月別アーカイブ: 2016年5月

長野市芸術館

先日のブログでチック・コリアと小曽根真のコンサートについて書きました。そこで長野市芸術館のことにも少々触れました。

今日の朝日新聞の記事に長野市芸術館のことについて書いてありました。その記事を引用しながら少し感想を述べたいと思います。

記事の要約は

  • 長野市芸術館には舞台が見えない席(見切れ席)があり設計事務所がミスを認め改修費用を負担
  • 音楽の本場欧州のホールには見切れ席があるのが普通。若者が安く座れるので歓迎されている。
  • 日本は見えることを重視している。
  • 欧州の現状に倣う必要は無く見えることが大事という意見がある。

論調として欧州でも見えないことがあるので日本でもあまりうるさくする必要が無いのでは?日本人は音楽を聴覚だけで鑑賞できず見ることを求めているのでは?と感じられます。欧州で見切り席があるのは当時の建築の限界(建築強度など)によるもので意図して作ったものではないでしょう。その結果格安の席として提供せざるをえなかったと思います。

現代のホール設計では建築技術、事前のシミュレーションなどにより見切り席が無いことが常識だと思います。またホールでは音楽だけでなく演劇やオペラなども上演されるでしょう。上記記事は工学の問題を芸術の問題に摩り替えているような気がするのは私だけでしょうか?

チック・コリア & 小曽根真 Duo コンサート

5月18日、長野市芸術館にチック・コリアと小曽根真のDuoコンサートを聴きに行きました。

芸術館は5月8日に杮落としをしたばかり、ピカピカのブランニューなホールです。このホールは震災復興の影響で工数不足、東洋ゴムの免震装置の問題、そして設計ミスによって一部の席から舞台が見えないなどが原因で完成時期が1年以上遅れてしまいました。それでも今月無事オープンすることができました。

長野県内に良いホールが出来て良いコンサートが開催されるのは嬉しいことです。

チック・コリアと言えば私がJazzを聴き始めた頃、あの「Return To Forever」が発売されまさに溝が磨り減る程聴きました。それからも継続して注目しているピアニストです。一時期エレクトリックとアコースティックのアルバムを交互に出していましたが今はほぼアコースティックかなあと思います。(全部聴いていないのでわかりませんが、、)

小曽根真は何度かライブを聴いていますがあまりCDを持っていません。小曽根のスタイルは変幻自在ですが基本的にチック・コリアに似ていると思います。ビッグ・バンドを率いるなど才能溢れる演奏家だと思います。

小曽根と彼の師匠であるゲイリー・バートンとのDuoを聴きましたがそれはチック・コリアとゲイリー・バートンの演奏を彷彿とさせるものでした。二人ともバド・パウエル~ビル・エバンスから続くモダン・ジャズの主流の中に位置しています。今回のコンサートも小曽根=ゲイリー・バートンの共演と同じく師弟共演と言えると思います。

全ての演奏の曲名はわかりませんが、、以下のような演目でした。

  1. チックコリアのオリジナル?
  2. Bud Powell (アルバム Remembering Budの中の曲)
  3.  Someone to watch over me (スタンダード)
  4. Spanish Song (本日のために作った曲)
  5. Children Song No.20
  6. Mozart 2台のピアノのための協奏曲 (N響と競演 7月に放映予定)
  7. Mirror Mirror (ゲイリー・バートンとのLPの中の曲)
  8. Snap Shot (小曽根のオリジナル初演)
  9. Fantasy for two pianos ( チック・コリアのオリジナル)
  10. アンコール ?

感想です。

スリリングながらリラックスした演奏で、次から次へとメロディが沸き出て来ます。お互いに刺激しあいスパイラルアップしている感じです。どちらかがアドリブを弾くともう一方がコードを弾いてバックアップしますが単純なバックでは無く相手をインスパイアーします。お互いのキャッチボールが自由自在で聴いていて本当に楽しかったです。

そして2人の演奏が非常に似ていました。手を見ないとどちらが弾いているのかわかりません。もしかしたら小曽根がチックに合わせていたかもしれません。あるいはチックが小曽根を引き込んでいたということでしょうか?

ホールの響きが良いのかピアノを強打しなくてもクリアに力強く音が響いていました。(私の席は最後部でした)音響的に優れているホールだと感じました。

ただ家内は前の席の人が邪魔でステージが見えなかったと言ってました。改修した席かどうかわかりませんが視認性には問題があるかもしれません。

いずれにしても楽しい時間をすごすことができました。

会場でチックと小曽根のDuoのCDを販売していたので買いました。このCDは過去の二人の共演のコンピレーションでした。中にはゲイリー・バートンを含めた3人の共演もあり非常に興味深いものでした。Chick&Makoto

LPのディジタル化 ~ Wynton Kelly

私は仕事中にはいつもBGMを聞いています。時々ネットラジオを聴くこともありますがだいたいは音楽データをLinnのネットワークプレイヤーで再生しています。

CDはほぼRippingしてありますがLPのディジタル化はほとんどできていません。仕事しながらLPの音楽を聴きたいと思いますが手間がかかるしレコードが終わる度に仕事を中断しないとならないので普段は聴けません。そこで最近仕事の合間に少しずつLPをディジタル化しています。

