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Voces8

12月21日 Voces8というコーラスグループの演奏会に行って来ました。

イギリスの、8名のアカペラ・コーラス・グループです。クリスマスにちなんだ曲を歌いました。一部は古典的な曲、二部は比較的新しい曲でした。ものすごく綺麗で、天国からの声か?と思うような演奏でした。ぞれぞれの曲の終わりの瞬間、ハーモニーを保ちながら綺麗に音が消えていく様子が非常にすばらしく、身震いしました。

この日は私の誕生日でした。家内がチケットをプレゼントしてくれて、Voces8が私を祝ってくれたような素敵な夜になりました。

At last

設計を始めてから足掛け3年が過ぎましたが、漸くパワーアンプの設計が完了しました。

(仕事 遅い~!!!)

部品の手配をし、ほとんどが入荷しました。

基板に部品を実装する前に、ケースに基板と部品が問題なく取り付けられるか確認しました。

問題なし、OK! ケース設計は本職でないので心配していましたが一安心です。

これから基板への部品実装と動作確認。そしてアンプの性能を左右する制御ソフトの開発と、まだまだ山も谷もあります。

仮組した写真を掲載します。

フロント側の写真

リアパネル

 

サイズ感がわかるようにプリアンプを乗せてみました。

まだ先は長いですが、ひとつマイルストーンを通過しました。

SME3009S2 修理

様々な理由と、私の仕事の遅さによって、パワーアンプの設計に時間がかかっています。

漸く、回路設計が終わってケースと基板の設計に入りました。事前にレイアウトや基板間の配線について検討し、基板の分割を行っていますが、それでも変更の繰り返しが続きます。できるだけ速く試作を開始したいと思います。

レコードプレイヤーのアームとしてSME 3009シリーズ2を使っていますが経年変化による劣化が起きていました。下の写真のようにカウンターウェイトから右にサブウェイトが出ています。SMEのアームではサブウェイトを前後に移動して針圧を調整します。またサブウェイトの左右の位置を変えてラテラルバランスの調整をします。トーンアームの軸上にあるウェイトをメインウェイト、右にあるサブウェイトをライダーウェイトと呼ぶそうです。メインウェイトを取り付けてある軸はラバーによりアームと結合していますが、ラバーが劣化してメインウェイトを固定している軸が回転してサブウェイトが下がってしまいます。これではアームは正常に動作しません。

今まで応急処置をしていましたが、いよいよ限界なので以下の販売店からラバーを購入しました。

http://www.soundheights.co.jp/

在庫が無く、納期は約1ヶ月でした。

アームからメインウェイトを固定している軸をはずした状態です。後ろに見えるのがはずした軸です。アームの内側に古くなったラバーのカスが残っているので綺麗に取り除かないと新しいラバーがスムースに入りません。軸の中にあるカスも綺麗に除去しないとなりません。この作業が非常に大変でした。

購入したラバーをアームに取り付けた様子です。アームとラバーをアロンアルファで接着します。2つのラバーのうち前方のラバーは、ラバーに接着剤を塗布した後アーム挿入します。挿入途中で接着されてしまうと困るので接着剤を塗布する前に数回ラバーの出し入れをして慣らします。接着剤を塗布した後、一気にラバーを挿入します。

前方のラバーと軸を接着して完成です。

なぜカウンターウェイトをアーム本体とラバーを介して結合しているのか? リジッドな結合ではだめなのか? サブウェイトの微小な上下動がナイフエッジを通してカートリッジの針先に伝わることを防いでいると思いますが、ラバーの特性により却って悪影響があるかもしれません。本当にアナログな世界だと思いました。

アーム修理後の音だしは明日の予定です、、、

【2018/5/13追記】

音出しをしてみました。下のようにイコライザにはMarantz #7を使用。ラインアンプはソフィソナント製です。

アームが使えなくなってから修理するまで、3ヶ月以上経っていますし、イコライザはアームの修理前と違うので音の違いはわかりません。しかし、トレースは以前より安定しました。

丁度LPをかけている最中、地震警報が鳴り、家が揺れました。私の住んでいる松本は震度3でしたが、体感的には震度2~3程度だと思います。このときはさすがに針飛びしました。

