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確定申告

今年も確定申告が終了しました。

期せずしてマイナンバーカードを使った申告を行ったので報告します。

私は2月10日頃e-Taxで申告を終えました。申告に必要な住基カードの期限が2月末でそれに代わるマイナンバーカードがいつ届くかわからないので早期の申告が必要でした。

かつて使いにくいことで有名な(失礼)e-Taxもかなり改善されて来ました。私も自分用の「e-Tax申告マニュアル」を作成していたのでそれを見ながらすんなり申告ができました。

その後修正申告したいことが起きました。しかし既に住基カードの期限が切れていました。それなのにマイナンバー・カードは来ないので「ま、いいか。」と思っていました。

ところがそんな折にマイナンバーカードが届いたので修正申告してみました。

修正申告自体はできましたが以下のような問題が発生しました。

・マイナンバーカードで新たに「電子証明書の登録」が必要。

・電子証明書登録の際マイナンバーカードのパスワードを変更しなさいとメッセージが出たので変更。おそらく住基カードと同じパスワードを設定していたので変更を求めたと思う。(発行窓口ではパスワードは住基カードと同じでも良いと言われたのに)

・e-Tax送信の時に変更後のパスワードでエラーが出た。変更前のパスワードを使うと送信できた。

パスワードを変更したのに変更前のパスワードでないとe-Taxの申告ができなかったのは何故?このままだと変更前・後とっちのパスワードを使うべきか判らないです。もしかしたらパスワードを変更したサイトは正当なものでなくハッカーのサイトなのか?などと心配になります。

その疑問を解決するために日本の縦割り行政を実感するだろう問合せを始めました。予想通り総務省、電子証明書を発行する団体、電子証明書を使う国税庁などをたらい回しされました。そしてこれも予想通りですがマイナンバーカードのシステムの全貌を知っているところが無いことがわかりました。

色々確認した結果以下のようなことだと推測しました。

原因: 電子証明書の登録をしてから登録内容が反映するまで時間がかかった。

通常はマイナンバーカードの属性の全てが同時にデータベースに反映されると思うが何故かパスワードだけ数10分遅れて反映された模様。そのタイムラグの間にe-Taxの申請をしたのでエラーになった。問合せをした後再度e-Taxにログインしたら新パスワードに変更されていた。

データ変更の同時性はデータベースの基本だと思いますが、、 心配になります。

 

ベーゼンドルファーを弾きに行く

少し前のことですが、、、松本にあるアクトホールでベーゼンドルファーを弾かせてくれる催しがありました。30分 500円で誰でも弾くことができます。家内が申し込んでいたので私もついていきました。

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30分の持ち時間の中の5分ほど私もベーゼンドルファーに触って来ました。自宅にあるヤマハのピアノとは少々違う手触りです。優しく滑らかな感じがします。しっとりとしたタッチと言えるかもしれません。あいまいな記憶で書いているのでかなりいい加減ですが、、初動感度が低い(タッチが重い)が鍵盤が止まる時の抵抗感が柔らかい感じです。

これに対してヤマハは初動感度が高く(タッチが軽い)て鍵盤が止まる時に急激に負荷が増えるようなイメージです。

ベーゼンドルファーは初動感度が低いので鍵盤が底についた時の抵抗感が緩和されるのかもしれません。

スタンウェイは?というとよくわかりません。100年以上前のスタンウェイのアップライトピアノをかつて借りていたことがあります。(ちなみにこのピアノには燭台を取り付ける穴があってそれを塞ぐ改修がされていました。)あまり記憶にないですし現代のグランドピアノと全く違うと思いますが初動感度が低く底に当たる時に抵抗感が急激に強くなったように思います。

試奏時間が終わり受付に行くとハンマーをお土産に渡してくれました。私たちは夫婦2人で申し込んであったためか2つ頂きました。

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ハンマーに革紐をつけて木部にガラス玉を埋め込んであります。木には「ベーゼンドルファー275」と捺印してあるのでアクトホールにあるModel275のハンマーです。調律の時に交換したものだと思いますがフェルトが痩せすぎているので最初はダンパーかと思いました。フェルトが痩せたの交換したのか?交換後長期放置したので痩せたのか?それはわかりませんがもしこれ程フェルトが痩せるまでハンマー交換ができないとしたら市の予算がよほど無いのでしょう。

