私の住んでいる松本市は3ガクの都と言われている。
岳都、学都、楽都の3つのガクの都市だ。
最初の岳は山岳の岳。平成の合併により旧安曇村も松本市になったので槍ヶ岳や穂高岳も松本市にある。合併前から松本にあった美ヶ原も含めると松本には、槍ヶ岳、穂高岳、常念岳、焼岳、乗鞍岳、美ヶ原となんと6座も深田百名山がある。したがって岳都の名称は誰もが認めるところだろう。
次の学都はちょっと厳しい?旧開智学校や旧制松本高校があり現在は信州大学があるのが学都の由来だが松本が他の都市に比べて特別なわけではない。3ガクにするための苦しいこじつけのような気がする。
最後の楽都は岳都ほどではないが多くの人が受け入れるのではないだろうか?有名なスズキメソードがあるしサイトウキネンフェスティバルもある。人口25万人程度の小都市としてはホール等の施設を含めて比較的音楽環境に恵まれていると思う。
サイトキネンの時期にはサイトウキネンの演奏だけでなく音楽パレードや先日ブログに書いた新さんのCDコンサートなどが行われる。本日行ったクレデンザレコードコンサートもその一環だと思う。松本の街の中が音楽で溢れている感じがして素敵な季節だ。
クレデンザとは真空管などの増幅器を使用しないアコースティック方式の蓄音機の最高峰である。当然クレデンザで再生するレコードはSPレコードである。
私はSPレコードには馴染みが無くほとんど聴いたことが無い。今までポータブル型の蓄音機や電気再生で数回SPレコードを聞いたことがある。古い録音のSPレコードをアコースティイック再生しても意外に音が大きく心に染み入る魅力的な音がするという印象を持っている。
しかしSPレコードや再生装置の入手などに手が廻らない。そのためSP再生は気になりながらも踏み出せないでいる。それでも機会があれば音を楽しみたいと思っているので今回のコンサートを聴きに行った。
蓄音機の最高峰であるクレデンザを聴いたことが無いのでそれを聴くことも大きな目的であった。
ホテルの広いホールでコンサートを行ったため蓄音機の音をマイクで拾いPAで流したのが少々残念。後ろの席の人にも音を聴いてもらうためには致し方ないが、、、
それでも音は充分に魅力的で音楽に引き込まれてしまう。音楽を楽しむならこの音で充分じゃないかと思う。情報が少ない分、より音楽に集中できる。本当に味わい深い音だ。
以前聴いた電気再生のSPはスクラッチノイズがかなり大きかったがクレデンザはスクラッチノイズが気にならない。スクラッチ音の差はSPの盤質によるものかもしれないが再生方式の違いも大きいと思う。(本日竹と鉄の針を比較したがそれでも違った)
素敵なコンサートを主催してくださった松本SPレコード愛好会の皆さんありがとうございました。
ところでコンサートには新さんが解説者として来場されていた。休憩時間に挨拶をしたところサイトキネンCDコンサートの感想を書いた私のブログを見て下さったとのこと。恐縮してしまいました。帰ってから失礼なことを書いてないかもう一度読み返してしまいました。
新さんが所有するSPレコードのコレクションをCD化して飛鳥新社から「モーツアルト・伝説の録音」として発売されるそうです。非常に魅力的なCDですが、価格が、、、
松本では10月24日 キッセイホールでこのCDを聴く催しがあるそうです。是非行きたいと思います。