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薪ストーブを入れ替えて

長らく愛用したバーモント・キャティングスのアンコールからダッチ・ウエストのエンライトに昨年入れ替えました。

ほぼ1シーズン使った感想をまとめてみます。

(1) デザイン
赤いホーローで仕上げられた華麗なアンコールに比べると、無骨な黒い鋳鉄製のエンライトは明らかに見劣りします。アンコールが良すぎたので比べるのが酷というものでしょう。でもエンライトもThe・薪ストーブという感じでこれはこれで安心できるデザインです。

(2) 薪の入れやすさ
アンコールはストーブ上部のリッドを開けて薪を入れます。立ったままで薪をいれることができ、非常に楽です。一方エンライトはしゃがんで、前面または左の扉から薪を入れる必要があります。腰や膝への負担が大きいです。アンコールの方が断然良かったです。

(3) 点火のしやすさ
両者とも同じです。

(4) 煙の出方
アンコールは着火直後~通常運転中を通して煙突から煙が出ずご近所に迷惑をかけない優等生でした。交換する直前は着火直後に煙が出るようになりました。エンライトはまだ最適な運転方法をマスターできていないこともあり、着火直後に煙が出てしまいます。試行錯誤して良い方法を見つけたいと思います。

(5) 燃費
カタログデータも実使用でもアンコールが優れています。感覚的にエンライトはアンコールより約1~2割薪を多く消費します。しかし我が家は昨年内窓を追加して断熱性が非常に高くなったこと、このシーズンが暖冬だったこともあり薪の使用量は減りました。
もう一つ、アンコールは空気の供給量を絞ると薪が長持ちしますが、エンライトは空気の供給を最小にしても薪が比較的短時間で燃えてしまいます。調整により改善するかもしれませんが。

(6) 灰の捨て方
どちらもストーブ本体で燃やした薪の灰が本体下の灰受け皿にたまります。アンコールは受け皿が手前に開き戸のように出てきます。皿は本体に固定されているので皿が落ちる心配はありません。一方エンライトは皿を本体から引き出します。机の引き出しのように本体から分離します。何100回も何1000回も灰捨てをするといつか皿を落としてしまうのではと心配になります。アンコールのほうがフェールセーフにできています。

(7) 保守性
エンライトを選んだ理由の一つがこれです。まだ保守をしていないのでわかりません。この春~夏には概要がわかると思います。しかし最低5年位使わないと本当に保守性が優れているかはわかりません。

以上のように私にとってやはりアンコールは最高でした。エンライトはアンコールと比べると不便です。しかしエンライトの導入を後悔してはいません。
薪ストーブそのものが現代の暖房に比べたら不便この上ない存在です。CDやネットワークオーディオの時代にアナログ・レコードを楽しむようなものです。
アンコールとエンライトの優劣のあら捜しをするのは「50歩100歩」、「目くそ鼻くそを笑う」、「どんぐりの背比べ」です。エンライトの無骨さを楽しみながら長く付き合って行きたいと思います。

マイナポイント

マイナンバーカードを持っているとマイナポイントが貰えるそうです。少しわかりにくいですが、説明を見ながら手続きを始めました。マイナポイントをもらうには、総務省のアプリを使って”マイナポイントの予約”を行い、その次にキャッシュレス決済の会社にマイナポイントの登録の手続きを行います。その後、期間中に登録した会社で決済を行うと、その決済会社からポイント(最大5,000円分)が還元されるそうです。

手続きを始めましたが、マイナポイントの予約にはマイナンバーカードのチップ(Felica)と通信できるスマホが必要なことがわかりました。私のスマホはFelica対応ではないのスマホから予約ができません。

PCでもマイナポイントの予約が可能です。私はマイナンバーカードのリーダを持っています。PCで予約をしようと思ったら、Internet Explore11が必要だそう。今どき IE11??? びっくりしました!!! いつものことながら、国のITは利用者の心を逆なでします。

普通ならIE11をインストールして手続き終了後にアンインスートールしますが、偶々スマホの機種変更を今月するので、変更後手続きをする予定です。マイナポイントの上限が5,000円なのであまり工数をかけたくありません。

