月別アーカイブ: 2014年11月

YAMAHA F-1

ヤマハのF1用エンジンとして有名なOXシリーズの話?

yamahaOX

いえいえ、ヤマハのエレクトーン F-1の話です。

かつて1965年に製造されたヤマハの最高級エレクトーンの名はヤマハ F-1。

松本歯科大学の教授が所有するF-1を松本市に寄贈し、あがたの森ホールに設置され現役で使われているそうです。

12月6日にあがたの森でサタデーコンサートが開催されます。そのコンサートに向けて先日ヤマハF-1の整備が行われました。

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家内がその保守作業を見学に行き写真を撮影して来たので掲載させていただきます。

これがF-1です。今のエレクトーンは上下鍵盤の左右の位置がずれていますがF-1では揃っています。これはオルガンと同じ。

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F-1のエンブレム。時代を感じさせます。そして右のボタン。オルガンと同じでパイプの長さが書いてあります。

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そしてF-1の背面。これが発振器のつまったラック。鍵盤ひとつにひとつずつあるから大変なことです。今ならICやDSPで処理できるが当時はこれが普通だったのです。

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そして発振器を取り出しすとこうなっています。発振回路ひとつ毎にトランジスタとLCRがあります。おそらくコルピッツ型の発振器だと思います。コイルの捺印を見ると同じものが二つあるので半音違っても共用していると思います。それにしても鍵盤数の半分の種類のインダクタンスをそろえる必要があるので大変なことです。

またトランジスタはゲルマニウムではないかと想像します。

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スピーカーはF-1本体とは独立しています。人の背の高さくらいあります。このように多くのユニットが使われています。写真だけではよくわかりませんがヤマハ製のスピーカーのようです。16cm程度のユニットが10個、12cm程度のものが2個使われています。良い音がしそう。

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スピーカーを駆動するアンプはこれ。おそらくセミコンプリメンタリの古典的な回路のアンプでしょう。家内は「ソニーの真空管を使っていた」と言っていたがそんな筈は無い。多分ソニーのトランジスタが壊れて現在のサンケン製トランジスタに交換したと思います。

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それにしても1965年製のエレクトーンがいまだに現役でがんばっている。そしてそれがしっかりとメインテナンスされていることについて驚くと同時に感激しました。

スピーカーやアンプはオーディオでも古いものがあるのでそれほどは驚きません。

鍵盤毎に設けられた発振器がちゃんと稼動していることが凄いと思いました。このオルガンは手鍵盤と足鍵盤を合わせると154鍵?あります。その一つでも壊れると使えないのに50年の時を経て154鍵すべてが使えています。154個もあるとMTBFは約1/150になります。もちろん50年の間に何度か修理をしていると思いますがそれでもいまだに使用しているのは修理が可能でありかつ維持費が許容範囲だからでしょう。

エレクトーンのエンジニアが近くに住んでいてその方が保守されているそうです。家内の話ではその方はエレクトーンの生き字引で回路図が無くて修理していたという。本当に凄いことだ。

ヤマハ F-1は当時のエンジニアの熱意が感じられる文化的な遺産だ。

日本に何台のF-1が稼動しているのだろうか?

電子楽器博物館に昔のF-1の紹介記事が出ているので興味のある方はご覧ください。

ハーツフィールドのある部屋

先日素敵なオーディオ愛好家のリスニング・ルームにお邪魔してしてきました。

秀太郎工房さんでスピーカー切替器を使っていただいているが、秀太郎さんから「スピーカー切替器に興味を持っている方が居るので連絡してみたら?」と紹介をいただいての訪問。

訪問して話を伺うとスピーカー切替器が必要ではないとのこと。ビジネスとしては残念だが凄いオーディオ・システムの音を聞かせていただき良い経験をしました。

リスニング・ルームは母屋と独立している専用の建物。オーディオ以外には何も無い非常に恵まれた環境です。部屋に入ると先ず目につくのがJBLのハーツフィールドとオリンパス。オリンパスが子供のように見えます。

当初、ハーツフィールドとオリンパスを切り替える?と思ったがハーツをオーディオ用に、オリンパスをTV用に固定して使用しているとのことです。実に贅沢なTV用スピーカーです。

ハーツフィールドは古い箱を手に入れ時間をかけて綺麗にし、ユニットをあきらめずに探して購入して完成させたそうです。ハーツフィールドの実物を見るのは初めてですがこんなに大きいとは思っていませんでした。

正面

 

下の写真はソース機器およびプリアンプ。CDプレイヤーはEMT981にAntelopeのクロック・ジェネレータを組み合わせています。

プリはマランツ#7。気に入った音質の固体を手に入れるために何台か交換したそうです。

手前のマッキン275はオリンパス用のアンプ。

ソース

 

 

パワー・アンプはOctaveのMRE130(多分) 真空管モノラルの超弩級アンプ。これも初めて聞きました。

Octave

 

オーディオについて色々と話をしながら音を聞かせていただいた。

部屋全体を包み込むような音で刺激的な音がしないのでいつまでも聞いていたくなる音です。私も定位や音場重視のスピーカーよりも空間を埋め尽くすような(変な表現ですが)スピーカーが好きなので話が合いました。

お話しを聞くとお金をかけて買い集めたのではなく、時間をかけて必要なものを汗を流しながらこつこつと揃えて来たようです。ここぞと思う時にはそれなりの投資をしたと思いますが、手間と労力を惜しまず若い頃からの夢を着実に実現されているように思いました。

普段聞いているCDを持って再び訪問させていただきたいと思いました。

PCクラッシュ

多くの方がPCで仕事をされていると思います。

私もほとんどの仕事をPCで行っています。PCがおかしくなると仕事がすべてSTOPです。それなりにセキュリティやいわゆるBCP(事業継続計画)には気を使っていたのですが、、

11月12日にPCがクラッシュしてしまいました。

Windowsが起動しなくなり修復をしたところPC環境が2年ほど前に戻ってしまいました。2年前は私が起業した直後で設計データはほとんどなしです。(その代わり2年前のPCは起動が早かったことを実感 ^^ )

私はこのような事態に備えて以下のようにバックアップしていたので余裕しゃくしゃくでしたが、、、

・バックアップ先にはRAID1構成のNASとCloudのストレージを使用

・2種類のソフトでそれぞれシステム全体とデータをバックアップ

しかしシステムのリカバーをするとエラーが発生してNG! 1時間で復旧は無理か?

