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チック・コリア & 小曽根真 Duo コンサート

5月18日、長野市芸術館にチック・コリアと小曽根真のDuoコンサートを聴きに行きました。

芸術館は5月8日に杮落としをしたばかり、ピカピカのブランニューなホールです。このホールは震災復興の影響で工数不足、東洋ゴムの免震装置の問題、そして設計ミスによって一部の席から舞台が見えないなどが原因で完成時期が1年以上遅れてしまいました。それでも今月無事オープンすることができました。

長野県内に良いホールが出来て良いコンサートが開催されるのは嬉しいことです。

チック・コリアと言えば私がJazzを聴き始めた頃、あの「Return To Forever」が発売されまさに溝が磨り減る程聴きました。それからも継続して注目しているピアニストです。一時期エレクトリックとアコースティックのアルバムを交互に出していましたが今はほぼアコースティックかなあと思います。(全部聴いていないのでわかりませんが、、)

小曽根真は何度かライブを聴いていますがあまりCDを持っていません。小曽根のスタイルは変幻自在ですが基本的にチック・コリアに似ていると思います。ビッグ・バンドを率いるなど才能溢れる演奏家だと思います。

小曽根と彼の師匠であるゲイリー・バートンとのDuoを聴きましたがそれはチック・コリアとゲイリー・バートンの演奏を彷彿とさせるものでした。二人ともバド・パウエル~ビル・エバンスから続くモダン・ジャズの主流の中に位置しています。今回のコンサートも小曽根=ゲイリー・バートンの共演と同じく師弟共演と言えると思います。

全ての演奏の曲名はわかりませんが、、以下のような演目でした。

  1. チックコリアのオリジナル?
  2. Bud Powell (アルバム Remembering Budの中の曲)
  3.  Someone to watch over me (スタンダード)
  4. Spanish Song (本日のために作った曲)
  5. Children Song No.20
  6. Mozart 2台のピアノのための協奏曲 (N響と競演 7月に放映予定)
  7. Mirror Mirror (ゲイリー・バートンとのLPの中の曲)
  8. Snap Shot (小曽根のオリジナル初演)
  9. Fantasy for two pianos ( チック・コリアのオリジナル)
  10. アンコール ?

感想です。

スリリングながらリラックスした演奏で、次から次へとメロディが沸き出て来ます。お互いに刺激しあいスパイラルアップしている感じです。どちらかがアドリブを弾くともう一方がコードを弾いてバックアップしますが単純なバックでは無く相手をインスパイアーします。お互いのキャッチボールが自由自在で聴いていて本当に楽しかったです。

そして2人の演奏が非常に似ていました。手を見ないとどちらが弾いているのかわかりません。もしかしたら小曽根がチックに合わせていたかもしれません。あるいはチックが小曽根を引き込んでいたということでしょうか?

ホールの響きが良いのかピアノを強打しなくてもクリアに力強く音が響いていました。(私の席は最後部でした)音響的に優れているホールだと感じました。

ただ家内は前の席の人が邪魔でステージが見えなかったと言ってました。改修した席かどうかわかりませんが視認性には問題があるかもしれません。

いずれにしても楽しい時間をすごすことができました。

会場でチックと小曽根のDuoのCDを販売していたので買いました。このCDは過去の二人の共演のコンピレーションでした。中にはゲイリー・バートンを含めた3人の共演もあり非常に興味深いものでした。Chick&Makoto

LPのディジタル化 ~ Wynton Kelly

私は仕事中にはいつもBGMを聞いています。時々ネットラジオを聴くこともありますがだいたいは音楽データをLinnのネットワークプレイヤーで再生しています。

CDはほぼRippingしてありますがLPのディジタル化はほとんどできていません。仕事しながらLPの音楽を聴きたいと思いますが手間がかかるしレコードが終わる度に仕事を中断しないとならないので普段は聴けません。そこで最近仕事の合間に少しずつLPをディジタル化しています。

最初はどうしても聞きたい定番のLPをディジタル化しました。その後アーティスト毎に集中してディジタル化しています。 Wes Montogomeryに続いて最も好きなギタリストのTal FarlowのLPをディジタル化しました。そしてこの2-3日でWynton KellyのLPを取り込みました。

Wyntonはリーダーアルバムも多いですがサイドメンとして参加したアルバムのほうがはるかに多いです。彼の演奏を全て聴くことはとてもできないですが今回は手持ちのLPの彼のリーダーアルバムを7枚ほど聴きました。仕事をしながらなので集中して聴いたわけではないですが、、、

その結果彼の私にとってのベスト演奏はやはり”Cannonball Adderley Quintet in Chicago” の “Stars Fell on Alabama”だと再確認しました。

ダウンロード

このアルバムは1959年の録音です。当時のマイルス・デイビスsextetからマイルスが抜けたメンバーによる録音です。 Stars Fell.. はテーマに続いてキャノンボールのソロが1コーラス。このソロも最高に乗りが良くしびれます。

続いてWyntonのソロが1コーラス続きます。彼のソロの前半は原曲のコード進行に忠実にオーソドックスな演奏ですが彼の代名詞でもある転がるようなソロが少しずつ出てきます。そして後半にはこの軽やかなソロが全開になります。そしてWynton(多分)の唸りが明確に聞えてきます。彼の唸り声が聞える演奏はあまり無いのではないでしょうか?

1コーラスの中に起承転結を見事に詰め込んだ素晴らしい演奏だと思います。

LPのディジタル化をしながら過去の記憶を再発見したり新しい気づきがあるので楽しいです。

LPをディジタル化する機材にはSound Blasterを使っています。これでも充分LPのたたずまいを記録してくれます。できればもっと良いCODECを購入したいと思います。

Silje

昨年の12月から歯医者に通っています。なさけないことに私は歯医者に行くのが非常に怖いです。でも行くしかない時もあります。そんな時には悲壮な決意を持って友人の歯科医院に行きます。

先日の治療の際「このCD、まちがえて2枚買っちゃったから上げます。」と友人の歯科医からSiljeのCDをもらいました。

418ARM6+0XL

初めて聞く歌手なのでどうかなと思いましたがすごく気に入りました。一聴して思ったのはRickie Lee Jonesのような感じだということ。そしてバックのミュージシャンが上手い。

歯医者さんに行ってよいアルバムを教えてもらってラッキー!歯医者に行くのも苦行ばかりでないですね。

でも歯医者さんがport of call = 行きつけの場所  になるのは遠慮したいです。まさか友人の歯科医がいつも来るようにという意味をこめてこのCDを私に呉れたのではないと思いますが、、、

Seljeは北欧ノルウェーの歌手ですが私はヨーロッパのミュージシャンをあまり知りません。私が時々お邪魔している「エオンタ」というJazz喫茶ではヨーロッパのJazzを聴かせてくれますがいつも「いいなあ」と思います。でも自分ではCDを買って聴くことがあまりないです。今回のSiljeや彼女のバックをやっているミュージシャンをたどればきっと良い音楽が聴けると思うので少し追っかけてみたいと思います。

このアルバムは2000年発売。もう15年も前。世の中には良いものが一杯あるのに知っているのはそのなかのごく僅か。人間の限界を感じます。