試奏は毎年やっているので参加者が多いと思いますが交換後のハンマーの数は限られているので多分ラッキーだったと思います。

そういえば昔 Side by Side というレコードがありました。八城一夫がAとB面をベーゼンとスタンで弾きわけるという企画です。sbs

ベーゼン、スタンそれぞれに適した選曲をし録音もそれぞれを生かす録音をしています。つまり2つのピアノの純然たる音の比較ではないのですが私にはベーゼンとスタンの特性の違いが刷り込まれるレコードでした。

その後の様々な体験により上記レコードでの印象は間違っていなかった思います。

アクトホールから頂いたハンマーはキーホルダーにでもしようと思います。

ダイレクト・トランスファー・シリーズ

11月7日にMUSIC SHOP Goodiesのダイレクト・トランスファー・シリーズ(CD-RおよびDSD)の販売を開始しました。

私が生まれたのはLPレコードやEPレコードの時代だから、音楽を聴き始めた頃は33/45回転のレコードが普通に使われていて、SPレコードやその再生装置は既に骨董品となっていた。

20年以上前に故宍戸公一氏がSPレコードの魅力や再生装置について記事を書かれているのを読んで興味を持ったものの手を出すことはありませんでした。

何度か聴いたSPレコードの音はスクラッチノイズが多いですがその表現力は私の心を動かしました。また今の録音のように継ぎ接ぎできる場合に比べて一発で録音することが多いので演奏者の気合が違う。歴史的な巨匠の演奏を聞くことができるのも魅力だ。すこしずつではあるがSPレコードについての興味が膨らんでいた。

クレデンザでSPレコードを聴くコンサートがサイトウキネンの期間中に開催された。そこへ新さんが講師として参加された。その折、新さんが所有するモーツァルトのSPレコードをDSDで録音してCDで販売されることを伺った。私の勉強不足で新さんがSPレコードのコレクターでありそれを記録に残していることをその時初めて知った。

SPに興味があるものの、SP再生装置を作るのは面倒、ソース入手も困難、3分ごとにレコード交換するのは大変だ。だからSP再生に踏み出すことはほとんど考えて居なかった。

また一口にSP再生と言っても正確な情報を再現するのは難しい。今まで聴いたSPの音は最適な方法で再生されていたのか?多くの知識と経験をお持ちの新さんが再生したものなら私のようなSPの経験がないものが何年も試行錯誤してたどり着けるか分からない領域に達している。

上記のような理由でSPの音を記録したCDを聴くのが最も現実的な方法であり機会があればCDを購入しようと思っていた。

その後10月の真空管オーディオ・フェアに出展した際、隣の小間にMUSIC SHOP Goodiesが出展されていた。そしてなんと!Goodiesでは新さんがSPからマスタリングした音源をダイレクト・トランスファー・CD-Rとして販売している。Goodiesの小間に見えた新さんが「うちとお隣なんですね。」と声をかけてくれた。Goodiesの大西さんは初めて出展する私達に親切に色々と教えてくれて大変お世話になった。

フェアの2日目に大西さんから「良かったらダイレクト・トランスファー・CD-Rの販売をしませんか?」と声をかけていただいた。

SPレコードを記録したCDを聴いてみたいと思っていた時期に、Goodiesさんと隣の小間で出展できたことや大西さんが私に声をかけて下さったのは偶然と言うには出来すぎている。本当にご縁だと思う。

SPの魅力の一つは歴史的なバーチュオーソの名演を聴けることにあると思う。これから少しずつでもその魅力を発信して行きたいと思います。

真空管オーディオフェア

10月12日、13日に真空管オーディオ・フェアに出展しました。

来場された方々、運営にあたられた方々またお世話になった出展社の方々ありがとうございました。心から感謝いたします。

毎年出展されている方によると12日は例年にない人出だそうです。通路は人が一杯で歩くのも大変な状態でした。一方13日は台風の影響で来場者が少なく寂しい感じでしたが反面落ち着いて説明ができました。天候の影響で2日分の来場者が初日に集中したのではないかと思います。

私が席をはずしている間に来られた来場者の方々には充分な説明ができず失礼しました。また13日には台風が接近していたため終了時間よりも1時間ほど早く撤収させていただきました。ご不明な点があればメールにてお問合せください。

会場の制約で音が出せずスピーカー切替器を展示しただけだったので製品の特長を充分お伝えできなく残念でした。展示方法や説明方法についても色々と反省点があり勉強になりました。

能率補正機能付スピーカー切替器は今までに無い製品ですので製品のコンセプトや価値がどんなものかわからない方が多くいらっしゃいました。色々と説明しなくても一目見るだけでユーザー・ベネフィットが理解できる紹介をしないとならないと痛感しました。ショーやフェアで製品の価値を分かっていただくことと同時にWebサイトの見直しも必要です。

次期製品の検討と並行して現行製品の魅力をきちんと伝えられるようにして行こうと思います。

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サイトウ・キネン CDコンサート 再び!