Akurate DS(但し中古)購入

昨年のことですが、Akurate DSを購入しました。

Akurate DS/K です。ライントランス内蔵の日本仕様と思ったら、UK仕様品でした。ちょっとがっかりしましたが、将来外付けトランスを追加して音の違いを確認できるのでよしとしました。

私は2008年にSneaky Music DSを購入し、その後ずっと愛用して来ました。Sneakyより上位機種がありましたが、上位機種はライン出力のみの完結したシステムでした。一方SneakyはS/PDIF出力があるので外付けDACにより発展性があり、使用するDAC次第では上位機種を凌駕できると思って購入しました。

その後10年近くほぼ毎日愛用し、無くてはならない装置です。音質は悪くは無いがすごく良いわけではないです。ハイレゾソースとCDクオリティの音質の差があまりわからないなあと思っていました。

その後、知人から情報をいただきSneakeyでは44.1kHz系と48kHz系それぞれの発振器を搭載せず100MHzから2系統のクロックを作っていることがわかりました。これが音質を悪くしていることは明らかです。発振器をひとつ減らしてもわずか数100円しかコストが減らないので、音質のヒエラルキーを作るために行ったのではないかと勘ぐりたくなります。

そこで、Sneakyに外付けDACを接続して使っていましたが、仕事中にBGMとして使用する場合などはSneaky単体使用することもありました。

Akurateは、Sneakyに比べてSN比が高く、音が滑らかでです。音の出る時、消える時の雰囲気がよくわかります。Sneakyは悪い音ではないですが、粗い感じの音です。ALTECのスピーカーのような音ともいえます。この粗い感じが良い方向に作用するソースがあることも事実ですが、、

Akurate DS/KはSneakyより2階級上で、1世代後の製品なので当然です。そして上記のようにSneakyは音質をディグレードしているので納得できてしまいます。

今回、Sneaky+DAC と Akurateの音を比較しました。

Sneaky連合軍は、Sneaky、キット屋 SV-192S そしてMUTEC MC-3です。SV-192Sはサンプル・レート・コンバータ(SRC)を搭載しているのでSneakyの意図的なジッタを除去できます。そしてクロック源MC-3を使うことで音質が向上します。SV-192SがAkurateのDACと比較してどうかという問題は残りますが、クロックジッタの影響はかなり軽減される筈なので興味深い比較です。

音源としてLinn Records の 96/24、192/24等のいわゆるハイレゾ音源を使用しました。

AkurateとSneakyで同じソースを同時に再生し、切り替えながら試聴します。切り替えながら聴くほうが比較がやりやすく、要する時間が短縮できるので楽です。

Sneaky連合軍ではいくつかの設定の選択肢があります。SRCの設定を変えればさらに組み合わせが増えますが、今回はハイレゾ音源なのでSRCの倍率はX1固定にしました。何通りもある組み合わせから以下の3通りを選んで比較しました。

設定1:S/PDIFからクロックを抽出して使用する

Sneaky単体の時と似た音がします。しかし、音の粗さが多少緩和した印象を受けます。SV-192はライン出力に真空管とトランスが入っているので音が滑らかになっているかもしれません。DACはS/PDIFからクロックを抽出するので元のジッタ残りますが、内部のPLLでジッタが多少軽減すると思います。この比較で、SneakyのDACとSV-192のDACの差がある程度推測できますがジッタ特性も変化するのでDACのみの差ではないと思います。

設定2:DAC内蔵クロックを使用する

設定1に比べて音の粗さが減りました。Akurateの音に近づいています。しかしAkurateのほうがS/N比が良く、分解能が高く感じます。 この設定ではSneakyのジッタが内部クロックによるリサンプリングでほぼ無くなるはずです。DACの音質差が聞こえると考えられます。

設定3:MUTECからクロックを供給する

Akurateとの差がわからなくなりました。SN感や肌触りの良さではAkurateのほうが優れていますが、ブラインドで聴いてどちらが鳴っているか言い当てる自信がありません。連合軍はかなり頑張っています。ちなみにMC-3からWordクロックを供給しています。10MHzを供給するシステムより低コストで高音質を得やすいと思います。

