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微妙な問題ですが、、 スコットランド独立について

私事ですが2007年から2009年にかけて2年半スコットランドに住んでいた。

そのスコットランドがUKから独立するかを決める国民投票が9月18日に行われる。今のところ独立賛成派が反対派を上回っているようだが、投票日が近づくにつれて賛成派の割合が増えているようだ。

私は選挙権が無いものの、スコットランドを第二の故郷と思っているので選挙の行方が気になる。

私のような門外漢が選挙についてどうこう言える立場にはないが少し意見を述べてみたい。

私がスコットランドに住んでいた時にも感じたが、スコットランド人はイングランドに対してかなり対抗意識を持っていた。大阪が東京に対して持つライバル意識のようだと思っていたがもっと民族的、歴史的な背景があるようだ。同僚に聞いたこともあるが深入りは避けた。彼らもそれぞれの家族の歴史があり、話がヒートアップすると同僚同志がかつて敵対していたことがわかり憎悪が生まれてしまうかもしれない。だから聞けないし、外国人の私には彼らも説明してもわからないと思ったのだろう。

建前としてSNP(スコットランド国民党)はスコットランドをUKの一地域ではなく世界に貢献できる国家にしたいと言っている。非常に高邁な目的であるが実際は北海油田の利権を独占してスコットランドへ富を集中させたいという民族主義的な理由であろう。国民投票が近くなると「スコットランドは世界で一番豊な国だからUKの一部でいる必要はない」というキャンペーンがあり、失業者などが独立すればなんとかなるかもしれない、と独立賛成派の比率が増えている。

確かにUKは工業が衰退し金融業の国になっている。スコットランドは工業が多く工業が衰退したあとバイオ系などの投資があるが失業率が高い。一方イングランドは金融で栄えているのでスコットランドから見るとうらやましく思えるのだろう。そんなこともありSNPのキャンペーンに乗ってしまう人も多いようだ。

しかしSNPがどこまで現実を見極めているのかわからない。UKの政府はスコットランドが独立したらポンドを使わせないと言っている。そうするとスコットランドはユーロを使うざるを得ないがEUがスコットランドを迎え入れるか?SNPの代表はポンドを使う権利があると言っているがそれは通用しないでしょう。北海油田の権益が全てスコットランドに帰属するかもわからない。

さらにUKの大きな社会保障システムの一つであるNHS(ナショナル・ヘルス・サービス)もどうなるか争点の一つである。これは国民の医療費が基本的にただになるシステムである。私達の家族も歯科医療を除くほとんどの医療費が無料になった。独立反対・賛成双方とも独立すれば破綻する、独立しないと破綻すると勝手な意見を述べている。

かつての知り合いでも賛成派・反対派が居る。

ある知り合いは非常に頭が良くIT業界で働いているが経済的な理由で独立すべきと考えているようだ。しかし私は独立により経済的な利益があるとは思えない。彼も多分理解していると思う。私が想像するに彼は民族主義的な考えにより独立を支持しているように見える。

他の知りあいは独立反対。SNPの政策に具体性がないから。そして独立する必要がないから。普通はこう考えると思う。スコットランドが独立して得る利益と損失を比べたら圧倒的に損失のほうが多いといっている。

私が住んでいた時の感想では、住民サービスでイングランドよりスコットランドが劣っているとは思わなかった。経済投資はそれほど悪くない。トニー・ブレアもゴードン・ブラウンもスコットランド出身。むしろスコットランドが優遇されていた面もあると思う。確かにUKは金融国家になり工業はないがしろにされてきた感がある。しかし各種産業の発展のためにスコットランドにもかなりの投資がされていたのは事実だ。

もし独立した場合スコットランドは独立に多大なコストがかかるので富が増えることはないと思う。万が一独立してスコットランドが裕福になるとしたらUKの他の地域が貧困になるということ。そうすれば今後スコットランド対イングランド・ウエールズそして北アイルランドなどとの対立が深くなる。かつてのIRAによるテロのようなことが起きるかもしれない。