度々CDコンサートの話題になってしまうが本日もキッセイ・ホールを訪れた。

今日はマーラーの1番を演奏するのでこれを聞くのが目的だ。

演奏・録音・音とも素晴らしく大変感激した。

私はサイトウキネンのマーラー1番を聞くのは初めてだった。私が良く聞く同曲の演奏とはかなり違いビックリした。とにかく演奏のダイナミックレンジが大きい。ピアニシモは思いっきり小さい音で演奏してためにためてその後大きな音になる。この差が凄い。テンポの差も大きい。これでもかとゆっくり演奏した後は一気呵成に駆け抜ける。そして音の大きさとテンポだけでなく演奏の表情におけるダイナミックレンジも広い。例えば第一楽章は霞がかかった水墨画のような趣きで演奏するが三楽章や四楽章は迫力のある分厚い演奏をする。聴きながら次はどんな仕掛けをして来るのだろうとわくわくする感じだった。

サイトウキネンの名手だからこそ小澤の意図を具現化できた名演奏ではないかと思う。

音も良い。先日のブラームスは弦が多少ざらついて聞こえたが今日の録音は実に透明感がある録音。耳障りな感じが一切ない。新さんによると初期のサイトウキネンはフィリップスが録音していたが、ある時期からデッカに変わったそうだ。マーラーの1番はデッカの録音。それも関係しているかもしれない。しかし1980年代のディジタル録音機器と2008年のそれとでは性能が大きく違うのでこちらも大きな要因だろう。

よく1950年代の録音が良くそれ以降は聞くべき録音が減っていると言われる。しかしこの録音は過去の名録音とも比肩できるものではないか?

名演奏・名録音を良い再生装置で聴いて本当の感動を覚える。今日は音を聴いていて鳥肌が立つことさえあった。常設の場所で音を練り上げるのでは無く、半日程度でセッティングしてこれだけの音を出してしまうのだからちょっと悔しい。と嫉妬を感じるほどの音でした。(お世辞でなく)

コンサートの冒頭では中野雄さんの興味深い話を聞くことができていろんな意味で良いコンサートだった。

あまりに良かったのでロビーの売店でマーラーの1番のCDを買い家に帰って聴いた。もちろん良かったがキッセイで新さんのシステムで聴いたほどの音では無かった。再生空間の大きさが主要因としておきたいが、、、

クレデンザレコードコンサート

私の住んでいる松本市は3ガクの都と言われている。

岳都、学都、楽都の3つのガクの都市だ。

最初の岳は山岳の岳。平成の合併により旧安曇村も松本市になったので槍ヶ岳や穂高岳も松本市にある。合併前から松本にあった美ヶ原も含めると松本には、槍ヶ岳、穂高岳、常念岳、焼岳、乗鞍岳、美ヶ原となんと6座も深田百名山がある。したがって岳都の名称は誰もが認めるところだろう。

次の学都はちょっと厳しい?旧開智学校や旧制松本高校があり現在は信州大学があるのが学都の由来だが松本が他の都市に比べて特別なわけではない。3ガクにするための苦しいこじつけのような気がする。

最後の楽都は岳都ほどではないが多くの人が受け入れるのではないだろうか?有名なスズキメソードがあるしサイトウキネンフェスティバルもある。人口25万人程度の小都市としてはホール等の施設を含めて比較的音楽環境に恵まれていると思う。

サイトキネンの時期にはサイトウキネンの演奏だけでなく音楽パレードや先日ブログに書いた新さんのCDコンサートなどが行われる。本日行ったクレデンザレコードコンサートもその一環だと思う。松本の街の中が音楽で溢れている感じがして素敵な季節だ。

