11月7日にMUSIC SHOP Goodiesのダイレクト・トランスファー・シリーズ(CD-RおよびDSD)の販売を開始しました。
私が生まれたのはLPレコードやEPレコードの時代だから、音楽を聴き始めた頃は33/45回転のレコードが普通に使われていて、SPレコードやその再生装置は既に骨董品となっていた。
20年以上前に故宍戸公一氏がSPレコードの魅力や再生装置について記事を書かれているのを読んで興味を持ったものの手を出すことはありませんでした。
何度か聴いたSPレコードの音はスクラッチノイズが多いですがその表現力は私の心を動かしました。また今の録音のように継ぎ接ぎできる場合に比べて一発で録音することが多いので演奏者の気合が違う。歴史的な巨匠の演奏を聞くことができるのも魅力だ。すこしずつではあるがSPレコードについての興味が膨らんでいた。
クレデンザでSPレコードを聴くコンサートがサイトウキネンの期間中に開催された。そこへ新さんが講師として参加された。その折、新さんが所有するモーツァルトのSPレコードをDSDで録音してCDで販売されることを伺った。私の勉強不足で新さんがSPレコードのコレクターでありそれを記録に残していることをその時初めて知った。
SPに興味があるものの、SP再生装置を作るのは面倒、ソース入手も困難、3分ごとにレコード交換するのは大変だ。だからSP再生に踏み出すことはほとんど考えて居なかった。
また一口にSP再生と言っても正確な情報を再現するのは難しい。今まで聴いたSPの音は最適な方法で再生されていたのか?多くの知識と経験をお持ちの新さんが再生したものなら私のようなSPの経験がないものが何年も試行錯誤してたどり着けるか分からない領域に達している。
上記のような理由でSPの音を記録したCDを聴くのが最も現実的な方法であり機会があればCDを購入しようと思っていた。
その後10月の真空管オーディオ・フェアに出展した際、隣の小間にMUSIC SHOP Goodiesが出展されていた。そしてなんと!Goodiesでは新さんがSPからマスタリングした音源をダイレクト・トランスファー・CD-Rとして販売している。Goodiesの小間に見えた新さんが「うちとお隣なんですね。」と声をかけてくれた。Goodiesの大西さんは初めて出展する私達に親切に色々と教えてくれて大変お世話になった。
フェアの2日目に大西さんから「良かったらダイレクト・トランスファー・CD-Rの販売をしませんか?」と声をかけていただいた。
SPレコードを記録したCDを聴いてみたいと思っていた時期に、Goodiesさんと隣の小間で出展できたことや大西さんが私に声をかけて下さったのは偶然と言うには出来すぎている。本当にご縁だと思う。
SPの魅力の一つは歴史的なバーチュオーソの名演を聴けることにあると思う。これから少しずつでもその魅力を発信して行きたいと思います。