独立にかけるコストをUK全体の利益拡大に使えばもっと大きなリターンがあると思う。スコットランドだけのエゴのために無駄なコストを払い、他の地域を犠牲にして独立するのはどうかと思う。

スコットランドが独立の国民投票をするならUKの他の3カ国にも独立を認めるか否かの国民投票をする権利があると思う。

そんなわけでもし私に投票権があれば No です。  大きなお世話でごめんなさい。

今回は仕事とは関係ないけど私の思いを綴ってみました。

Auraのアンプの修理(2)

注文していた部品が届いたので交換した。

リレーは問題なく動作している。2-3日連続運転してから依頼主に届けようと思う。

修理前と後の特性を確認した。

周波数特性と歪率はほとんど変化なし。歪みは以下の通り。測定誤差の範囲。

DIS_before

DIS_after

10kHzの歪みが多い。回路を見ると2段目の差動で直接出力段のFETをドライブしている。出力段のFETは2SK1058/2SJ162だと思われるがこれらの入力容量は1000pF近くある。

これに対して2段目の差動アンプのコレクタ電流は0.35mAしか流していない。これでは出力段のFETのゲート容量を素早く充放電できない。仮に0.35mAフルに流れて入力容量を充電したとして計算すると

T=CV/I=900pF x 28V / 0.35mA=72us

ここで C は2SJ162の入力容量=900pF、V はアンプの最大出力50Wを出力するために必要な電圧=28V、I は入力容量を充放電する電流=0.35mA。

10kHzで0Vからpeakまでの時間は1/4周期なので25us。上記の入力容量充電時間時間は25usより長いので歪みが発生する。上記計算はステップ状に0.35mAが流れてFETの入力容量を充放電する場合の計算であるが実際にはFETのゲートに発振防止の抵抗が入っているし、2段目差動は位相補償のコンデンサが入っているのでさらに遅くなる。出力が増えるほど歪みが増えるのは上記の計算の通り出力が大きいほどドライブ電圧の不足が多くなるからだ。Auraともあろうものがどうしてこんな安易な設計をしたのか不思議だ。(背面にはDesigned by B&Wと書いてあった、、、)

ただし音楽では高周波成分のレベルが低いことを考えると実用上は許容できるだろう。そういう意味では凄い割り切りなのかもしれないが、、、

続いてダンピング・ファクターを比較する。

DF_before

DF_after

修理前は不安定な様子がわかる。これはリレーの接点の劣化とコイル劣化による接触圧力の低下によるものだと考えられる。修理後は安定している。10kHz以上でDFが上昇しているのはダミーロードに無誘導タイプを使用していないのでインピーダンスが上昇しているためDFが見かけ上高くなっているためだろう。(今パワーアンプの開発を計画しているのでちゃんとしたダミーを作る必要がある)

Auraのアンプはカジュアルに聞くことを想定しているのでこんな感じかなあと思う。しかし部品やレイアウトに気を配っているので回路にもう少し配慮してもよかったのではないか?

 

Auraのアンプ修理

行き着けの飲み屋でBGM用に使っているアンプの修理の依頼を受けた。

AuraのBritish Stingrayという機種で1999年製。15年間毎日のように使っている。壊れても不思議でない。回路図が無いので修理できるかわからないがとにかくやってみる。

Aura1

 

Aura2意外と簡単に原因が分かった。ミューティング用のリレーがONしない。電源電圧が100V以上だとリレーはONするがスライダックで電源を100V以下にするとONしない。リレーの感度が低下して来たのだろう。この状態ではリレーの接触抵抗が増えているので音質にも悪影響している筈だ。

長期間使用しているのでついでに電解コンデンサも交換することにし必要な部品を発注した。

使用している基板は片面基板なので回路図をトレースが簡単にできた。

フォノ・イコライザーは5532を2つ使ったNF型。初段は非反転増幅で約16dB増幅。2段目は反転増幅を使ったNF型。反転増幅のNF抵抗とカートリッジのインダクタンスが接続されると動作が不安定になるのでこれを防ぐためにフォノ入力を5532で受けてからとRIAA回路に信号を送っていると思われる。

