最後の詰め

販売開始に向けて最後の詰めを行っている。

1. エージング

エージングは時間がある限り行っている。工業製品の故障率は初期故障が多くその後故障率が低下して寿命末期に増加する。時間を横軸にして故障率を見ると浴槽の形に似ているのでバスタブ曲線と言われている。できるだけ初期故障をリジェクトしてお客様にお届けしたいので二回目のエージングを行っている。この段階で不具合が出ると困るが出るとそれはそれで良かったことになる。

2. PSEの適合確認

日本国内で電気製品を販売するためには経済産業省が定めている電気用品の技術基準に適合する必要がある。これに適合するように設計しているが最後にもう一度確認のためにチェックを行っている。この試験の中で一番面倒なのが所謂オープン/ショート試験だ。製品に使用している部品がショートしたりオープンになった場合に発煙・発火しないか実際に試験しないとならない。ショート試験は問題ない。電源とグランドがショートしても電源の保護回路により保護されるので発煙・発火はもとより部品の破壊はまず無い。しかしオープン試験はそうは行かない。電源の電圧を決める抵抗のうち帰還側がオープンになると電源の出力電圧=入力電圧になってしまうのでこの電源系に接続されているデバイスの最大定格を超えてしまい壊れることがある。この試験では発煙・発火はないので私から言わせると不毛の試験だ。この試験のために基板を1枚は無駄にする覚悟でやっているが、オープンにする場所の順番をうまく考えないと1枚ではすまない。適切な順番でやるとか部品の破壊のリスクのある試験は一緒にやるとかして被害を最小限に収める必要がある。今回は無事試験を終えて1枚の基板を壊しました、、、

3. 梱包

できるだけ安く上げようと思い検討したがあまり安くならないことが分かり発注した。来週には梱包材が入荷する予定。私も通販でいろんな製品を購入するが梱包は様々。これでいいの?という梱包も多い。そこまでは梱包を簡素化できない。資金に余裕があれば梱包落下試験など実施できるが、残念ながらできないので安全側に考えて梱包にコストをかけることにした。

4. 運送契約

これはなかなか進まない。手続きを進めるたびに問題がありまだ契約ができていない。それでも一歩ずつ契約完了に向かっている。普通なら2-3日で終わることなのに。。日本の企業でもこういうことがあるんだと少し驚いている。それでも契約に時間がかかっているのでその間にエージングできるので良かった。

そんなこんなの作業を一所懸命続けています。

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