特別定額給付金では、マイナンバーで申請したほうがかえって手間がかかり、オンラインでの申請を中止した自治体が続出したそうです。幸い私の場合はオンラインでスムーズに請求できました。

6月で終了したキャシュレス決済の還元でも決済手段によっては、還元されたポイントを使えるようにするためにインターネット上で手続きが必要で、しかも他のキャッシュレス決済手段にチャージする必要がありました。政府から出てきた還元事業は決済業者にとって晴天の霹靂で対応に苦慮した結果だと思います。

私は多少コンピュータやITの知識はあるつもりですが、国のシステムを使う時にはいつも苦労します。それぞれのシステムがバラバラで都度インストールしないとならず、UIも全然違います。使う際には時間を使うので利用者の生産性が低下します。申請ができればまだしも PC、スマホになじみが無い方は制度の恩恵を受けることすらできません。

実際に手続きをして実感しましたが、経済対策のために利用者に多大な不便を強いています。キャッシュレス決済会社や窓口になる自治体等も本来なら必要ない余分なコストが発生します。 国がIT化する目的は利用者の利便性が最優先でなく、IT化の実績と国の利便性のほうが重要だと思えるほどです。

給付や還元とは違いますが、e-Taxも同様です。私は使いにくいシステムに悩まされながら数回利用しました。しかし使うメリットが無く今は使っていません。 e-Taxで申告が完結すれば良いのですが、添付書類を税務署に郵送または持参しないといけないからです。それなら申告書一式を郵送しても変わりありませんしそのほうが楽です。(今年からe-Taxを使わないと控除額を減らすそうです。 ペナルティを課して使いにくいシステムを無理やり使わせるのではなく、誰もが喜んで使うシステムにすることが本道だと思います。このことからのシステムが利用者の利便性を考えていないことが推察できます。)

私の想像ですが、官僚は法律を作るのは得意ですがシステムを作ることは慣れていません。結局丸投げします。発注先は利用者の利便性より利益第一ですから今のようなシステムが出来上がっても不思議ではありません。

給付型の経済政策は必須ですしそのためのシステムが必要です。しかし、マイナポイントのような還元型の経済対策を実施し、システムを開発することは無意味だと思います。むしろ消費税を減税するほうが経済対策として効果があり、無駄なシステムが不要で、消費者は何の手間もかかりません。

ちなみに私が住んでいる松本市がプレミアム商品券を販売します。1枚あたり3,000円のプレミアムがつき最大5枚まで。抽選なので購入できるとは限りませんが15,000円の得です。往復はがきで申し込みます。 一方のマイナポイントはアプリをインストールしてスマホを買い替えて(たまたまですが)などなど面倒な手続きをして5,000円の得、、、

薪ストーブの入れ替え

25年ほどお世話になったバーモント・キャスティングスのアンコールは非常に素晴らしいストーブですした。しかし、メンテナンスが大変になってきました。

ストーブには薪を効率的に燃やすための触媒があります。触媒の掃除の際、触媒を覆うパーツをはずす必要があります。触媒を掃除した後に外したパーツを元の位置に戻すのが非常に大変です。長年使用して本体も変形しているのでパーツだけ交換しても購入当時のように簡単にメンテできないと思います。

そこで、新しくストーブを入れることにしました。新しいストーブの条件は以下の通りです。  

① できるだけ安いこと

② 燃焼効率が高く、煙突から煙や臭いがでないこと

③ 簡単にメンテできること

①について:私があと何年薪作りをできるかわかりません。アンコールのように25年使うことは無理でせいぜい10年くらいでしょう。欲を言えば15年?ストーブの値段が安くないと元を取れません。これが第一優先です。

②について:しかし、安かろう悪かろうでは薪の準備が大変だし、排煙で近所に迷惑がかかります。アンコールは正しく焚けば煙がほとんど出ませんでした。田舎でお隣さんとの距離があるとは言え近隣の方に迷惑をかけるわけにはいきません。この項目も大事です。

③について:あと何年薪ストーブを使えるかわかりませんが、使っていある間にはメンテの工数と費用が少ないことが必要です。①の安いことかぶるかもしれませんが手間がかからないことが重要です。徐々に体力が落ちてくるので、ストーブのメンテに体力を使わず、薪作りにだけ体力を使いたいものです。

いままで使っていたアンコールのカタログ写真を転載します。すごくかっこいいです。しかし値段が高いので①の条件を満たしません。②はOK ③は私のLife Timeを考えればOK?