イコライザーの出力とライン入力はセレクター・スイッチとボリュームを通りパワーアンプに入る。

パワーアンプは初段が2SA970の差動アンプ、2段目は2SC2240の差動アンプでカレーントミラー負荷でpp合成されている。2段目差動の出力で出力段のFETを直接ドライブしている。これでいいのか?と思う微妙な回路だが音はそれなりに定評がある。

現状で簡単に特性を測定し、ビフォアー vs アフターで比較してみようと思う。

 

 

パイプオルガンについて

家内がオルガン同好会に入ってオルガンの練習をしている。

オルガン同好会はオルガンを弾くだけではなく、オルガンに興味を持っている人にオルガンの魅力を伝える催しを行う。

家内はその催しで来場者にオルガンの原理を子供達にわかりやすく説明することになった。家内は台本を見ながら日々練習しているのでいやおうなしに私の耳にも入って来る。

その説明によるとオルガンの送風機からの風をパイプに送るにはストップというものを操作して鍵盤を押す必要がある。ストップによりどのパイプのセットに風を送るか選択する。

ストップには8とか4という数字が書いてある。8と書いたストップを引くと8フィートのパイプが選択される。

ここで私はわからなくなってしまった。パイプが1/2波長で振動しているとすると8フィートのパイプの共振周波数は約67Hz。ピアノでは真ん中のドより2オクターブ下のドに相当すると思われる。しかし8フィートのパイプを選んだだけでは音階を演奏できないので8フィート以外のパイプも選択する必要がある。何故8フィートを選んだだけで音階が出せるのか?

疑問1) 8÷1.0595,8÷(1.0595)^2、8÷(1.0595)^3….といくつものパイプを選択しないといけないのでは?

疑問2) パイプには開管と閉管があるそうだが閉管は1/4波長で共振するので同じ8フィートでも開管より1オクターブ低い音が出るの?

疑問3) どの鍵盤を押すと8フィートのパイプが鳴るの?

疑問4) 8フィートのストップを引いて真ん中のドを弾いた時と4フィートのストップを引いて1オクターブ下のドを弾いた時には同じパイプが鳴るの?

など疑問がn個次々と浮かんで来た。

家内に聞いたがよくわからないと言うし、練習の邪魔をするなと怒られてしまう始末。

それで調べてみたところ以下のようなことが分かった。やっと奥深いオルガンの最も基本的なことがわかっただけだ。

疑問1,3の答) 8フィートというのは左端の鍵盤を引いた時に鳴るパイプの長さを表す。鍵盤の数だけパイプがある。つまり8フィートから段々短くなる47本とか61本のパイプのセットを8フィートと呼ぶ。

ちなみに8フィートのストップを引いた時には左端のドが67Hzなのでこれより2オクターブ上のド(真ん中のド)は268Hz。ピアノの真ん中のドと一致する。

疑問2の答) どうやらストップに書いてあるフィートは開管の長さのようだ。閉管でも開管と同じ高さの音が出る場合は実際の長さの倍の長さで呼ばれる。リードのあるリード管は長さが非常に短い。きっと開管の1/10くらいだと思う。それでも8フィートなどと呼ばれる。 つまりフィートは長さの単位でなく音程を表す単位として使われているようだ。

疑問4の答) 基本的には一つのパイプが複数のストップで兼用されることは無いそうだ。

サンサーンスの交響曲3番では16Hzのドが演奏されるという。これは32フィートのストップを引いた時に鍵盤の左端のドを押すと出る音だ。 32フィートというと開管なら約10mの長いパイプだ。

パイプは長さだけでなく材質(真鍮か木かなど)や先に述べたリード管かそうでないもの(フルー管)かにより音色が異なる。音色に関してはドイツとかイタリアでストップの名前が違うのでもう少し調べないとわからない。

