スピーカー切替器の歪率特性を測定した時に常用していたパワーアンプが壊れてしまった。昨年のことだ。
忙しくて修理に取り掛かれなかった。その気になってやり始めれば比較的短時間で済むことも腰が重くて取り掛かれないことがある。
例えば高校の同窓会の紙の名簿(300人超)をExcelに入れる作業があった。OCRで読み込もうとしたがうまくできず3ヶ月ほどほったらかしにして居た。しかしお尻に火がついてやり始めると1日でできてしまう。どうしても優先順位が低いことは後へ後へと追いやられてしまう。
アンプ修理も別のアンプがあるので音楽を聞くことができる。それほど困らないので修理は後回しになっていた。しかしこれから暑い夏になるし、節電の時期に真空管アンプばかり使っているわけにはいかないので修理することにした。
アンプを分解して確認を始めた。先ず本当に壊れているかもう一度確認する。電源を入れた瞬間に保護回路が働いてしまう。やはり壊れている。
アンプの出力をオシロスコープで見ると電源投入後左チャンネルに約30VのDCが出ている。右チャンネルは正常なようだ。
保護回路が働く場合通電して各部の電圧を確認することができない。保護回路をはずして確認することも可能だがそれでは連鎖的に故障していないデバイスまで破壊する恐れがある。
それとNFBがかかっている回路ではNFBをはずさないと電圧を測定してもわからないことが多い。
皆さんも同じようにやっていると思うが、このような時は電源を入れず回路の各ポイント間の抵抗値を測定するのが有効だ。幸い右チャンネルは正常と思われるので左右を比較して値の違う部分を見つければよい。
但しテスターの抵抗レンジの場合どのリードに+の電圧が出ているかを確認しておかないと半導体の確認の場合には値が違うので注意が必要。昔なつかしいアナログテスターの場合は何故か黒リードに+の電圧が出ていた。最近のディジタルテスターでは赤リードに+の電圧が出ているようだ。全てを確かめたわけではないのでこれが標準的なのかわからないが。昔の感覚で今のディジタルマルチメーターを使う場合は念のためにチェックすると良いと思う。
さて調べて行くと出力段の+側のMOS-FETのゲート=ソース間の抵抗が左右で異なることがわかった。出力段のゲートとソース間には抵抗が入っているので抵抗に原因があるのかMOS-FETに原因があるのかを確認するためにMOS-FETのゲートへの配線を取り外す。その結果MOS-FETのゲート=ソース間は本来絶縁されているはずなのに約150Ωの抵抗があることがわかった。これで出力段のMOS-FETが壊れていることがわかった。
アンプを作ったのは10年以上前なのでデバイスは当然ディスコン。調べてみるとヤフオクで入手できることがわかった。早速注文した。
MOS-FETを交換して直れば良いが、他の部品にも被害が波及している場合がある。テスターでチェックした限りでは他の部品は問題なさそうだが、、、
部品の入手は来週の予定。来週になって再び腰が重くなっていなければ良いが、、、