月別アーカイブ: 2021年3月

薪ストーブを入れ替えて

長らく愛用したバーモント・キャティングスのアンコールからダッチ・ウエストのエンライトに昨年入れ替えました。

ほぼ1シーズン使った感想をまとめてみます。

(1) デザイン
赤いホーローで仕上げられた華麗なアンコールに比べると、無骨な黒い鋳鉄製のエンライトは明らかに見劣りします。アンコールが良すぎたので比べるのが酷というものでしょう。でもエンライトもThe・薪ストーブという感じでこれはこれで安心できるデザインです。

(2) 薪の入れやすさ
アンコールはストーブ上部のリッドを開けて薪を入れます。立ったままで薪をいれることができ、非常に楽です。一方エンライトはしゃがんで、前面または左の扉から薪を入れる必要があります。腰や膝への負担が大きいです。アンコールの方が断然良かったです。

(3) 点火のしやすさ
両者とも同じです。

(4) 煙の出方
アンコールは着火直後~通常運転中を通して煙突から煙が出ずご近所に迷惑をかけない優等生でした。交換する直前は着火直後に煙が出るようになりました。エンライトはまだ最適な運転方法をマスターできていないこともあり、着火直後に煙が出てしまいます。試行錯誤して良い方法を見つけたいと思います。

(5) 燃費
カタログデータも実使用でもアンコールが優れています。感覚的にエンライトはアンコールより約1~2割薪を多く消費します。しかし我が家は昨年内窓を追加して断熱性が非常に高くなったこと、このシーズンが暖冬だったこともあり薪の使用量は減りました。
もう一つ、アンコールは空気の供給量を絞ると薪が長持ちしますが、エンライトは空気の供給を最小にしても薪が比較的短時間で燃えてしまいます。調整により改善するかもしれませんが。

(6) 灰の捨て方
どちらもストーブ本体で燃やした薪の灰が本体下の灰受け皿にたまります。アンコールは受け皿が手前に開き戸のように出てきます。皿は本体に固定されているので皿が落ちる心配はありません。一方エンライトは皿を本体から引き出します。机の引き出しのように本体から分離します。何100回も何1000回も灰捨てをするといつか皿を落としてしまうのではと心配になります。アンコールのほうがフェールセーフにできています。

(7) 保守性
エンライトを選んだ理由の一つがこれです。まだ保守をしていないのでわかりません。この春~夏には概要がわかると思います。しかし最低5年位使わないと本当に保守性が優れているかはわかりません。

以上のように私にとってやはりアンコールは最高でした。エンライトはアンコールと比べると不便です。しかしエンライトの導入を後悔してはいません。
薪ストーブそのものが現代の暖房に比べたら不便この上ない存在です。CDやネットワークオーディオの時代にアナログ・レコードを楽しむようなものです。
アンコールとエンライトの優劣のあら捜しをするのは「50歩100歩」、「目くそ鼻くそを笑う」、「どんぐりの背比べ」です。エンライトの無骨さを楽しみながら長く付き合って行きたいと思います。

スピーカー切替器 再発売(2)

音工房Zさんからのオファーをいただきスピーカー切替器 Ver.2の開発と製造を行いました。昨年12月に初回ロットを出荷し、1月、2月と立て続けに出荷しました。音工房Zさん向けの製造に注力していたので、他には手が回りませんでした。

注文を頂いた分の製造の目処がつき漸く直販の準備にとりかかることができます。

Ver.2の仕様について説明します。変更点は以下の表の通りです。これら以外は変更ありません。

ユニット項目Ver.1Ver.2
SSP-01歪率(定格出力時)0.0050%0.0025%
SSU-01オン抵抗12mΩtyp6.5mΩtyp

SSP-01では、信号経路に使用している抵抗を高性能薄膜抵抗に変更し、性能向上を実現しました。それ以外に信頼性と作りやすさの向上のために基板の変更を行いましたが、仕様には影響ありません。

SSU-01では、スイッチ用のMOS-FETの変更、基板レイアウトの変更などを行いオン抵抗を約1/2にしました。

MOS-FETのパッケージは従来品では下の写真の左のD2PAKでした。Ver.2では写真右のD2PAK-7と呼ばれるパッケージのMOS-FETを使用しています。写真でわかるようにD2PAKはソース端子が1本ですが、D2PAK-7は5本あるので中のシリコンの性能が同じでもデバイス全体のオン抵抗を小さくできます。Ver.1を開発した当時もD2PAK-7パッケージはありましたが価格が非常に高く採用するのは非現実的でした。しかし今はD2PAK-7も使用可能な価格になりました。Ver.2で使用したMOS-FETのオン抵抗はVer.1で使ったそれの約1/3です。シリコンチップの性能向上もありますが、パッケージの違いが大きいと思います。

Ver.2で採用したD2PAK-7
Ver.1で使用したD2PAK

MOS-FETの変更に加えて、基板のレイアウト変更と内部配線のワイアーの変更を行いました。 

Ver.1開発時、最適だと考えた基板のレイアウトですが、その後改善の余地があることがわかり変更しました。変更により基板の配線抵抗が減ると同時にチャンネル間の抵抗値の差を減らすことができました。

また、従来は太いワイアーでは配線が困難なため、十分太いワイアーを使用できませんでした。Ver.2開発にあたり音質が良く柔軟性が高いワイアーを見つけました。そのため配線の抵抗も低減できました。

コストをかければさらにオン抵抗を下げることは可能です。しかしコストと性能のバランス、そしてシステムの中で切替器のオン抵抗がどの程度であるべきかを考えるとVer.2の仕様は程よいと考えています。

これからVer.2の製造、サイトの変更など行います。4月を目標に販売開始できるようにしたいと思います。