Sneakyでも外部に上質なDACを接続して適切にクロックの分離を行えば、上級機の音質に迫ることがわかりました。Sneaky購入時の考え(自分を納得させるためのこじつけ?)が正しかったことを、Akurateとの比較を通して確認することができました。SV-192Sより高音質のDACを使えばAkurateを超えることも可能かもしれません。しかしコストを考えると連合軍の構成は良いバランスだと思います。

最近は、Linn DSのような構成のネットワークプレイヤーだけでなく、DACを搭載しないネットワークプレイヤー あるいは NASからS/PDIFやUSBで信号を出力するプレイヤーなどバリエーションが増えています。それぞれ一長一短ありますが、ユーザに都合のよいシステムを構成するための選択肢が増えるのは良いことだと思います。

考えてみるとLinnは10年前にネットワークプレイヤーの形態の多様化を見越した製品を意図してかどうかわかりませんが、準備していました。買いかぶりかもしれませんが、たいしたものです。

これからもSneakyをDACなしネットワークプレイヤーとして十分活用したいと思います。

 

PCの買い替え

今まで使っていたPCを購入したのは、2011年のこと。それ以来毎日使ってましたが最近調子が悪くなりました。SSDの不調かと思いましたが、診断ソフトによると問題ありません。しかし不安なのでPCを交換することにした。

私はかつてPCについてかなり詳しかったですが、今は購入するPCを決めるのも難しいです。CeleronとCoreiシリーズでどの程度性能が異なるのか?Corei3、5と7でどれだけ違うのか?私の使っているアプリがマルチコアによって速くなるのか?DRAMの容量はどの程度必要か?

また、数年前と比べてPCの価格が倍近くになっていることも驚きです。OSやアプリに必要なハードウェアへの要求が高くなったことも原因だと思いますが、今まではハードのコストダウンがそれを吸収していました。

むしろスマホなどのモバイル機器がメインになり、PCの生産量が頭打ちになったので、PCのコストが上昇したことが原因だと思います。

PCの買い替えに備えて、ソフトウェアの移行の準備を始めました。しかしライセンスがどうなっているか記憶が定かでなくて整理するのに多いに苦労しました。それでもソフトの移行のためのリストを作りPCの到着をまちました。

PCが来てからアプリをインストールした後でも、アプリ毎にデータの移行方法が異なり大変です。アプリによっては、データを新PCにコピーするだけ良いのに、別のアプリでは旧ソフトでデータをExportしてから新PCでImportする必要がある。別のソフトではライセンスを返上してからでないと移行できない、などなど。

最も苦労したのは、マイコンの開発用ソフトです。私はNXPのマイコンを使っています。新PCに開発環境をインストールしようとするとダウンロードページが見つかりません。

NXPがFreesclaeを買収して、両者のマイコンを統合した開発環境になったそうですが知りませんでした。新しい開発環境も良いかもしれませんが、PCと開発環境の双方が変わると不安です。なんとか従来のNXPの開発環境をダウンロードできるページを見つけてダウンロードしました。ソフトウェアのライセンスも従来はCodeRed社だったものが今は変わっています。インストールだけはしましたが、正常にビルドできるかまだ確かめていません。

それにしても、最近の半導体会社の分社化、買収、合弁などはすごい勢いで行われています。NXPはもとフィリップスでした。NXPが買収したFreescaleはモトローラから分かれた会社です。モトローラのディクリート製品はONセミコンダーになりました。オーディオに適したトランジスターを製造していた三洋は、モトローラに買収され製品の一部は今でもONセミコンダーが供給しています。ちなみに、NXPが製造していたディスクリート系は中国の会社に売却しNexpreaとなっています。オーディオでは非常に重要なディスクリートデバイスを供給している東芝もどうなるか心配です。

