をしています。この部分の基本的なアイデアの特許検索を行いましたが先行技術は見つかりませんでした。多分商品化できそうです。これからは実現の可能性や音質を試作して検証する必要があります。参考にする事例が無い回路・方式を考えて商品化する過程がエンジニアとして最も生きがいを感じる瞬間です。

わからないことがあると幾つもの文献(主に半導体関係)を読み込んで理解・検討しないとならないので大変時間がかかってしまいます。会社勤めの頃は絶対的な納期がありそれに向けて必死で頑張って来ました。今は納得行く製品を作りたいのでじっくり検討をしたいと思います。(会社で品質が悪い製品を作っていたのではないです。しかし技術的な疑問や好奇心があってもじっくり調べる余裕がありませんでした。製品の魅力を高めるためにあと一押しをすることはできませんでした。)そして以前のように死ぬほど頑張る必要もないので時間がかかってしまいます。(年を取って集中力が衰えたことも多いに関係していますが、、、)

さて突然話が変わりますが、我が家の暖房は主に薪ストーブです。薪の半分は購入、半分は自己調達です。私の住んでいる地区はりんご農家が多いのその木を頂いていましたが最近は薪ストーブを使う人が増えて手に入りにくくなりました。近くの家で伐採した木やはぜ木などを頂き足りない分を購入しています。

今まで薪を購入していた林業会社のおじさんが高齢で玉切の薪の配達ができなくなりました。そこで薪を販売している会社を探していましたが、なかなか見つかりませんでした。そんな事情があってやっと見つけた林業会社からつい最近薪が届きました。

本来なら12月~1月にかけて薪を割り、次のストーブシーズンに焚きます。薪の乾燥に最低1年は欲しいからです。今回は乾燥時間が短いのでちょっと心配ですが半年でも許容範囲でしょう。

薪が届いてから毎朝1時間ほど薪割りをしています。樹種によりますがこの木は早く割らないとどんどん割りにくくなります。薪割り場が木陰にあるので晴れた日には日陰になり、雨の日には傘代わりになりとても快適です。IMG_1775

昨年までは薪を2トン配達してもらっていました。今回は配送料がかかるので節約のために4トン配達してもらいました。これだけ割るのには時間がかかります。薪割りが終わるまでランニングができませんが薪割りも結構運動になります。

薪割りで汗をかいて、シャワーを浴びていざ仕事の今日この頃です。 これも納期が遅れる理由の一つ?