今度入れるストーブのカタログ写真です。①②③の条件を満たします。②③の条件を満たすと①を完全に満たすのは難しいので相対的な評価です。③についてはこのストーブには触媒がないのでランニングコストは安そうです。触媒が無い代わりに希薄燃焼で触媒と同等の燃焼効率を達成しているそうです。触媒が無いと触媒を交換するする必要がないのでメンテコストが減ります。

今まではエレガントな雰囲気のストーブでしたが、今度は薪ストーブ本来のワイルド?なイメージなので楽しみにしています。

ストーブを購入する際、市から補助金が出るとストーブ屋さんから教えてもらい先月申請しました。本日補助金交付の通知を受けたので工事をお願いしました。補助金をいただけると本当に助かります。

ストーブを入れ替える際に少し問題になった点があります。25年前は煙突が太いほど良く燃えるとのことで我が家の煙突は直径8インチを導入しました。アンコールも8インチ仕様でした。下の写真に煙突を示します。

しかし現在は煙突径6インチが主流で8インチは過去の遺物のようです。全てのストーブは6インチ仕様なのでストーブと煙突の間の直径を変換するアダプタが必要です。6/8変換は一般的なことかと思いましたがかなり特殊なようで特注品で対応するそうです。何故8インチが廃れたのか定かではありません。

最後になりますが、アンプの設計について書きます。制御ソフトのコーディングを全て見直しました。デバッグ中ですが、DSPなどを使わずに制御できるかトライ中です。

絶対音感

パワーアンプのBIAS制御で苦労しているので、仕事の進捗が書けない状態が続いています。今回もそんな時のどうでもよい話題です。

まさに、どうでも良い話ですが、私は絶対音感があります。子供の頃、ピアノを習っていたので絶対音感が備わったと思います。最近は音を聞く前に基準音で校正しないと半音位の狂いが出ることがありますが、まあそこそこ正確だと思います。
しかし私にとって絶対音感はあまりメリットはありませんでした。

私は学生時代にチャーリー・パーカーに心酔して彼のように演奏したいと思いました。お金がないのでサックスは買えません。彼のアドリブのコピー譜を購入して弟が小学校の時に使ったピアニカで吹いて練習しました。就職してすぐに月賦ならサックスが買える!と気付いてアルト・サックスを購入しました。夜な夜な井の頭公園で練習しました。井の頭公園にはプロ級から私のような初心者まで楽器を練習する人が多く居ました。


サックスもクラリネットも小学校で習ったリコーダーと同じで、全ての穴を指で塞ぐとドの音がでます。 しかしアルト・サックスはE♭管なのでドの音を出すとE♭の音程が出ます。アルトの教則本はE♭で書かれているので、その通り吹くと楽譜と鳴っている音が違い、頭が混乱してそれ以上吹けなくなります。
ピアノなど殆どの楽譜はCで書かれています。 そこで私は 、独自の指使いでサックスを吹くことにしました。Cで書かれた楽譜のみ演奏できれば良いと考えて、それ以外の楽譜を演奏することはあきらめました。

私考案の素晴らしい?指使いで練習をしました。それなりに吹けるようになったと自分では思っていました。ただ私はリズム感に難があり、客観的にはいまいちでしたが。

地元に帰り、ビッグバンドに入会し、楽器店のサックス教室に入りました。ここで当然ですが問題が発生しました。バンドで渡されるアルトサックスのパート譜はE♭=ドで書かれているので、私の独自の指使いではだめです。パート譜を自分でC用に書き替えないといけません。結構大変です。