上記は実際に使用している半導体を供給している会社に関することですが、半導体業界全体ではどのような変化があるかをすべて把握できないほど大きな変化があります。

そう言えば、私が大学時代に半導体興亡物語という講談調の話を作って飲み会の時に語っていました。それはベル研究所でショックレー博士がトランジスタを発明してからインテルができるまでの話で、1950年から1970年台のできごとでした。詳細な内容は忘れてしまいましたが、その時でさえ企業の栄枯盛衰は非常に激しかったことを思い出します。今はそれをはるかに上回る状況です。

必要な部品は調達できるときに調達しておく。リピート生産はできたらラッキーくらいに考えておかないとならない世の中です、、、

 

瞬く間に、夏が過ぎ

前回のブログ更新から、かなり時間が経ってしまいました。

またダイレクト・トランスファーCDの8月以降の新譜の紹介も滞っていました。

申し訳ありませんでした。

7月22日に父が急逝し、葬儀、四十九日法要などの宗教的な行事、死亡や相続に関する手続き、そして実家の片付けなどなど、やることが満載でした。そのためソフィソナント・オーディオの業務を約2ヶ月間完全にストップしました。会社勤めなら不可能ですが、自営業の特権です。

特に実家の片付けが大変です。何年も前から、父に家の整理をしようと言っても聞いてくれませんでした。戦争時代をすごした人は、物が無い恐怖を経験しているので、物が捨てられないそうです。父もその年代です。父の生前、私や家内がなにか捨てようとすると、父が監視していて「捨てるな」と言われました。

父が亡くなってから家の片付けを始めました。何故、こんなものまで捨てずにいたのか? 驚愕せずに居られません。日々、父の遺影を見ながら、恨みました。軽トラで何十回も、市のクリーン・センターに”ゴミ”を捨てに行きました。職員の方と顔見知りになってしまいました。それでも、顔パスでは通してくれませんでした。堅いです。

実家の片付けの8~9割終わったと思います。事務処理は相続の手続きを残すのみです。

やっと、先週から仕事に復帰しました。仕事がストップする前、設計について解決できずに悩んでいたことが、再開後いとも簡単に解決してしまいました。中断は効率を下げますが、時には良い効果もあるようです。ただ、何について悩んでいたか思い出すまで時間がかかりましたが、、、

実家の整理をしながら、再認識しました。

死んだらお墓には、何も持って行けません。人生の終わりに向けて、少しずつ、物を減らす必要があります。死ぬときは、一つのスーツケースだけで往く。それが理想です。数年前からそう思っていましたが、さらに思いを強くしました。まだまだ時間があると思っていると、あっと言う間に時間が過ぎてしまいます。行動に移したいと思います。

ということで、スピーカー切替器の在庫一層セールを行います。在庫分を安くお分けしたいと思います。

別途 お知らせしますが 以下ようにしたいと考えています。

スピーカー切替器 基本セット 40%オフ 64,800円(消費税込)

スピーカー切替器 追加セット 40%オフ 29,160円(消費税込)

なお、基本セット購入された方には追加セッットの価格をさらに安くさせていただきます。

 

サイドプレススタンド導入

久々のブログ更新です。

少し前まで暖かい日があると思えば寒い日があり、朝には暖房が必要な日がありました。しかしこの数日は急に暑くなり、松本では4日連続して真夏日でした。5月では初めてのことだそうです。

日本には四季がありますが、暑い時期と寒い時期がほとんどで、すごしやすい時期は非常に少ないと思っています。今年はその典型的な例だと思います。

私の試聴室では、6組のスピーカーを使っています。そのうち3組を主に使っています。スピーカー切替器を販売しているので、その長期信頼性試験も兼ねて6組のスピーカーを設置しています。

6組ものスピーカーがあると、全てのスピーカーをベストな状態で鳴らすことは難しいです。全てのスピーカーを理想的な場所に配置することができないからです。さらにスピーカーの能力を最大限発揮させるためには、使用しているスピーカーだけ部屋に置くべきだという話を聞きます。使っていないスピーカーがレゾネータとして作用して部屋の音響特性に影響を与えるためでしょう。それを言い出すとステレオでは左右のスピーカーが相互に影響するので、ステレオを否定することになってしまいます。

それでも、各スピーカーの特長を生かすために、スピーカーの配置を変更したり、スタンドを作ったりしています。これはこれで面白い作業ですが、出口の見えない作業です。(まるで日銀の金融緩和のようなもの??)