クレデンザとは真空管などの増幅器を使用しないアコースティック方式の蓄音機の最高峰である。当然クレデンザで再生するレコードはSPレコードである。

kuredennza

私はSPレコードには馴染みが無くほとんど聴いたことが無い。今までポータブル型の蓄音機や電気再生で数回SPレコードを聞いたことがある。古い録音のSPレコードをアコースティイック再生しても意外に音が大きく心に染み入る魅力的な音がするという印象を持っている。

しかしSPレコードや再生装置の入手などに手が廻らない。そのためSP再生は気になりながらも踏み出せないでいる。それでも機会があれば音を楽しみたいと思っているので今回のコンサートを聴きに行った。

蓄音機の最高峰であるクレデンザを聴いたことが無いのでそれを聴くことも大きな目的であった。

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ホテルの広いホールでコンサートを行ったため蓄音機の音をマイクで拾いPAで流したのが少々残念。後ろの席の人にも音を聴いてもらうためには致し方ないが、、、

それでも音は充分に魅力的で音楽に引き込まれてしまう。音楽を楽しむならこの音で充分じゃないかと思う。情報が少ない分、より音楽に集中できる。本当に味わい深い音だ。

以前聴いた電気再生のSPはスクラッチノイズがかなり大きかったがクレデンザはスクラッチノイズが気にならない。スクラッチ音の差はSPの盤質によるものかもしれないが再生方式の違いも大きいと思う。(本日竹と鉄の針を比較したがそれでも違った)

素敵なコンサートを主催してくださった松本SPレコード愛好会の皆さんありがとうございました。

ところでコンサートには新さんが解説者として来場されていた。休憩時間に挨拶をしたところサイトキネンCDコンサートの感想を書いた私のブログを見て下さったとのこと。恐縮してしまいました。帰ってから失礼なことを書いてないかもう一度読み返してしまいました。

新さんが所有するSPレコードのコレクションをCD化して飛鳥新社から「モーツアルト・伝説の録音」として発売されるそうです。非常に魅力的なCDですが、価格が、、、

松本では10月24日 キッセイホールでこのCDを聴く催しがあるそうです。是非行きたいと思います。

サイトウ・キネン CDコンサート

昨年に続いてCDコンサートに行って来た。

新 忠篤さんが機材を持ち込んで松本のキッセイ・フォールでCDコンサートを行っている。

今年は8/29、8/31,9/2,9/6の4回開催される。

家内に教えてもらい一緒に聞きに行った。家内から聞かなければパスしてしまったかも。感謝です。

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昨年聞きに行った時は様々なホールの響きを比べるために演奏を抜粋して鳴らしたが今年は曲を通して演奏した。ドヴォルザークのセレナーデとモーツアルトのオーボエ四重奏はいずれもハーモニー・ホールで録音されたもの。ハーモニー・ホールは音が良いことで知られているがセレナーデは風邪を引いて耳と鼻が詰まったときのような音でおかしい。

座っている場所が悪いと思い最前列の真ん中の席に移動した。すると2曲目のオーボエ四重奏は非常に良かった。そこに演奏者が居るかのような気配が感じられた。客席に居るという感じではなくステージの上で聞いているような感じだ。

最後のブラームスの4番は私も持っているCDだ。1989年ベルリンの録音。ベルリンの壁が崩壊する2ヶ月ほど前にベルリンで録音された演奏。少し弦の音が粗いと感じた。この頃の録音のクオリティによるものかと思ったが音に勢いがある。SKOの最初の録音だそうだ。録音に関わった西脇義訓さんが録音当日のことを語ってくれた。西脇さんは第二バイオリンの後ろで演奏を聴いていて小沢さんの指揮に圧倒されたそうだ。

演奏機材は上のパンフレットに記載の通り。写真を撮ってきた。

スピーカーはウエスタンの594Aとジェンセンの13″を825に入れたもの。ウーファーも中高音のドライバーも励磁型スピーカー。励磁型スピーカーは音に勢いとスピード感があって素晴らしい。

左下が300B-ppの単段アンプ。聞いたところ入力トランスで14dB程度の利得があるそうだ。600Ω入力だからできることだろう。

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こちらはCDプレイヤーとプリアンプ。ミキサー的なレイアウト。pre

いい音を聞かせていただきありがとうございました。

ちなみに家に帰ってブラームスの4番をかけてみた。再生した部屋の容積が3桁くらい違うせいか、再生装置の違いかわからないがこじんまりした音に聞こえた。今度ハーモニー・ホールのオーボエ四重奏のCDを買って比べてみたい。

