月別アーカイブ: 2015年3月

LInn Space Optimization

Phile Web の記事によるとDSの新シリーズのリリース発表と同時にSpace Optimization機能がリリースされたそうだ。 LInnの呼称ではSpace Optimisationという。(zとsが異なる)Linn特有のケルト語的な表記だと思う。

この機能はLinnのEXACTシリーズの機能をそれ以外のスピーカーを使ったシステムにも提供するものである。しかもSpace Optimisationは現行機種だけでなく旧機種にも無償で提供されるそうだ。旧機種までサポートの対象にするのは開発側からすれば非常に多くの工数を要する。それでも旧機種のユーザを切り捨てずに最新のサービスを提供する姿勢を私は非常に尊敬する。

この機能により部屋の特性やスピーカーの配置に応じて再生音を補正することができる。この機能ではAccuphase のDGシリーズが有名であり私も初代のDG-28を使っている。DG-28は非常に効果があり素晴らしい。しかし48kHzサンプリングなので伝送できる帯域が制限されるのが玉に傷。最新のDG-58などを買えばよいが財力的に無理。最も良い使い方はマルチアンプ方式にして低域にDG-28を使うことだ。部屋の定在波の影響を受けるのは主に500~600Hz以下でありそれ以上の周波数はトーンコントロール程度の補正機能で対処できる。500~600HzならDG-28でも十分。

現在我が家のメインシステムのパワーアンプとデバイダーを構想中なのでそれができたらDG-28をもう一度活用する予定。もちろんそのパワーアンプはSophisonantの次の製品にしたいと思います。

LinnのSpace OptomisationはAccuphaseと違って部屋の寸法などのパラメータを設定して補正する方式である。Accuphaseのようにマイクで補正してもマイクの位置で身動きせず聞かないとだめ?という疑問がある。実際に聞いてみるとそれほどシビアではない。

リスニングルームの音響特性を研究されている石井伸一郎さんをはじめとする方々によりシミュレータと実際の部屋の音響特性の相関が実証されている。

Linnの方式では部屋の寸法などを設定して補正するので正確なモデル化はできないが、上記のようにシミュレーションの有効性が実証されているし、完全な補正に限界があるし、人間の検知能力も限られているのでLinnの方式でも十分な効果があると考える。きっとLinnもDGシリーズを購入して効果を比較していると思う。

LinnはSpace Optimisation対応のスピーカーをアナウンスしていて、それ以外のスピーカーは対応していないようだ。これは困る。Linnのページでは対応スピーカーのリクエストを募集していたので私の持っているスピーカーを伝えた。

実際のところ私は2009年にSpace Optimizationのような機能を実現して欲しいとLinn Forumsで要望を出した。当時私の要望の背景にあったのはPCでテスト信号を生成しDSで再生し、PCで録音して補正処理を行った後DSのパラメータを生成してDSに送るといものであった。(メーカーに具体的な実現方法を示すことは失礼なのでサジェストだけだったが)

Space OptimisationではLinnがスピーカーを測定してパラメーターを作成したあと対応スピーカーとしてリストしないとならない。またLinnが測定したスピーカーのパラメータが作成されるのでスピーカーの個体差を補正できない。(EXACTで工場出荷前にスピーカーの特性を測定してパラメータを生成するので固体差の問題はない) 私が提案した方法だとLinnがSpace Optomisationに対応するためにスピーカーの測定を行う必要がないので省力化が可能。また個体差が吸収できる。DIYのようなスピーカーでも補正できる。よいことばかりのはずだ。

Linnが現在のSpace Optimisationの方式にしたのはおそらく特許の関係か、自社のEXACTシステムと他社スピーカーの差別化をするためであろう。

私がForumsに提案した当時、殆どのReplyがそんなことをするよりアンプやスピーカーを替えるべきだという反応でこの機能を理解してくれる人も居なかった。私もイコライザの伝道師でもないのであまり強くは主張しなかった。