6組のスピーカーの中の一つがProAcのStudio100です。これを購入する前に試聴しましたが、比較したソナスファベール(型番は忘れました)より空間再現力が優れていて一瞬で気に入りました。しかし、購入後は試聴の時のような音を出せず、レイアウト変更を行っても改善しませんでした。

試聴の時には、超重量級のスタンドに粘着性のラバーでスピーカーを固定していました。今のスタンドはそれには遠く及びません。実力を発揮できない原因は、スピーカースタンドしかないと思うようになりました。

ProAc用スタンドの候補としては、超重量級のスタンドが考えられますが、我が家と購入したオーディオショップの建物の構造の違い(我が家は木造で2階に設置、ショップは石作り建物の半地下)を考えるとスタンドだけ真似ても同じ結果が得られるとは思えません。

一方で、現在ProAcを乗せているスタンドでは地震があれば簡単に落下してしまいます。我が家の近くには、有名な牛伏寺断層をはじめとして幾つもの活断層があるので、いずれ地震が起きる可能性が高いと思います。音質と地震対策の両面でProAc用スタンドの導入をずっと考えていました。

ファミリーアーツピュアサウンドさん(以下FAPS)のサイドプレススピーカースタンドのことは、数年前から気になっていました。構造から考えて、音が悪いはずが無いと直感しました。しかし価格が高く購入に踏み切れませんでした。

今回は、地震対策の意味もあり思い切ってスピーカースタンドを購入することにしました。重量級スタンドの選択肢もありますが、一度はサイドプレススタンドを試してみたいので、FAPSさんのサイトを見ました。マエストロというスタンドが在庫限り(1セット!)特価をみつけました。特価でもかなり高価なので迷いました。1セットだけ残っている時に、購入を思い立ったのも何かの縁だと考えて1週間後に在庫を確認しました。幸い在庫があったので注文しました。ゴールデンウイーク前に、スタンドが届きました。この間にも、FAPSの志賀様から様々な役に立つ情報を頂きました。

 

 

使用の感想です。FAPSさんのサイトにも掲載されています。変化が大きい順番に書いています。①と②の度合いはほぼ同じです。

① 音のイメージが変わった

ProAcの音は、暗くて、くすんだ感じです。英国のスピーカーなので、そんなものかとも思っています。でも、購入前の試聴では英国らしからぬ音がしていた記憶があります。(イタリアのスピーカーに勝ったので)サイドプレススタンドを使うと、音がより明るくなりました。英国スピーカーの良さを残しつつ、適度に開放的になりました。

② 瞬発力が改善

従来は、音の出方が多少まったりしていて、破裂音のような音を上品に鳴らしていました。悪く言えば鈍重に再生していました。それが、シンバルの音など、ホーン型のスピーカーに近い感じになりました。

③ 低音の量感が増した

意外なことに低音の量感が増えました。サイドプレススタンドはスピーカーを自由空間に浮かべるような構造なので、床や壁の影響による低域の盛り上がりが減ると思っていました。しかし、低域の量感が増えました。

④ 音場感が豊かになった

前後、上下の音場感が豊になりました。また音が出始める前や、消え行く瞬間の佇まいが今までより感じられるようになりました。

おそらく①~③はスピーカーの支点が明確になったためだと思います。スピーカーのコーン紙やドームが動く際にスピーカー全体が反作用で動いてしまいます。その動きが、少なくなったのではないかと思います。

④については、スピーカーを自由空間に浮かべることにより、音場再現性が向上したと思います。しかし、複数のスピーカーを設置しているので制約があります。1セットのみ設置すればさらに豊かな音場感が得られると思います、、、

スピーカースタンドの違いを比較するのは、結構面倒です。サイドプレススタンドは、スピーカーの取り付け/取り外しに時間がかかり、瞬時に音の差を比べることができません。FAPSの志賀様もコメントで、非常に手間がかかる作業だと言っています。