微妙な問題ですが、、 スコットランド独立について

私事ですが2007年から2009年にかけて2年半スコットランドに住んでいた。

そのスコットランドがUKから独立するかを決める国民投票が9月18日に行われる。今のところ独立賛成派が反対派を上回っているようだが、投票日が近づくにつれて賛成派の割合が増えているようだ。

私は選挙権が無いものの、スコットランドを第二の故郷と思っているので選挙の行方が気になる。

私のような門外漢が選挙についてどうこう言える立場にはないが少し意見を述べてみたい。

私がスコットランドに住んでいた時にも感じたが、スコットランド人はイングランドに対してかなり対抗意識を持っていた。大阪が東京に対して持つライバル意識のようだと思っていたがもっと民族的、歴史的な背景があるようだ。同僚に聞いたこともあるが深入りは避けた。彼らもそれぞれの家族の歴史があり、話がヒートアップすると同僚同志がかつて敵対していたことがわかり憎悪が生まれてしまうかもしれない。だから聞けないし、外国人の私には彼らも説明してもわからないと思ったのだろう。

建前としてSNP(スコットランド国民党)はスコットランドをUKの一地域ではなく世界に貢献できる国家にしたいと言っている。非常に高邁な目的であるが実際は北海油田の利権を独占してスコットランドへ富を集中させたいという民族主義的な理由であろう。国民投票が近くなると「スコットランドは世界で一番豊な国だからUKの一部でいる必要はない」というキャンペーンがあり、失業者などが独立すればなんとかなるかもしれない、と独立賛成派の比率が増えている。

確かにUKは工業が衰退し金融業の国になっている。スコットランドは工業が多く工業が衰退したあとバイオ系などの投資があるが失業率が高い。一方イングランドは金融で栄えているのでスコットランドから見るとうらやましく思えるのだろう。そんなこともありSNPのキャンペーンに乗ってしまう人も多いようだ。

しかしSNPがどこまで現実を見極めているのかわからない。UKの政府はスコットランドが独立したらポンドを使わせないと言っている。そうするとスコットランドはユーロを使うざるを得ないがEUがスコットランドを迎え入れるか?SNPの代表はポンドを使う権利があると言っているがそれは通用しないでしょう。北海油田の権益が全てスコットランドに帰属するかもわからない。

さらにUKの大きな社会保障システムの一つであるNHS(ナショナル・ヘルス・サービス)もどうなるか争点の一つである。これは国民の医療費が基本的にただになるシステムである。私達の家族も歯科医療を除くほとんどの医療費が無料になった。独立反対・賛成双方とも独立すれば破綻する、独立しないと破綻すると勝手な意見を述べている。

かつての知り合いでも賛成派・反対派が居る。

ある知り合いは非常に頭が良くIT業界で働いているが経済的な理由で独立すべきと考えているようだ。しかし私は独立により経済的な利益があるとは思えない。彼も多分理解していると思う。私が想像するに彼は民族主義的な考えにより独立を支持しているように見える。

他の知りあいは独立反対。SNPの政策に具体性がないから。そして独立する必要がないから。普通はこう考えると思う。スコットランドが独立して得る利益と損失を比べたら圧倒的に損失のほうが多いといっている。

私が住んでいた時の感想では、住民サービスでイングランドよりスコットランドが劣っているとは思わなかった。経済投資はそれほど悪くない。トニー・ブレアもゴードン・ブラウンもスコットランド出身。むしろスコットランドが優遇されていた面もあると思う。確かにUKは金融国家になり工業はないがしろにされてきた感がある。しかし各種産業の発展のためにスコットランドにもかなりの投資がされていたのは事実だ。

もし独立した場合スコットランドは独立に多大なコストがかかるので富が増えることはないと思う。万が一独立してスコットランドが裕福になるとしたらUKの他の地域が貧困になるということ。そうすれば今後スコットランド対イングランド・ウエールズそして北アイルランドなどとの対立が深くなる。かつてのIRAによるテロのようなことが起きるかもしれない。

独立にかけるコストをUK全体の利益拡大に使えばもっと大きなリターンがあると思う。スコットランドだけのエゴのために無駄なコストを払い、他の地域を犠牲にして独立するのはどうかと思う。

