青色LEDの開発で赤崎さん、天野さん、中村さんがノーベル物理学賞を受賞した。
最近は嫌なニュースばかりだが、その中で久し振りに嬉しいニュースで心が躍る。
今まで私とは全く縁が無い分野の研究に対するノーベル賞であり「こんな研究していたんだ。」と受賞が報道されて初めて知るものが多かった。
それに対して青色LEDは技術開発や製品化をリアルタイムで見ているので身近に感じる。特に中村さんは学者というより我々と同じエンジニアであったので余計に親近感を覚える。中村さんのことはいろんな報道や記事で知っているが赤崎さんや天野さんのことは記憶にない。半導体材料を専門にやっているエンジニアなら知っていると思うが私のように商品開発をやっていたエンジニアには基礎研究の分野には縁が無い。
赤崎さんの記者会見を見たが、GaN(窒素ガリウム)の研究は成果が出ずに辞める人が多い中で続けてきて今回の成果に繋がったという。中村さんは誰も相手にしなかったGaNを青色LEDの材料に選び執念で製品化した。
最近は基礎研究といえども短期のROIが求められて赤崎さん達のような研究をすることが困難になって来ていると思う。全ての基礎研究がないがしろにされているわけではないと思うが、基礎研究と実用化のバランスが保たれて新しい技術が生まれていけば良いと思う。
青色LEDが登場した当初、製品のパイロットランプに青色LEDを使うだけでスマートで高級な感じがした。今では青色LEDが普通に使用され ”青色=先進的” のイメージは薄れてきた。それでも赤や緑のLEDに比べればクールな感じがする。
話は変わるが、スピーカー切替器では赤色LEDを使っている。
多くの機器に使われている青色LEDを安易に使うことに抵抗があったからだ。
それからもう一つは以下の理由による。
赤色はLEDとして最初に実用化されたものであり商品化されて40年以上は経つと思う。私が就職した頃は既にニキシー管からLEDに変わっていたがその時ニキシー管の歴史は30年ほどだったと思う。今の時点で見れば赤色LEDは当時のニキシー管より古いデバイスだ。そして青色LEDが主流になり赤色LEDはマイナーな存在になっているような気さえする。そんな現代では赤色LEDがかつてのニキシー管のように感じられる。そこで赤色LEDに敬意を表し、ノスタルジーを表現する手段として赤色LEDを使いたかった。(ひとりよがりな理由だが、、、)
今回の受賞は驚きであったが本当に嬉しく、久し振りに興奮した。本当におめでとうございます。