私は、スピーカー切り替え器を使い、他のスピーカーとの相対的な差をもとに比較しました。ProAcと他のスピーカーの音の差が、私の頭に入っています。その記憶と、スタンド導入後の音の差を比較することによって、スタンドの差が比較的容易にわかりました。

相対的な差を使って、音質評価をすることができることがわかりました。これは私にとっては、重要で面白い発見です。今後も様々な音質評価に使えると思います。

FAPSさんのサイトを見ると、床とスタンドの間の介在物をできるだけ減らすのが良いと書いてありました。導入後、FAPSの志賀様にお尋ねしたところ同様のアドバイスをいただきました。

そこで昨日、スタンドの設置方法の音質評価を行いました。我が家はコンパネの上にカーペットを敷いてあります。購入した直後は、カーペット上に18mm厚のパイン集成材を敷き、その上に黒檀のスパイク受けを介してスタンドを置きました。カーペットにスパイクで穴を開けたくないからです。この状態で20日ほど聞いていました。上記感想はこの状態でのものです。

今回の評価では、最初にスタンドを直接カーペット上に置きました。スパイク足がカーペットを貫通して、下のコンパネに届くように、スパイクのネジを調整してガタをなくしました。音の重心が下がり、安定度が増した感じです。低音が豊になりました。パイン集成材+黒檀よりも歪が減ったような印象です。

続いて、パイン集成材の上にスタンドを直接置きました。音質は、カーペット直置きと同じです。よってパイン集成材に直置きで暫く使おうと思います。

スタンドのスパイクが、カーペット下のコンパネに確実に接触すれば、結果は違うかもしれません。スパイクとコンパネの間にはカーペットの繊維があり、4本のスパイク毎に接触の程度が違うと思います。一方、カーペット上のパインは、カーペットの影響で床とリジットに結合しません。しかしスパイクとパインがリジットに結合します。両者の利害得失がほぼ相殺されたような気がします。

サイドプレススタンドの導入でProAcの音が良くなりました。ProAcを使って音楽を聴く比率が増えました。ProAcの音をベンチマークにして、他のスピーカーの音質改善も進めて行きたいと思います。

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

本年が皆様にとって良い年になるようお祈り申し上げます。

2017年になって早くも10日近く過ぎてしまいました。もはや新年の挨拶の時期ではなく寒中見舞いの時期です。まことに時節を逸した挨拶申し訳ありません。

昨年10月に身内が事故に遭ってしまいました。ほぼ同時期に一人暮らしの親の体が弱って来ました。それらの面倒を見るのに時間が取られています。大変ですが生まれてから就職するまで(それ以降も)面倒を見てくれて、様々な迷惑をかけて来た親ですから恩返しするのは今でしょ!という気持ちです。私が会社勤めならほとんどを家内に押し付けてしまったと思います。しかし今の仕事は時間に融通がきくので家内と分担して対応しています。家内も非常に大変だと思いますのでこれからも協力しながらやって行こうと思います。

そうこうするうちに(オーディオとは全く関係ない)副業の成果物を販売したらどうかという話をもらいました。その商品化の検討を昨年末から始めました。今は商品価値があるかの評価をモニタの方にお願いして開始したところです。

そんなわけで本業であるパワーアンプの設計が止まっている状況です。しかし今年の前半には試作品を作りたいと思い時間を見つけて作業を進めています。

暦によると私は今年「八方塞がり」だそうです。私は年周りなどほとんど気にしません。若い頃なら「なんだ八宝菜かい?上等じゃねえか!」と言って一笑に付すところですが多少は歳を重ねて成長しています。様々なことに注意を払いつつ謙虚に過ごそうと思います。

長野市芸術館

先日のブログでチック・コリアと小曽根真のコンサートについて書きました。そこで長野市芸術館のことにも少々触れました。

今日の朝日新聞の記事に長野市芸術館のことについて書いてありました。その記事を引用しながら少し感想を述べたいと思います。

記事の要約は

  • 長野市芸術館には舞台が見えない席(見切れ席)があり設計事務所がミスを認め改修費用を負担
  • 音楽の本場欧州のホールには見切れ席があるのが普通。若者が安く座れるので歓迎されている。
  • 日本は見えることを重視している。
  • 欧州の現状に倣う必要は無く見えることが大事という意見がある。