しかしなかには以下のようなコメントがあったが、まさにそのようになった。

Actually, 私の名前 would only have to wait minus eleven years for Linn to incorporate his suggestions into an actual product. I believe the Kolektor was introduced in 1998, and it did have tone controls. I have no doubt Linn will continue to follow in this vein, which is why–even as we speak–I’m saving up for the not-so-soon to be introduced Klimax Kontrol Kaos with the digital five band parametric equalizer Wink

今こうして11年もかからず6年くらいで私の提案に近いことが(私の提案がきっかけになったか別の理由によるかわからないが)実現されて非常にうれしい。

他のメーカーのことを喜んでいるより私のことを考えないといけないですね。

Silje

昨年の12月から歯医者に通っています。なさけないことに私は歯医者に行くのが非常に怖いです。でも行くしかない時もあります。そんな時には悲壮な決意を持って友人の歯科医院に行きます。

先日の治療の際「このCD、まちがえて2枚買っちゃったから上げます。」と友人の歯科医からSiljeのCDをもらいました。

418ARM6+0XL

初めて聞く歌手なのでどうかなと思いましたがすごく気に入りました。一聴して思ったのはRickie Lee Jonesのような感じだということ。そしてバックのミュージシャンが上手い。

歯医者さんに行ってよいアルバムを教えてもらってラッキー!歯医者に行くのも苦行ばかりでないですね。

でも歯医者さんがport of call = 行きつけの場所  になるのは遠慮したいです。まさか友人の歯科医がいつも来るようにという意味をこめてこのCDを私に呉れたのではないと思いますが、、、

Seljeは北欧ノルウェーの歌手ですが私はヨーロッパのミュージシャンをあまり知りません。私が時々お邪魔している「エオンタ」というJazz喫茶ではヨーロッパのJazzを聴かせてくれますがいつも「いいなあ」と思います。でも自分ではCDを買って聴くことがあまりないです。今回のSiljeや彼女のバックをやっているミュージシャンをたどればきっと良い音楽が聴けると思うので少し追っかけてみたいと思います。

このアルバムは2000年発売。もう15年も前。世の中には良いものが一杯あるのに知っているのはそのなかのごく僅か。人間の限界を感じます。

 

スタンドアローン・スピーカー切替器(その2)

スタンドアローン・スピーカー切替器の概仕様などを紹介します。仕様は現行品と同じです。スイッチに使用しているMOS-FETでより高性能なものが入手できればオン抵抗がさらに低くなる可能性があります。

  • 切り替え数      3(NORMALモード)/6(EXPANDモード) DIPスイッチでモード切り替え
  • オン抵抗       12mΩ typ 入力-出力端子間
  • 最大印加電圧/電流 30Vrms/100W 8Ω
  • 最大電流       180A(スイッチ素子)
  • 電源          ACアダプタ使用
  • 外形寸法       幅222mm 高さ86mm 奥行き175mm
  • 質量          約2.2kg
  • 操作          赤外線リモコン

下の写真は機能確認中の様子です。

CIMG6677

SSU-01を改造して動作確認をしています。右側手前のユニバーサル基板に追加部品を載せてあります。追加部品は数点で回路の変更は僅かです。

コントローラのファームウェアはスタンドアローン版にするために大きく変更してあります。

さてスタンドアローン版の特徴は以下の通りです。

(1) リモコンで操作可能

(2) 半導体スイッチを使用して低オン抵抗を実現

ここまでは能率補正機能付スピーカー切替器から引き継いでいる特徴です。

以下がスタンドアローン版に搭載している新機能です。

(3) 絶対位相反転機能(オプション)