曲によって最適なパイプの組み合わせを選ぶ。これをレジストというそうだ。シンセサイザーの用語だと思っていたが本家本元はオルガンだったのだ。

8月1日に松本のハーモニーホールでオルガンの催しの本番があり聞きに行った。家内は無事オルガンの説明を終えた。良かった良かった。

その後参加者は大ホールのオルガンを体験することができた。私もオルガンに触って来た。

Yardbird Suitesのテーマを派手な音のレジストで弾かせてもらった。気持ちいい~! 専属オルガニストの原田さんが「いい感じですよ~」とお世辞を言ってくれた。

オルガンの演奏台の近くで撮った写真。迫力がある。

organ

 

Horace Silver氏逝去

6月18日にJazzピアニスト Horace Silver氏が85歳で亡くなった。

謹んで哀悼の意を表します。

訃報を聞いてから彼のアルバムを聞いている。私は有名な ”Song For My Father” を除くと50年代のアルバムしか持っていない。どのアルバムも好きだ。聞いていて心にスーッと入って来る。

ただファンキーで楽しいだけでない。叙情的で内省的な演奏も多い。

ブルーノートでの初リーダーアルバム ”Horace Silver Trio” の中の ”Prelude to a Kiss”

horace-silver-trio

とか”Finger Poppin'” の中の ”Sweet Stuff”などは静かで思わず聞き入りたくなる曲で私は好きだ。

finger

これ以外のアルバムも叙情的で静な曲が入っている。ただ7-8割の演奏がBud Powellから影響を受けたファンキーで乗りのいい曲であり、これがHorace Silverの本領だと思う。しかし彼のルーツであるBud Powellも心の中に浸みこんで来る叙情性ゆたかな演奏をしていた。Horace SilverはBud Powellのから多様な影響を受けていたのだとわかる。

そして50年代のブルーノートレコードのテイストを形作っていた要素のひとつがHorace Silverだと思う。  彼以外のミュージシャンのブルーノートの演奏を聴いても彼の姿や音が頭に浮かんで来る。それだけ影響力の強い演奏家であった。

Horace SilverはそもそもThe Jazz Messengeresのリーダーだった。The Jazz MessengeresといえばArt Blakeyだが下にあるように最初は ”Horace Silver and the Jazz Messengeres”というアルバムだ。このアルバムは1954年11月と1955年2月に録音されている。

JM

多分最初はArt Blakeyのサイドマンとして有名なNight at Birdlandなどで共演していたのだろう。そのうちにレギュラーグループを結成し音楽的な実力が上のHorace Silverがグループを牛耳って行ったものと思われる。その頃録音されたのが上のアルバムかも。

そして The the Jazz Messengeres の初アルバムが ”The Jazz Messengers at the Cafe Bohemia” だ。 1955年11月の録音。ここではグループ名にはブレイキーやHorace Silverの名前が入って居ない。前のアルバムの録音から1年足らずの間にアート・ブレイキーがグループリーダーとして除々に影響力を増して来たと思う。

JMatCB

Art BlakeyとHorace Silverのグループ内での力関係が実際どうだったかはわからない。Art BlakeyとHorace Silverの双頭コンボという形だったようだ。Horace Silverが音楽監督、Art Blakeyがビジネス面でのリーダーという役割分担でHorace SilverはArt Blakeyからギャラを受取っていたそうだ。 音楽的にはArt Blakeyより優れているのにArt Blakey使われるのに嫌気をさしたHorace SilverはArt Blakeyと袂を分かつ。The the Jazz Messengeres という名前を置き土産にして。

何故Horace Silverが The the Jazz Messengeres の看板を置いて行ったか?私なりの推測。

Horace Silverは職人肌のミュージシャンだからブランド戦略などということは考えていない。いい演奏さえすれば結果はついて来ると思っていた。一方でビジネス担当のArt Blakeyはおぼろげながらブランドの大切さを認識していたのではないか?