論調として欧州でも見えないことがあるので日本でもあまりうるさくする必要が無いのでは?日本人は音楽を聴覚だけで鑑賞できず見ることを求めているのでは?と感じられます。欧州で見切り席があるのは当時の建築の限界(建築強度など)によるもので意図して作ったものではないでしょう。その結果格安の席として提供せざるをえなかったと思います。

現代のホール設計では建築技術、事前のシミュレーションなどにより見切り席が無いことが常識だと思います。またホールでは音楽だけでなく演劇やオペラなども上演されるでしょう。上記記事は工学の問題を芸術の問題に摩り替えているような気がするのは私だけでしょうか?

チック・コリア & 小曽根真 Duo コンサート

5月18日、長野市芸術館にチック・コリアと小曽根真のDuoコンサートを聴きに行きました。

芸術館は5月8日に杮落としをしたばかり、ピカピカのブランニューなホールです。このホールは震災復興の影響で工数不足、東洋ゴムの免震装置の問題、そして設計ミスによって一部の席から舞台が見えないなどが原因で完成時期が1年以上遅れてしまいました。それでも今月無事オープンすることができました。

長野県内に良いホールが出来て良いコンサートが開催されるのは嬉しいことです。

チック・コリアと言えば私がJazzを聴き始めた頃、あの「Return To Forever」が発売されまさに溝が磨り減る程聴きました。それからも継続して注目しているピアニストです。一時期エレクトリックとアコースティックのアルバムを交互に出していましたが今はほぼアコースティックかなあと思います。(全部聴いていないのでわかりませんが、、)

小曽根真は何度かライブを聴いていますがあまりCDを持っていません。小曽根のスタイルは変幻自在ですが基本的にチック・コリアに似ていると思います。ビッグ・バンドを率いるなど才能溢れる演奏家だと思います。

小曽根と彼の師匠であるゲイリー・バートンとのDuoを聴きましたがそれはチック・コリアとゲイリー・バートンの演奏を彷彿とさせるものでした。二人ともバド・パウエル~ビル・エバンスから続くモダン・ジャズの主流の中に位置しています。今回のコンサートも小曽根=ゲイリー・バートンの共演と同じく師弟共演と言えると思います。

全ての演奏の曲名はわかりませんが、、以下のような演目でした。

  1. チックコリアのオリジナル?
  2. Bud Powell (アルバム Remembering Budの中の曲)
  3.  Someone to watch over me (スタンダード)
  4. Spanish Song (本日のために作った曲)
  5. Children Song No.20
  6. Mozart 2台のピアノのための協奏曲 (N響と競演 7月に放映予定)
  7. Mirror Mirror (ゲイリー・バートンとのLPの中の曲)
  8. Snap Shot (小曽根のオリジナル初演)
  9. Fantasy for two pianos ( チック・コリアのオリジナル)
  10. アンコール ?

感想です。

スリリングながらリラックスした演奏で、次から次へとメロディが沸き出て来ます。お互いに刺激しあいスパイラルアップしている感じです。どちらかがアドリブを弾くともう一方がコードを弾いてバックアップしますが単純なバックでは無く相手をインスパイアーします。お互いのキャッチボールが自由自在で聴いていて本当に楽しかったです。

そして2人の演奏が非常に似ていました。手を見ないとどちらが弾いているのかわかりません。もしかしたら小曽根がチックに合わせていたかもしれません。あるいはチックが小曽根を引き込んでいたということでしょうか?

ホールの響きが良いのかピアノを強打しなくてもクリアに力強く音が響いていました。(私の席は最後部でした)音響的に優れているホールだと感じました。

ただ家内は前の席の人が邪魔でステージが見えなかったと言ってました。改修した席かどうかわかりませんが視認性には問題があるかもしれません。

いずれにしても楽しい時間をすごすことができました。

会場でチックと小曽根のDuoのCDを販売していたので買いました。このCDは過去の二人の共演のコンピレーションでした。中にはゲイリー・バートンを含めた3人の共演もあり非常に興味深いものでした。Chick&Makoto