さらに追い打ちで、サックス教室では独自の指使いを禁止されれストレスがたまりました。結局だんだんとサックスを吹くことに対する意欲がなくなり、教室もバンドも辞めることになりました。

ちゃんと音楽を勉強した人は、絶対ドと移動ドを頭の中で瞬時に切り替えることができるそうです。私は子供の頃絶対音感だけついて、その後10年以上音楽演奏から離れていて、突然サックスの演奏を始めたので対応することができなかったと思います。あきらめずに練習を続けていれば対応できたかもしれません。しかし仕事が次第に忙しくなり余裕が無くなったこともあり挫折しました。

ちなみに私の家内はピアノ教師ですが絶対音感がありません。当たり前のように移動ドを使いこなしています。家内は私のことをうらやましいと言いますが、私は上に書いた通り絶対音感をもっているメリットを感じません。
せいぜい飲み会でグラスをチーンと鳴らした時の音階は?と聞かれて Aだとか G#だとか言う程度です。

ひとつだけ便利だと思うのは、曲を聞いて耳コピーできることです。あまり複雑なメロディは何度も聞かないと無理ですが、簡単なメロディならすぐにピアノで正しい音程で再現することができます。最近は指がおぼつかない?ですが、、、

絶対音感のむなしい話でした。

木の伐採

アンプの話ではなく、木にまつわる話ばかり続きますがお許しください。

アンプのファームウェアのデバッグ中に、かなり大きな変更が必要なことに気づいてファームウェアの仕様をみなおしている最中です。またバイアス制御の信号処理の部分は移動平均程度でなんとかなると考えていましたが、タップ数が多いFIRフィルタが必要かもしれません。そうなると今のMCUでは対応できずより高性能なMCUまたはDSPが必要になる可能性があります。ぎりぎり今のMCUで大丈夫だとは思いますが、、、

我が家は家内の実家の隣に建っています。その実家の敷地内にある建物に近接してヒノキが立っています。昨年の台風の時にヒノキが大きく揺れて建物に接触しました。今後も強大な台風が予想されるので、ヒノキを伐ることにしました。ヒノキのほうが古くから立っていて後から建物を建てたのでヒノキとしては「何故オレが伐られるんだ?」と思ったはずです。もう少し木と間隔を空けて建てれば良かったのに。本当に申し訳ないです。

人間のエゴでヒノキを伐らざるを得なくなりました。昨年のうちに庭師さんの仕事が無い冬の間に伐ることをお願いしていました。天気が良く、風が弱い日に伐採に来てくれました。伐る前にヒノキにお神酒をあげてお参りしました。

その後、庭師さんが木に登り、上から少しづつ切り落としました。高所が苦手の私には信じられない技ですが、庭師さんも実は高所恐怖症とのこと。仕事とは言え大変です。

最終的には下の写真のようになりました。庭師さんのチェーンソーの歯が短くて根元近くは切れませんでした。後日私が切ります。

このあたりにはトラクタ小屋がありました。10数年前までは田畑を耕すためにトラクタを使っていましたが、現在は水田の耕作を大規模農家にお願いしているので稲作にトラクタは必要ありません。最近は数十坪の家庭菜園を春先そして収穫が終わった秋に耕す程度でしたが重宝していました。 数年前からロータリーという耕す部分が壊れてしまい、しっかり耕すことができませんでした。古いトラクタなので既に部品が無く修理不能で手放しました。それに伴いトラクタ小屋を昨年解体しました。 下の写真の畦畔ブロックを敷いてある所にトラクタ小屋が建っていました。トラクタ小屋に隣接して単管パイプの薪置き場があります。従来は場所が狭く薪を1列だけ置いていました。トラクタ小屋が無くなったので薪を2列置けるように奥行を拡張しました。単管パイプのジョイントを調整するだけで拡張できました。屋根の垂木や波板は新規に作り変えましたが。これでほとんどの薪を屋根の下に置ける予定ですが、これからいただく薪の量により一部は野ざらしになると思います。