Horace Silverという音楽監督を失ったArt Blakeyはその後Benny Golsonを音楽監督に迎えるまで数年間にわたり不遇な時間を過ごすことになる。それでもしっかりと The the Jazz Messengeres の暖簾を守ってきたことがその後の成功に繋がる。

Horace Silverの超有名盤はやっぱりこれだ。私がJazzを聴き始めてかなり初期の頃買ったLPだ。

sfmf

無条件で楽しい演奏でありHorace Silverの作曲した曲もすばらしい。レコードが擦り切れるまで何度も聞いた。(実際には擦り切れてないけど 今でもちゃんと音が出ます。)

しかし70年代以降のHorace Silverの演奏を聴いた記憶がない。だいたい70年代はメインストリーム・ジャズが廃れてしまった。フュージョンやファンクなどが闊歩し私もそれらの音楽にのめり込んでいた。

そんなこともありHorace SilverやArt Blakeyを顧みることはなかった。

80年代になりWynton Marsalisを擁してArt Blakeyがメインストリーム・ジャズの再評価の扉を開いた。Horace SilverとArt Blakeyとの関係を考えると感慨深いものがある。

Horace Silverは超巨匠ではないものの燻銀のようなしぶさを持った準超巨匠と言える。

安らかにお眠りください。

川口オーディオクラブ セミナー

6月14日に開催された川口オーディオクラブのセミナーに参加してきました。

当日は好天に恵まれ多くの愛好家の方々が参加されました。

内容は

・フィートレックスさんのデモ

・MJライター 柳澤さんのデモ

・オーロラサウンドさんのデモ

・MJライター 安井さんのデモ

・パール サキソフォン クアルテットの演奏

と非常に盛りだくさんで楽しむことができました。

CIMG6596

私はスピーカー3組を切り替えて再生するデモセットを展示しました。イベント会場が公民館の3階で機材の搬入に予想以上に時間がかかってしまいました。家内が一緒に来て手伝ってくれたのでなんとかなりましたが一人だったらイベント開始時間までに設置できなかったと思います。

それでも音出しデモを行い来場した方々に能率補正機能付スピーカー切替器を紹介することができました。

CIMG6586

今回は初めての展示での段取りや展示の方法など次回に改善すべき点が色々ありました。それでも今回実際にやってみて大変良い経験になりました。

今回参加させていただいた川口オーディオさんのイベントは多くの方々が参加されていましたし多くの方々が運営に協力されていました。

私の住んでいる地方にはこのような大きなオーディオクラブは無くオーディオはパーソナルな趣味です。しかし埼玉ではオーディオはソーシャルな趣味であると感じました。多くの人がイベントの運営や準備などに携わられてアクティブに活動されているのは本当に凄いことだと思いましたしそのパワーには圧倒されます。

それと同時に今回出展の機会を与えていただいた戸張様はじめ主催者の方々に感謝いたします。

最後に演奏してくれたサックスのアンサンブルはとても上手かったです。私も以前下手ながらサックスを吹いていたことがありその上手さが良くわかりました。楽しく聞きました。

sax

そしてやはり生の音が一番だと感じました。

6月14日 川口オーディオクラブ セミナーで展示します

川口オーディオクラブさん主催のセミナー会場でスピーカー切替器の展示を行います。

日時   2014年6月14日(土) 11:00~16:15

場所   埼玉県川口市戸塚公民館

MJ誌ライターの柳澤氏、安井氏およびフィーストレックス、オーロラサウンドによるセミナーがあります。また生バンドの演奏もあるそうです。

私自身セミナーの内容を楽しみにしています。

私は会場に場所をお借りしてSP切替器を展示させていただきます。セミナーの前後や休憩時間に音出しデモします。

興味のある方は是非会場へお越しいただきお声がけください。

現在、持って行くパワーアンプやスピーカーを選んだり、展示パネルの準備をしています。

今回が初めてのイベントへの出展です。会社に勤めていた時もショーでの説明は何度も行っていますが、会社の製品を紹介するのと自分の製品を紹介するのは違うので緊張します。

