”日本はもの作りで強みを発揮しなければならない”とか”3Dプリンターで誰でももの作りができるようになる”とか製造業に関する情報が飛び交っている。
3Dプリンターだけでなくこの数年でもの作りをしやすい環境が整ってきた。例えば
・使い物になるCADが安くあるいは無償で入手できる
・測定器が安く手に入る、またPCとフリーソフトで様々な測定ができる
・ネットで各種アウトソーシングのサービスを利用できる
もし10-20年前に同じ環境を揃えようとしたら400-500万円以上必要だったと思う。今だから製造業を始められた。これからも製造業を後押しするサービスや製品が次々と出て来るだろうしそれらに期待したい。
しかし考えてみれば各種製品やサービスが安くなり誰でも製造できるようになったので製造業が苦しんでいる。このように光の部分もあれば影の部分もある。どっちにしても環境の変化を巻き戻すことはできないので、この環境の変化を味方につけてやっていくしかない。
私など古い世代で従来の製造業と同じ感覚で製造を行っているが、若い世代ではもっと大胆な発想でツールやリソースを活用してもの作りをできる環境になっていると思う。私ももっとスピーディーに良い製品を作れるように勉強しないといけないと思う。
一方でもの作りの基本である品質管理、信頼性、安全性などがきちんと実現できないといけない。最近の”誰でもメーカー”の流れの中では製造業の基本的な部分が軽視されていないかと心配だ。日本の製造業のレベルアップをするために製造業の基本がそれぞれの起業家にしっかりと伝承できる仕組みがあればいいと思う。一方で誰でも高品質の製造ができるシステムができてしまうと差別化できなくて困ると考えているもう一人の自分がいる。
世の中そう簡単ではない。