今年はトラクタが無いので、家庭菜園を耕すのが大変です。耕運機を買おうと考えましたが、今年は人力でやって見ることにしました。なかなかパワーアンプの開発がすすみません。。。

雑感

本稿は、オーディオを営む個人事業者のブログとして適切ではないと思いますが、最近の政府の対応に疑問を感じているので感じていたことをが書かせていただきたいと思います。

コロナ・ウイルス対応の様子を見ると政府が守りたいのは、国民ではなく政府の支持率であることがあきらです。国民を最優先にしていないので、その時々に経済・海外・政府の支持率など気にしながら風見鶏のごとく行動している様子がわかります。そういえば以前風見鶏と呼ばれた首相がいました。今の政府は何をしたくて政治を行っているのでしょうか?

そもそもアベノミクスによるデフレ脱却はできるはずが無いと思っていました。日本だけの閉じた経済圏ならアベノミクスでインフレ目標を達成できるでしょうが、グローバル化した社会では無理だと思います。インフレ率は需給のバランスで決まります。閉じた社会ではお金の供給量を増やせば需要が増えるので供給が足りなくなりインフレになります。しかし海外から潤沢にものが供給されれば供給不足にならないのでインフレが起きるはずがありません。また金融緩和によるお金は日銀の当座預金にとどまり市場には供給されませんでした。少子高齢化や老後不安により需要が増えないことに対する施策はほとんどなかったからです。需給バランスが改善するはずがありません。

アベノミクスの目標がインフレ率2%だったことも疑問です。この目標が本当に正しいのでしょうか?黒田バズーカが撃たれたころ、日銀は次のようなコメントを出しました。「金融緩和による効果はあるが原油安などによりインフレターゲットを達成できなかった。」それではその時にたまたま原油が高くてインフレ目標を達成していたら政府はアベノミクス完了!と胸を張って喜んだのでしょうか?もしその時に原油が高ければ国内の経済指標はもっと悪かったと思います。アベノミクスが成功しても国民の幸福に結びつかないのです。経済改善の目標はインフレ率ではなくGDPの増加を目指すべきだと私は当時は考えていました。しかしGDPは貿易赤字が増えると増加するので適切でないし、現政府はGDPの算出方法を都合よく変えているので信用できません。めざすべき指標は実質賃金だと思います。

以上のようにアべノミクスは目標の設定が間違えていて、手段も間違ています。二重に間違えているのに成果を誇っているのはなんとも悲しく哀れに思います。

ビジネスをする人は普通PDCAをします。PDは良くてもCは非常に辛いステップでした。でもそれを乗り越えないと次の進歩がありません。政治はPDCAをしないのが普通のように見えます。消費税増税後に経済が大きく悪化しても「経済はおだやかに回復している」とのことです。PlanとDoはできていますがCheckが全くできない人達です。現政権だけではなくすべての政治家がPDCAできていません。政治家は自ら失敗を認めると次の選挙に勝てないから失敗を認めてはならない因果な職業です。選挙制度、民主主義はこのことを前提にしていると思います。PDCAのうち政治家はPDを行い、有権者がCを行います。Aは次の政権が行うのでしょうか?その保証は全くないですが。

現政権を総括すると、選挙・政局・権力維持には抜群の強さを持っていますが、国民を豊にするための政治の能力が皆無であると思います。

薪ストーブ

この冬は暖冬で楽でした。薪の消費量は例年より多少少なかったようです。冬に入ると薪ストーブに火を入れます。一度火を入れてしまうとその心地よさの虜になり、火を落とすことはできません。いつも12月初旬から3月下旬までストーブを焚き続けています。夜中も火がついているので寝る直前に洗濯した衣類を家の中に干すと翌朝にはからっかっらに乾いています。すごくありがたいです。

ストーブの火を絶やすことが無いので、薪の消費料はかなり多いです。部屋は暖かいですが、懐は寒くなります、、、

今回も来シーズン以降の薪の手配をしました。知り合いの紹介で今までとは別の所から購入しました。今回から長さ4mのナラの丸太です。今まで4mの丸太を置くスペースがありませんでしたが、昨年場所が確保できました。従来よりかなり安い値段で購入できました。感謝です。

