月別アーカイブ: 2015年2月

スタンドアローン・スピーカー切替器

能率補正機能付スピーカー切替器SSP-01/SSU-01はスピーカーを切り替えて音楽を楽しむために非常に有効なスピーカー切替器です。

いままでスピーカー切替器をご紹介する中で「切替器として優秀なのはわかるが能率補正機能はなくても良い。」というご希望を多くいただきました。能率補正してスピーカーを切り替えた場合の音を実際に聞いていただくとその良さを気に入っていただけるのですが、従来と同じ仕機能のスピーカー切替器を使いたいと考えている方もいらっしゃいます。

そこでSSU-01のみで動作するスピーカー切替器を検討しています。SSU-01を改造して基本動作の確認を行い目標仕様が実現できることがわかりました。

簡単に説明すると

・SSU-01のみで動作する。

・SSU-01のRJ45コネクタ部に赤外線の受光素子を配置

・ACアダプタからSSU-01に電源を供給

以上により能率補正機能こそないものの非常に使いやすく高性能なスピーカー切替器が実現できます。

もちろん製品名はSSU-01ではなく別の型番になります。

価格は未定ですが追加セットの価格より多少高い程度を目指しています。

単純なスピーカー切替器では面白くないのでいくつかの新技術を搭載しようとしています。ただいま特許の明細書を作成中ですが特許の出願後詳細な仕様を公表しようと思います。

能率補正機能付スピーカー切替器のジュニア版として考えています。

ご興味のある方は今後の情報発信にご期待ください。

オルガン・ビルダーがやってきた!

松本のザ・ハーモニーホールで開催されたオルガンのコンサートに行ってきた。

第一部 大公開 オルガンのひみつ

第二部 2台のオルガンの競演

organ_builder

第一部ではオルガンビルダーのマテューがオルガンを全て分解した状態から構造を説明しながら公開組み立てを行った。初めての体験で非常に面白かった。

組立て途中にパイプに口を当て息を吹き込んで音を鳴らせてみせたのは興味深かった。フルー管やリード管のどの部分から空気を送り込み音を出すのかが良くわかった。

フルー管はまさにリコーダーと同じ構造だ。リコーダーの吹き口に相当する部分から空気を吹き込む。リード管は通常のクラリネットやSAXではリード部分に空気を送り込む。一方オルガンではリードと逆の方向から空気を送り込むとリードが振動する。

以前オルガンの構造に興味を身って少し調べたことがあるがイメージをつかんだだけだ。今回その構造を目の当たりにできて非常に面白かったしその時には漠然としていた構造が良くわかった。

組み立て終わるとチューニングを行った。チューニングには何時間もかかると思ったら数分で終了した。チューニングにはオリジナルのチューナーを使ったがチューナーはかなりの優れもので非常に興味深かった。

もの作り的な視点から見ると以下のような点が非常に参考になった。

・内部構造がすごい

直方体の小さな空間に204本のパイプとそれを駆動するための機構を相互に干渉しないように実に巧みに組み込んでいる。しかもただ詰め込むだけではなく音を考慮している。

・保守性が優れている

1時間ほどの間にステージ上で説明しなながら組み立てを行った。そして調律までやってしまう。(厳密にはその後の15分かけて最終の組み立てと調律を行ったが1時間でも1時間15分でも同じようなもの)簡単に分解し、修理し、再び組立てることを考えて設計されている。例えが適切かわからないがどんな条件下でも簡単に分解・掃除ができる軍用拳銃のような感じだ。

第二部は組立てたばかりのオルガンとホール常設の大オルガンを使っての演奏。ホールのオルガニストの原田さんとゲストの岡本さんが連弾や大・小オルガンのアンサンブルをし気持ち良い音楽を聴かせてくれた。

小型のポジティフオルガンが意外にボリュームたっぷりな音量でびっくりした。

またポジティフオルガンで演奏した モーツアルトの「自動オルガンのための幻想曲」は音色が本当に良い雰囲気だった。

大オルガンで足だけ使う演奏では足元をカメラで撮影してプロジェクターに映してくれたので非常に良かった。

演奏終了後は我々来場者がステージに上がりポジティフオルガンを近くで見るこができた。

その際マテューに鉛を(金属パイプは鉛と錫の合金。鉛を大量に使用している)使ったオルガンをヨーロッパで販売できるか聞いてみた。全然問題ないとのこと。

調べてみたらRoHS指令は電気・電子機器だけでその他の製品には適用されていないようだ。PoHS指令は大量生産され製品寿命の短い製品にのみ規制をかけるもののようだ。少量生産で寿命が長いオルガンのようなものは対象外だ。

仮に網羅的に規制をかけるとしてもヨーロッパの伝統的なオルガンに対してEUは規制をかけないだろう。

鉛フリーオルガンでは笑えないし、どんな音がするか想像したくもない。