また会社員の時は準備は営業や広報の人が行ってくれました。今回は当然ながら全て自分で準備しないといけません。でも楽しみながらやっています。

これから各地のイベントに積極的に参加させていただこうと思います。都度案内させていただきます。

パイオニアがAV事業を売却

最近買収ネタばかりで申し訳ありません。

日本経済新聞の記事を引用させていただきました。

---- 以下引用 ----

パイオニアはAV(音響・映像)機器事業を売却する方針を固めた。船井電機などと交渉を進めており、夏ごろの合意を目指す。インターネットを通じた動画・音楽配信の普及で主力のAV機器の需要が低迷、カーナビゲーションなど車載向け機器事業に専念し業績の立て直しを急ぐ。

ホームシアターやオーディオコンポ、ブルーレイ・ディスク(BD)プレーヤーなどからなるパイオニアのAV機器事業の2013年度の売上高は全体の約5分の1の1080億円、営業利益は1億円だった。このうち利益率の高い、ダンス音楽を楽しむDJ機器などを除いた事業を売却する方向で検討している。

売却先候補には船井電機などが挙がっており、金融機関などを通じ交渉に入った。パイオニアの世界でのブランド力や生産・販売網などの評価を巡り意見交換しており、7月には売却にめどをつけたい意向のようだ。

船井電機は海外も含め消費者に浸透した「パイオニア」ブランドを活用する狙いがある。船井は低コスト商品に強いが、ブランド力では劣る。船井製品にパイオニアブランドを付けることも視野に、事業のテコ入れにつなげる狙いとみられる。

パイオニアは音響機器に強く、レーザーディスクやプラズマテレビなどを送り出してきたAV機器の名門。だがプラズマテレビの不振で09年に1万人の人員削減に踏み切るなど苦戦していた。

パイオニアの13年度の連結売上高は4981億円、経常利益は51億円で回復途上にある。売上高の7割を占めるカーナビなど車載機器事業は安全運転や娯楽・周辺情報の取得など車のIT化で成長が見込め集中することで再建を加速する。

---- 引用ここまで ----

AV事業を売却するということはパイオニアブランドだけでなくTADブランドの事業も売却するのだろうか?事業と共にブランド使用権も売却するのか?パイオニアという商標はパイオニアと買収した会社が双方とも使うだろうか?

パイオニアといえばかつて(40年ほど前)トリオ、山水と並んでオーディオ御三家と言われていた。

トリオはJVC・Kenwoodと社名を変えている。Kenwoodのオーディオはミニコンポのような製品が主でハイエンドオーディオは扱っていない。しかしながらトリオのオーディオのDNAはアキュフェースに受け継がれて力強く行き続けている。

山水は会社としては存続しているがオーディオ関係の業務を行っていない。

ここでパイオニアもAV事業を売却すると御三家の三社三様の歩みがあり感慨深いものがある。

などと評論家のように書いているがこれらのメーカーとは圧倒的に規模が違うソフィソナント・オーディオはしぶとく生き残って行けるように頑張りたいと思います。

Cirus LogicがWolfsonを買収

Cirus Logic社がWolfson社を買収。

以下はCirus Logocのプレスリリースの抜粋である。Cirusが278万ポンド(約470億円)でWolfsonを買収を発表した。

AUSTIN, Texas & EDINGBURGH, Scotland–(BUSINESS WIRE)– Cirrus Logic, Inc. (NASDAQ : CRUS) and Wolfson Microelectronics plc (LSE : WLF or WLF.L) today announced the terms of a recommended transaction under which Cirrus Logic would acquire Wolfson at a price of £2.35 per share in cash, implying an enterprise value of £278 million, or approximately $467 million. The transaction, if approved, is expected to strengthen Cirrus Logic’s ability to expand its customer base with highly differentiated, end-to-end audio solutions for portable audio applications. The transaction will be financed by a combination of existing cash on Cirrus Logic’s balance sheet and $225 million in debt funding.