そして、ナラ薪が届いた数日後に雑木が無料で配布されました。近くを流れる梓川の河川敷に生えている木を伐採した木材です。昨年の台風以降河川敷の木が伐採されていました。どうするのかなあ?と思っていましたが、近所の方から「無料で配ってるよ。」と教えてもらい取りに行きました。近所の方も軽トラ一杯運んでくれました。合計軽トラ3杯分ゲットしました。 感謝です。
下の写真の手前にあるのがそれです。 樹種はニセアカシアです。ナラほどではないですが、かなり熱量は大きいです。河川敷には多くの木が生えています。大雨により大量の土砂や流木が流れた際には立ち木に引っ掛かり越水の原因になります。私の住んでいる地区の近くには霞堤があるので早期に洪水対策が行われたと思います。

この後、知り合いのリンゴ園の伐採した木、庭木などをいただけると思います。それらを合計すると1.5シーズン分程度の量の薪を確保できると思います。

薪の量は足りないと当然だめですが、多すぎてもだめです。

多すぎると使い残した薪が乾きすぎてスカスカになったり虫が湧いたりするので2年以上使わずに置いておくのはNGです。これは樹種にもよりますのでシーズン中盤以降は残す薪の種類を選んでストーブにくべます。

毎年頂戴する薪の量を予測して、購入する薪の量を決めます。なかなか難しい予測ですが実績をもとに、多少悲観的な見積をして決めます。今まで予測が大きくはずれたことは無いのでまあまあかと思います。

我が家では23年ほどバーモント・キャスティングス社のアンコールというストーブを使ってきました。使ううちに内部の鋳鉄の部品が熱で変形してメンテナンスが大変です。重要な部品である触媒(薪から出るガスを完全燃焼させて煙突から出る煙をクリーンにする)を掃除・交換する際の部品脱着が非常に大変です。過去にも部品を交換したりグラインダーで調整したりと苦労して保守していました。

アンコールは写真のように赤いホーロー仕立てで絵になるし、優れたストーブです。アビーも冬はストーブの前が定位置です。

それでもメンテが年ごとに大変になるので来年はストーブの入れ替えを計画しています。私がストーブを購入した店の主人に買い替えの相談をしました。すると他メーカーのストーブを推奨されました。私が使っている機種は最近メンテが大変だそうです。プロでも部品の交換にすごく時間がかかるので苦労しているとのこと。私がアンコールを購入した時は「世界最高のストーブ」と推薦されましたが、年月は嘘をつきません。多くのストーブの販売と保守をしている人の見識は非常に参考になります。私が製造販売しているオーディオ製品も製品寿命や保守性を重要なファクターとして考えています。

別機種を導入するか?それとも薪ストーブから脱却するか? 悩みます。

明けましておめでとうございます

本年もよろしくお願いします。

松本は穏やかな天気の年明けでしたが、アメリカがイランの司令官を殺害するという先行きを不安にさせる事件が発生しました。日本は今までのように安穏として過ごすことはできず、否応なしに自立した国家を目指さざるを得なくなるのではないかと危惧します。

さて私は2000年から10年日記をつけています。昨年末に2冊目の日記帳を書き終えて、今年から3冊目の日記帳使い始めました。三日坊主の私がよく続いたものです。

新しい年を迎えると1年の計を考えます。10年日記を使っていると1年だけでなく10年単位の計なども考えるようになりました。新しい日記帳を使い始める年には特にその思いを強く感じます。

思い返せば、1冊目を書き始めた2000年はまだ40代半ばでがむしゃらに仕事をし、仕事に追われる日々でした。10年単位の視点を持っていなかったと思います。つまり10年後もこのままがむしゃらに働いていると思っていました。

2冊目を書き始めた時は50代半ば。会社の方針と自分の考えが相容れなくていらだちを覚え第二の人生を模索し始めた時でした。そして次の10年の間に両親との別れもあるかもしれないという不安もありました。