しかたなくデータのみ復旧しましたがアプリを再度インストールする必要があります。インストールやライセンの再発行などかなり面倒。それでも1~2日かければできる力仕事なのであまり悲観的にはなっていません。

リカバリをするうちに重要な設計データが復旧に失敗したシステムデータの中に含まれていることが判明。これが無いと追加生産に支障があるので真っ青!復旧できないと失われた部分を再度設計せざるをえないので非常に大変なことになる。

こうやってブログを書くことができるのは、多少時間はかかるが上記のデータが力づくで復旧できそうな見通しがついたからです。

現在のバックアップのスキームを構築した時には信頼性が高いと思っていました。しかしファイル・リカバーの試験はしましたがシステム・リカバーの試験はしてませんでした。企業のIT部門の人などでなければシステムリカバーの試験をするのは難しいのでは?

またバックアップを2WAYで行っていたのでそれで冗長性が確保されていると思って、バックアップを信頼性の低い増分バックアップで行っていました。

これらの要因が重なり今回のような事態になってしまいました。

次に備えてもっと信頼性の高いバックアップの方法を考えたいと思います。それと同時にリカバーの方法を確認しておく必要があります。たとえばNASをRAID1で構成していますがストレージが故障した時の修復方法を試したことがありません。問題が発生したらマニュアルを読めばいいと思っていました。いざという時に短時間でリカバーできそうもありません。

話は変わりますが、消防士の方は火災の時にあわてず消火できるように日ごろ訓練をしています。それによって現場で体が反射的に動いて適切な行動ができるそうです。それに比べて一般人は防災の日に非難訓練する程度です。これではなかなか身につきません。

データのバックアップだけはできるけど、リカバーができなかった私は訓練の足りない消防士どころか防災訓練をさぼっている一般人のようなものです。

災害はいつか必ず来るといわれますが、PCの災害はそれよりもっと早く来ます。PCと自然災害それぞれの備えをするようにしたいと思います。

ダイレクト・トランスファー・シリーズ

11月7日にMUSIC SHOP Goodiesのダイレクト・トランスファー・シリーズ(CD-RおよびDSD)の販売を開始しました。

私が生まれたのはLPレコードやEPレコードの時代だから、音楽を聴き始めた頃は33/45回転のレコードが普通に使われていて、SPレコードやその再生装置は既に骨董品となっていた。

20年以上前に故宍戸公一氏がSPレコードの魅力や再生装置について記事を書かれているのを読んで興味を持ったものの手を出すことはありませんでした。

何度か聴いたSPレコードの音はスクラッチノイズが多いですがその表現力は私の心を動かしました。また今の録音のように継ぎ接ぎできる場合に比べて一発で録音することが多いので演奏者の気合が違う。歴史的な巨匠の演奏を聞くことができるのも魅力だ。すこしずつではあるがSPレコードについての興味が膨らんでいた。

クレデンザでSPレコードを聴くコンサートがサイトウキネンの期間中に開催された。そこへ新さんが講師として参加された。その折、新さんが所有するモーツァルトのSPレコードをDSDで録音してCDで販売されることを伺った。私の勉強不足で新さんがSPレコードのコレクターでありそれを記録に残していることをその時初めて知った。

SPに興味があるものの、SP再生装置を作るのは面倒、ソース入手も困難、3分ごとにレコード交換するのは大変だ。だからSP再生に踏み出すことはほとんど考えて居なかった。

また一口にSP再生と言っても正確な情報を再現するのは難しい。今まで聴いたSPの音は最適な方法で再生されていたのか?多くの知識と経験をお持ちの新さんが再生したものなら私のようなSPの経験がないものが何年も試行錯誤してたどり着けるか分からない領域に達している。

上記のような理由でSPの音を記録したCDを聴くのが最も現実的な方法であり機会があればCDを購入しようと思っていた。

その後10月の真空管オーディオ・フェアに出展した際、隣の小間にMUSIC SHOP Goodiesが出展されていた。そしてなんと!Goodiesでは新さんがSPからマスタリングした音源をダイレクト・トランスファー・CD-Rとして販売している。Goodiesの小間に見えた新さんが「うちとお隣なんですね。」と声をかけてくれた。Goodiesの大西さんは初めて出展する私達に親切に色々と教えてくれて大変お世話になった。

フェアの2日目に大西さんから「良かったらダイレクト・トランスファー・CD-Rの販売をしませんか?」と声をかけていただいた。

SPレコードを記録したCDを聴いてみたいと思っていた時期に、Goodiesさんと隣の小間で出展できたことや大西さんが私に声をかけて下さったのは偶然と言うには出来すぎている。本当にご縁だと思う。

SPの魅力の一つは歴史的なバーチュオーソの名演を聴けることにあると思う。これから少しずつでもその魅力を発信して行きたいと思います。