Wolfsonはディジタルオーディオ用のCodeecなどで有名なメーカーでありTI、ESS、AKMなどと並んで多くのシェアを持っている。

Cirus社はDAI(Digital Audio Interface)やSRC(Sample Rate Converter)などでは良く見るがDACはあまり見かけない。そういう意味でハイエンドオーディオの世界ではうまく補完関係が築けるのではないか。

しかしハイエンドオーディオ向け製品の売上比率は低いので今回の買収の大きな目的はスマートフォン、携帯電話および携帯オーディオプレイヤーなどモバイル市場向けのcodecでの売上増が主な目的であろう。そしてWolfsonはMEMSマイクなどの技術を持っているのでこれもCirusから見れば大きな魅力だと思う。

CirusはかつてCrystal SemiconductorというオーディオCodecの会社を買収してPC向けビデオICのメーカーからオーディオのメーカーに脱皮した。PCのビデオはチップセットに取り込まれてしまい生き残っているのはnVIDIAのような独自の技術に磨きをかけた会社のみだ。そういう意味ではCirusの転進は今のところ功を奏していると思う。

かつてのCrystal Semiconductorのブランドを今は目にしない。WolfsonはオーディオではBig BrandなのでWolfsonの名前は残すだろう。しかし5年後はどうか?是非残って欲しいものだ。

Fabを持たないWolfsonの資産はエンジニアの能力である。買収金額の470億円は微妙であるが妥当な金額であると思う。Cirusが敬意を持ってWolfsonを遇してくれるようにと思う。

と言うのも私はかつてスコットランドに駐在していたことがある。エジンバラ市街に住んでいた頃、会社に通勤するときいつもWolfson社の前を通っていた。その社屋を見ながらWolfsonだ!と思っていた。

また私が勤務していた会社は半導体メーカーであったがWolfsonとは競合しないのでアライアンスのための会議を持ったことがある。

当時のCEOの前のキャリアはIntelのVPだったと記憶している。そのCEOも2年程度で去って行った。Wolfsonは積極的に外部から人材を導入して活性化を図っていた。(日本の企業と大違い!)何がいけなかったのだろか?

スコットランド政府は約20年ほど前は半導体関係の企業を誘致し優遇した。しかし10年ほど前からは政府の優遇政策を転換しバイオ関係に予算を振り替えた。そんなことがnativeでありながらWolfsonに苦境を強いた遠因になったかもしれない。

WolfsonのCTOは私と同じオーディオマニアだった。彼とは色々話しをしたしエジンバラの面白いオーディオショップを教えてもらった。今日WolfsonのWebを見たがCTOの欄に彼の名前は無かった、、

Wolfsonにはものすごく親近感を覚えるので今回の買収は少し堪えた。

プリアンプの評価

スピーカー切替器のプリアンプ SSP-01の音質評価を行い製品情報\製品概要のページに掲載しました。もちろん製品開発時にはプリアンプの評価を行い使用するデバイスや回路定数の決定を行いました。その音質には自信を持っていますが仕様を見ただけでは伝わらないと思います。

また製品価格がプリアンプと切替器の合計で100,000円(税抜)なのでプリアンプのクオリティが低いと懸念される方がいらっしゃると思います。私でも価格5万円程度のアンプでちゃんとした音が出るか疑心暗鬼になります。

そこでプリアンプの音質評価のレポートを掲載しました。手持ちのプリアンプとSSP-01を切り替えながら比較を行ったのでそれぞれのアンプと比べて音がどうなのかが的確に判断できると思います。比較するプリアンプは半導体および真空管のものを複数使用したのでSSP-01の音のイメージが掴めるのではないかと思います。

またSSP-01をゲイン調整ユニットとして使用した場合の評価結果も載せました。評価結果は「音質の変化を聞き取ることができない」という素っ気無いもので恐縮ですが、、、

しかしオーディオ機器は評価結果をいくら文章で読んでも実際に音を聞いてみないとわからないものです。そこでご希望の方に評価機をお貸して使い勝手や音質を体験していただこうと思います。

ご希望の方は”問合せフォーム”からご連絡ください。お貸し出しの条件などを連絡させていただきます。