(4) スムース切り替え機能

(5) DC保護機能

上記(3)~(5)について説明します。

・絶対位相切り替え機能

ステレオで左右のスピーカーの位相が逆だと非常に不快な音がします。これは左右の位相が異なるので相対位相とでも言うのでしょう。絶対位相とは楽器や声が音を発した時と同じ位相で再生するか逆位相で再生するかということです。音声信号は交流信号なので一般的に位相が逆でも関係ないですが、音の出だしなどで楽器の振動版が前に出るか後ろに下がるかの違いがわかることがあります。絶対位相の違いがわかるソースとわからないソースがあり、違いがわかってもどっちが正しいのか定かでない場合もあります。生の楽器の音に日ごろ触れている方は違いがわかりやすいかもしれません。また人の声も絶対位相がわかりやすい音源の一つだと思います。

絶対位相切り替え機能を実現するにはスイッチがもう一系統必要なのでコストが上昇します。その割には絶対位相切り替えの効果が明白に現れない場合が多いので必要性を見極めたいと思います。

・スムース切り替え機能

音楽を再生中にスピーカーを切り替えるとノイズが発生する場合があります。スピーカーAからスピーカーBに切り替えるとスピーカーAのボイスコイルのインダクタンスに流れている電流が突然遮断するので逆起電力が発生します。一方でスピーカーBの接続ケーブルやスピーカーの静電容量に充電する電流が流れます。電流が流れる時間は非常に短いですがピーク値が大きくなる可能性があります。これら逆起電力および充電電流は場合によってはスイッチや増幅器にダメージを与える可能性があります。

能率補正機能付スピーカー切替器では、スピーカーを切り替える直前に音量を絞り、切り替え直後に音量を元に戻していたので上記の問題は発生しません。しかしスタンドアローン版ではアンプの出力を制御できないので対策が必要です。アンプの出力電圧を監視し出力電圧が低い瞬間にスピーカーを切り替えることによりスピーカー切り替え時のノイズを低減します。

しかしアンプの出力電圧を監視するためにはアンプ出力とスピーカー切替器の基準電位(=グランド電位)を合わせる必要があります。アンプと切替器のグランド電位を合わせると様々な問題が発生し実現が困難でした。これを解決してスピーカー切り替え時のノイズを抑制しています。

・DC保護機能

折角アンプとスピーカーの間にスイッチが入っているので、スイッチを有効活用してアンプからDC漏れが起きた際にスイッチを遮断する機能を設けました。アンプ出力を監視してDCを検出したらスイッチをオフすれば良いのですが、スムーズ切り替え機能の項で説明したようにアンプ出力の監視をすることは困難でした。今回スムース切り替え機能の電圧監視機能を使いコントローラのファームウェアでDC検出を行っています。したがって余分な部品コストがかからずにDC保護が可能です。

メーカー製のアンプではDC保護機能がついていることが多いですが自作アンプやビンテージアンプを使っている場合には有効ではないでしょうか?とにかく邪魔になる機能ではないですし、切替器の性能を犠牲にする機能でもないので使用する上で安心感を持っていただけると思います。

もちろんどんなケースでもDC漏れからスピーカーを保護するわけではありません。DCの漏れ具合やスピーカーの壊れやすさなどで保護できない場合もあります。

以上スタンドアローン版の説明をいたしました。

能率補正機能はついていませんが、椅子に座ったまま音楽再生中でも自由自在にスピーカーを切り替えることができます。スピーカー切替器としての性能は第一級です。

現在の状況

基本機能の確認は全て終了しました。製品化可能と判断しました。

今後行う作業は

・基板の試作、評価(アートワーク済み)

・ケースの試作、評価(設計未 変更箇所は追加穴開とシルク変更)

・U/Iの最適化とファームウェアの修正、検査

コストに関しては現行品より増えるのはACアダプター程度です。しかし円安により主要部品の価格が上がっています。吸収できるかコスト計算を行いますが追加セットと同額は厳しいと思います。10%前後の価格上乗せがあると思います。

まことに勝手ですが需要があることを確認して今後の作業を進めたいと思います。

スタンドアローン・スピーカー切替器に興味をお持ちの方はご連絡くだい。

よろしくお願いします。