電源スイッチの位置

ちょっと緩い話題だがオーディオ機器の電源スイッチの位置について書こうと思う。

フロントにあるかリアにあるかという問題もあるが右か左かについて論じてみたい。古めのオーディオ機器を見てみると

マランツ、マッキントッシュ、LUXなどは電源スイッチが右側にある。

一方で

JBL、アキュフェーズ、デンオンなどのメーカーは左に電源スイッチがある。

私が社会人としてのキャリアを始めた最初の会社は業務用の無線機メーカーであった。そこではkWクラスの送信機やレーダーなどを設計・製造していて私もその一部を担当させてもらった。その時に教わったのが電源スイッチを右側に配置すること。スイッチが右にあると右手で操作するので万が一漏電していても電流は心臓を通らない。火傷はしても一命は取られない。もちろん送信機が1,000V以上を扱っているとは言え漏電する筈が無い。漏電しない部品を使っている。それでも万が一のことを考えて電源スイッチを右側に配置するのがプロ機だ。それからというもの、私が作る機械は全て右側にスイッチを配置している。今回のラインアンプ SSP-01も右側にスイッチがある。SSP-01が漏電することは無いので、これは今までの習慣に従ってということになる。

スイッチの位置はフェイル・セーフの考え方によるものだと思う。回路設計においてもフェイル・セーフの考え方がある。抵抗、コンデンサ、半導体などがショート・オープンしてもその機器自体そして他の機器に被害を及ぼさないなどがその考えだ。いろんな回路を見させてもらうとフェイル・セーフを考えていないものを見かける。私は設計において常に考えて行きたい。

ところでフェイル・セーフの語源は鉄道だと聞いている。最近のJR北海道のニュースを聞くと信じられなくてびっくりする。鉄道の世界も時が経るとともに安全第一の精神が伝えられなくなったのか?民営化以降いったい何があったのか?効率化・利益追求だけが目標になり、もの作りの世界にフェイル・セーフの考えのような基本的なものが失われて行くのではないかと心配だ。

・・・別に左に電源スイッチがある製品を批判しているわけではありません。今の時代漏電する機器などないでしょう。

 

 

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