結局2010-2019の間に両親が亡くなり、私は今の仕事を始め、大きな災害が起き、世界がナショナリズム化する等々目まぐるしい変化がありました。

3冊目を書き始めて次のdecadeに思いをはせる際にまず考えたことは、「私はこの日記を書き終えることができるか?」です。1,2冊目の日記帳を書き始めるる時には全く頭をよぎることが無かった概念です。

そろそろ自分の人生の集大成の年代です。(昔の人は30~40代でやるべきことを成し遂げていました。私はなんと未熟でだめな人間かと反省します。)日記帳に自分に恥じない内容を書き続けられるように、毎日を過ごしたいと思います。 

・・とは言ってもあまり肩が凝る生き方もできないのでいいかげん 良い加減で^^

JAXAのミニロケット

1月15日のミニロケット打ち上げが失敗したそうです。大変残念なことです。

失敗した事実が報道されてから書いても、「後だしジャンケン」のようで説得力がありませんがこの件について少し記述したいと思います。

昨年、ミニロケットの打ち上げコストを下げるためにスマホ用など民生用の部品を多用しているとの報道を見ました。その際「本当に民生用半導体で大丈夫?」という思いが頭をよぎりました。

そして1月15日に「通信が途絶えてしまった」というニュースを聞きました。やはり原因は民生用の半導体にある可能性が高いと思います。新聞などにもそのようなことを書いてあります。

私が会社勤めをしていた時の話です。私達が開発した業務用コンピュータを航空機内のシステムに使うプロジェクトがありました。システム・インテグレーター(SIer)がいくつかの業務用コンピューターを調達して機内で運用するシステムを作り航空会社に納品しました。もちろん飛行機の運航に関係するシステムでは無いので、民生用の製品でも使用可能でした。

システムのテスト運用が終わり本稼動が始まると色々とトラブルが発生しました。SIerだけでは解決できなかったので我々にもトラブル対策に参加して欲しいとの依頼が舞い込んで来ました。航空機内システムの計画の初期段階で我々の製品を使うシステムには反対しました。「絶対迷惑をかけない」という話をもらってシステムを構築するためのサポートを行っていました。そんな経緯があったのでトラブル解決には乗り気ではありませんでした。しかし、エンドユーザーに迷惑をかけるわけにいかないのでしぶしぶトラブル対応を行いました。

トラブルの内容は、機構的なこと、電源廻りに関することなど複数ありましたがその一つにデータ化けがありました。コンピュータのSRAM内部のデータが一部化けてしまいます。

データ化けの原因が色々考えられたので、試験をしてそれぞれの要因をつぶす作業を行いました。私は宇宙線によるソフトエラーでデータ化けが発生するのではないかと推測しました。宇宙線はα線、β線などの素粒子です。高度が高い航空機内では地表より宇宙線の量が多いので、これによってデータ化けが発生する可能性があります。私はデータ化けの現象から考えて宇宙線が原因の可能性が非常に高いと考えていました。

しかし当時、高度10,000m程度では宇宙線の量は地表とあまり変わらないというのが定説でした。そんなこともあり私が主張した宇宙線説は省みらませんでした。また宇宙線の影響を試験したくても試験装置がありません。納得はできないものの、データ化けは他の要因が原因であるということで幕引きになりました。その後、航空機内システムはデータを2重化するなどの対応によりデータ化け対策をしましたが、トラブルがあったためそれ以上普及せずフェードアウトしました。 結局、色々と振り回されて、その時設計していた製品の納期が遅れて、悪い思い出だけが残るプロジェクトでした。

その後しばらくして、高度10,000m程度でもソフトエラーが発生するというIBMの論文を見つけました。やっぱり、と一人ひそかに溜飲を下げたものです。

思い出話が長くなりましたが、ミニロケットについてはこの時の記憶が頭の中に蘇って来ました。

当時の半導体のプロセスは1ミクロン~0.8ミクロンくらいでした。現在スマホなどで使っている半導体は15nmとか25nmです。半導体はプロセスが微細になるほど誤動作しやすくなります。半導体にα線が衝突した時に与える影響は半導体の面積が小さいと相対的に大きくなります。プロセスの比率から考えれば今の半導体は当時の半導体より宇宙線の影響を2桁以上多く受ける筈です。

