Linn NUMERIK用DACモジュール

スピーカー切替器の開発に着手する前、Linn NUMERIK用DACモジュールを試作した。

Linn NUMERIKとはLinnが初めてリリースしたCD PlayerのKARIKと組合わせて使用するDACである。KARIKおよびNUMERIKともいくつかのversionがある。NUMERIKに関してはDACチップがTIのPCM1702を搭載しスイッチング電源を使ったものが最終に近いversionだと思われる。

http://www.stereophile.com/cdplayers/930/index.html

古い製品であるが音質には定評がありいまだに手放せないDACである。

PCM1702がDIP28のドーターボードに実装されている。多分初期versionではDACチップとしてPCM63を使っていた。メインボードを変更せずに済ませるためドーターボードにPCM1702を実装したと思われる。DACチップをPCM1702からPCM1704に変更すれば音が良くなる筈だと考えた。

そこで試作したのがLinn NUMERIK用DACボード。下の写真の左がオリジナルのPCM1702搭載ボード。そして右がPCM1704ボード。

CIMG6507昨年評価した際にはPCM1702版に対してPCM1704版の音質の優位性が無く、色々と対策を行ったが結局商品化を見送った。

スピーカー切替器の製品化が一段落したので数日前から音質改善にもう一度取り組んだ。スピーカー切替器を開発している最中にふと思いついた対策案がありそれを試してみたところバッチリ!音質に艶と深みが出てオリジナルのPCM1702版と交換する価値があるものになった。商品化するためにはもう少しヒアリングテストが必要だが、なんとかなりそうだ。

PCM1704は残念ながら製造中止になり今は流通在庫しかない。この石は製造工程でDACのトリミングをする必要があり今の効率優先の時代にはそぐわないのであろう。現在のDACはΔΣとマルチビットを組合わせている。ΔΣではトリミングが不要なので製造工程からトリミングを追放できる。PCM1704は市場での評価が高いこともあり価格が上昇している。古き良き時代の銘石PCM1704を使ったNUMERIK用DACモジュールをわずかな数量ではあるが商品化したいと思う。

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