様々な理由と、私の仕事の遅さによって、パワーアンプの設計に時間がかかっています。
漸く、回路設計が終わってケースと基板の設計に入りました。事前にレイアウトや基板間の配線について検討し、基板の分割を行っていますが、それでも変更の繰り返しが続きます。できるだけ速く試作を開始したいと思います。
レコードプレイヤーのアームとしてSME 3009シリーズ2を使っていますが経年変化による劣化が起きていました。下の写真のようにカウンターウェイトから右にサブウェイトが出ています。SMEのアームではサブウェイトを前後に移動して針圧を調整します。またサブウェイトの左右の位置を変えてラテラルバランスの調整をします。トーンアームの軸上にあるウェイトをメインウェイト、右にあるサブウェイトをライダーウェイトと呼ぶそうです。メインウェイトを取り付けてある軸はラバーによりアームと結合していますが、ラバーが劣化してメインウェイトを固定している軸が回転してサブウェイトが下がってしまいます。これではアームは正常に動作しません。
今まで応急処置をしていましたが、いよいよ限界なので以下の販売店からラバーを購入しました。
http://www.soundheights.co.jp/
在庫が無く、納期は約1ヶ月でした。
アームからメインウェイトを固定している軸をはずした状態です。後ろに見えるのがはずした軸です。アームの内側に古くなったラバーのカスが残っているので綺麗に取り除かないと新しいラバーがスムースに入りません。軸の中にあるカスも綺麗に除去しないとなりません。この作業が非常に大変でした。
購入したラバーをアームに取り付けた様子です。アームとラバーをアロンアルファで接着します。2つのラバーのうち前方のラバーは、ラバーに接着剤を塗布した後アーム挿入します。挿入途中で接着されてしまうと困るので接着剤を塗布する前に数回ラバーの出し入れをして慣らします。接着剤を塗布した後、一気にラバーを挿入します。
前方のラバーと軸を接着して完成です。
なぜカウンターウェイトをアーム本体とラバーを介して結合しているのか? リジッドな結合ではだめなのか? サブウェイトの微小な上下動がナイフエッジを通してカートリッジの針先に伝わることを防いでいると思いますが、ラバーの特性により却って悪影響があるかもしれません。本当にアナログな世界だと思いました。
アーム修理後の音だしは明日の予定です、、、
【2018/5/13追記】
音出しをしてみました。下のようにイコライザにはMarantz #7を使用。ラインアンプはソフィソナント製です。
アームが使えなくなってから修理するまで、3ヶ月以上経っていますし、イコライザはアームの修理前と違うので音の違いはわかりません。しかし、トレースは以前より安定しました。
丁度LPをかけている最中、地震警報が鳴り、家が揺れました。私の住んでいる松本は震度3でしたが、体感的には震度2~3程度だと思います。このときはさすがに針飛びしました。