当時はα線がソフトエラーの主因だと考えられていたのでシリコン表面のポリイミド保護膜を厚くして対策していました。しかしプロセスが微細になるとβ線でも誤動作するかもしれません。β線を遮蔽することは非常に困難です。ミニロケットに厚い鉛のシールド箱を搭載するわけに行きませんし、今は鉛フリーの時代ですから。

ソフトエラーの対策は

(1) 古いプロセスを使って宇宙線の影響を減らす

(2) その上で、回路の冗長化(多数決、エラー訂正など)する 以外ないと思います。

民生用の半導体ではプロセスが微細過ぎますし冗長性が無いと思います。

ミニロケットの故障の原因調査の結果を見守りましょう。

ソニーの電池事業を売却

ソニーのリチウム電池事業を村田製作所に売却するというニュースを読みました。

私が会社に勤めていた時に業務用の携帯コンピュータの設計をしていたことがありました。1980年代はニッケルカドミウム(ニッカド)電池を使っていました。ニッカドはなかなか難しいデバイスで品質問題を起こしたことがありました。それ以降電池を使った電源の設計には非常に慎重になりました。

その後ニッカドよりも容量の多いニッケル水素電池が出荷され始めました。ニッケル水素電池の充放電管理はニッカドよりもさらにクリティカルで注意が必要です。その割には容量がニッカドの1.2倍程度なので設計者としてモチベーションが起きませんでした。

時を同じくしてリチウムイオン電池開発の情報が入って来ました。海のものとも山のものとわかりませんが非常に魅力的な仕様でした。ATバッテリが最初にサンプルを出しました。確かATバッテリの吉野さんという方がリチウムイオン電池の基本技術を開発したと思います。直接話を伺いました。

リチウムイオン電池の魅力は容量あたりの重量が軽いことで携帯コンピュータには非常にありがたいことです。また充電制御が比較的簡単です。ただリチウムというと発煙・発火などの心配があるので気になりましたが製品の競争力を高めるためにすぐさま検討・評価を始めました。

するとソニーからもリチウムイオン電池の紹介がありました。ATバッテリが基本技術を持っていると考えていたので当初は特許の問題など???でしたが打ち合わせを重ねるうちにソニーのリチウムイオンの可能性も膨らんで来ました。そしてソニーのハンディカムにリチウムイオンを使う予定との話を聞いて段々ソニーのリチウムイオンを使う意向を固めました。

基本技術ではATバッテリが先行していたと思いますがソニーはバッテリを使う最終製品を持っていたので先にバッテリの商品化に成功したと思います。それが私達がソニーのバッテリを採用すると決めた理由の中で大きなものです。

私達はハンディカム用に発売される前にバッテリパックの仕様とサンプルの提供を受けて検討しました。携帯コンピュータでは特別仕様が必要なのでカスタム品の提供を打診しました。すると非常に積極的に対応していただきあっという間にカスタム品のサンプルを提供してくれました。

リチウムイオン電池は初物なので私達はかなり大規模かつ慎重な評価を行いソニーと情報共有をしました。この情報はソニーにもかなり有用だったと思っています。そして従来のニッカドやニッケル水素を凌駕する満足すべき結果を得て商品化を行いました。

これはおそらくビデオカメラ以外の機器としては初めてリチウムイオン電池を使った製品だったと思います。軽さが重要な携帯コンピュータではそこそこ売れてロングセラーになりました。

これは私が会社に貢献した数えるしかない製品の一つです。

その当時はソニー・エナジーテックという会社でした。開発の方も営業の方もソニー出身で積極的で恐いもの知らずの感じでした。私も若かったので製品の競争力を高めようとしてお互いに共鳴してどんどんと進んだように思います。

20年以上も前のことです。