スコットランドが独立の国民投票をするならUKの他の3カ国にも独立を認めるか否かの国民投票をする権利があると思う。

そんなわけでもし私に投票権があれば No です。  大きなお世話でごめんなさい。

今回は仕事とは関係ないけど私の思いを綴ってみました。

Auraのアンプの修理(2)

注文していた部品が届いたので交換した。

リレーは問題なく動作している。2-3日連続運転してから依頼主に届けようと思う。

修理前と後の特性を確認した。

周波数特性と歪率はほとんど変化なし。歪みは以下の通り。測定誤差の範囲。

DIS_before

DIS_after

10kHzの歪みが多い。回路を見ると2段目の差動で直接出力段のFETをドライブしている。出力段のFETは2SK1058/2SJ162だと思われるがこれらの入力容量は1000pF近くある。

これに対して2段目の差動アンプのコレクタ電流は0.35mAしか流していない。これでは出力段のFETのゲート容量を素早く充放電できない。仮に0.35mAフルに流れて入力容量を充電したとして計算すると

T=CV/I=900pF x 28V / 0.35mA=72us

ここで C は2SJ162の入力容量=900pF、V はアンプの最大出力50Wを出力するために必要な電圧=28V、I は入力容量を充放電する電流=0.35mA。

10kHzで0Vからpeakまでの時間は1/4周期なので25us。上記の入力容量充電時間時間は25usより長いので歪みが発生する。上記計算はステップ状に0.35mAが流れてFETの入力容量を充放電する場合の計算であるが実際にはFETのゲートに発振防止の抵抗が入っているし、2段目差動は位相補償のコンデンサが入っているのでさらに遅くなる。出力が増えるほど歪みが増えるのは上記の計算の通り出力が大きいほどドライブ電圧の不足が多くなるからだ。Auraともあろうものがどうしてこんな安易な設計をしたのか不思議だ。(背面にはDesigned by B&Wと書いてあった、、、)

ただし音楽では高周波成分のレベルが低いことを考えると実用上は許容できるだろう。そういう意味では凄い割り切りなのかもしれないが、、、

続いてダンピング・ファクターを比較する。

DF_before

DF_after

修理前は不安定な様子がわかる。これはリレーの接点の劣化とコイル劣化による接触圧力の低下によるものだと考えられる。修理後は安定している。10kHz以上でDFが上昇しているのはダミーロードに無誘導タイプを使用していないのでインピーダンスが上昇しているためDFが見かけ上高くなっているためだろう。(今パワーアンプの開発を計画しているのでちゃんとしたダミーを作る必要がある)

Auraのアンプはカジュアルに聞くことを想定しているのでこんな感じかなあと思う。しかし部品やレイアウトに気を配っているので回路にもう少し配慮してもよかったのではないか?

 

Auraのアンプ修理

行き着けの飲み屋でBGM用に使っているアンプの修理の依頼を受けた。

AuraのBritish Stingrayという機種で1999年製。15年間毎日のように使っている。壊れても不思議でない。回路図が無いので修理できるかわからないがとにかくやってみる。

Aura1

 

Aura2意外と簡単に原因が分かった。ミューティング用のリレーがONしない。電源電圧が100V以上だとリレーはONするがスライダックで電源を100V以下にするとONしない。リレーの感度が低下して来たのだろう。この状態ではリレーの接触抵抗が増えているので音質にも悪影響している筈だ。

長期間使用しているのでついでに電解コンデンサも交換することにし必要な部品を発注した。

使用している基板は片面基板なので回路図をトレースが簡単にできた。

フォノ・イコライザーは5532を2つ使ったNF型。初段は非反転増幅で約16dB増幅。2段目は反転増幅を使ったNF型。反転増幅のNF抵抗とカートリッジのインダクタンスが接続されると動作が不安定になるのでこれを防ぐためにフォノ入力を5532で受けてからとRIAA回路に信号を送っていると思われる。

イコライザーの出力とライン入力はセレクター・スイッチとボリュームを通りパワーアンプに入る。

パワーアンプは初段が2SA970の差動アンプ、2段目は2SC2240の差動アンプでカレーントミラー負荷でpp合成されている。2段目差動の出力で出力段のFETを直接ドライブしている。これでいいのか?と思う微妙な回路だが音はそれなりに定評がある。

現状で簡単に特性を測定し、ビフォアー vs アフターで比較してみようと思う。