最初はどうしても聞きたい定番のLPをディジタル化しました。その後アーティスト毎に集中してディジタル化しています。 Wes Montogomeryに続いて最も好きなギタリストのTal FarlowのLPをディジタル化しました。そしてこの2-3日でWynton KellyのLPを取り込みました。

Wyntonはリーダーアルバムも多いですがサイドメンとして参加したアルバムのほうがはるかに多いです。彼の演奏を全て聴くことはとてもできないですが今回は手持ちのLPの彼のリーダーアルバムを7枚ほど聴きました。仕事をしながらなので集中して聴いたわけではないですが、、、

その結果彼の私にとってのベスト演奏はやはり”Cannonball Adderley Quintet in Chicago” の “Stars Fell on Alabama”だと再確認しました。

ダウンロード

このアルバムは1959年の録音です。当時のマイルル・デイビスsextetからマイルスが抜けたメンバーによる録音です。 Stars Fell.. はテーマに続いてキャノンボールのソロが1コーラス。このソロも最高に乗りが良くしびれます。

続いてWyntonのソロが1コーラス続きます。彼のソロの前半は原曲のコード進行に忠実にオーソドックスな演奏ですが彼の代名詞でもある転がるようなソロが少しずつ出てきます。そして後半にはこの軽やかなソロが全開になります。そしてWynton(多分)の唸りが明確に聞えてきます。彼の唸り声が聞える演奏はあまり無いのではないでしょうか?

1コーラスの中に起承転結を見事に詰め込んだ素晴らしい演奏だと思います。

LPのディジタル化をしながら過去の記憶を再発見したり新しい気づきがあるので楽しいです。

LPをディジタル化する機材にはSound Blasterを使っています。これでも充分LPのたたずまいを記録してくれます。できればもっと良いCODECを購入したいと思います。

パワーアンプの設計

またまた投稿の間隔が開いてしまいました。

前回の投稿の後、熊本地震があり無くなった方、行方不明の方、そして避難生活をされている方々がいらっしゃいます。大変遅くなりましたが心よりご冥福とお見舞いを申し上げます。僅かながら義捐金を寄付させていただきました。

私の住んでいる松本市にも多くの活断層があり地震の発生する確率が高いと言われています。災害の備えをしないとならないと思いつつなかなか手をつけられていません、、、

以前のブログでも書きましたが安曇野市に光城山という桜の名所があります。先日そこに登って来ました。前回は家内と一緒にのぼりましたが今年は一人で行きました。どれだけ早く駆け上れるかちょっと頑張ってみました。麓から19分位でした。これは年齢を考えばまずまずの時間だと思います。

下のほうの桜は既に散っていましたが山頂近くの桜は見ごろでした。山頂付近から西側には常念山脈が綺麗に見えて本当に素敵な景色です。

光城山2016

花見のシーズンなので平日にもかかわらず海外の方を含めて非常に多くの人達が訪れていました。私は20年以上前から時折ここを訪れていたましたがこれほど賑わっていませんでした。またインバウンドの時代を反映してか海外の方が来ていることに驚きました。例によって体の節々が痛くなりました。

さて現在パワーアンプの設計を行っています。調査・勉強に時間がかかってしまいましたが製品のコンセプトが決まりおおよその回路構成が決まりました。頭の中ではほぼできていますが設計でてこずっています。詳細は書けませんが基本的な構成は極めて普通の回路です。

つまり初段はトランス・コンダクタンス・アンプ* → 2段目はトランス・インピーダンス・アンプ* 出力段はBJTまたはMOSFETによるコンプリメンタリー・エミッタ・フォロアという3段構成です。あまりに普通の回路ですがそれぞれに工夫を加えて最良の特性と音質を実現することを目指しています。そして+αの機能を加えようと思います。

しかし回路シミュレーションで思ったような特性が得られず苦労しています。シミュレーションでは何回でもやりなおしが簡単にできるのでこの段階で目一杯苦労したいと思います。試作段階になるとシミュレーションの100倍くらいイタレーションが大変になります。

それにしても仕事が遅くて困ります、、、 トホホ

*トランス・コンダクタンス・アンプは電圧入力を電流出力に変換するアンプのことです。アンプの増幅率は出力を入力で割ります。出力が電流で入力が電圧なのでアンプの増幅率=出力電流÷入力電圧 です。  入力から出力に電流/電圧(=コンダクタンス)を伝達するのでこう呼びます。V/I変換とも言います。

トランス・インピーダンス・アンプはこの逆で電流入力を電圧出力に変換するアンプです。I/V変換とも言います。電圧出力を出力段でバッファしてスピーカーを駆動します。

なぜ電流変換して再び電圧に戻すのでしょうか?幾つか理由があります。最大の理由は電流に変換すると電圧の変化が減少するのでトランジスタの電極間容量などを充放電する必要がなくなることだと思います。電極間容量はトランジスタの動作条件により変化するので歪の原因になります。

今日はここまで、、