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DP-3000

私事が多忙になり仕事が進みません。こまったことです。

MJ12月号にDP-3000の駆動アンプの記事が載っています。私も40年ほど前にバイトで稼いだお金でDP-3000を購入し自分で箱を作ってプレイヤーを作りました。これは今でも保有しています。しかし20年ほど前から回転が不安定になりました。なんとかしたいと思って10年ほど前にDP-3000の駆動回路をトレースしてみました。

回路を解析したところ以下のような動作です。

(1)プラッターに記録されている磁気信号を増幅し検波する。

(2)検波出力を積分する。

(3)積分出力と基準電圧を差動アンプに入力する。

(4)差動アンプの出力でインダクションモーターを駆動する。

つまり回転数が上がると検波出力が増えるのでモータードライブ電圧を下げて回転数を減らす、回転数が下がると検波出力が低くなりモータードライブ電圧を上げる動作をするというフィードバック制御です。インダクションモーターは駆動する電圧によりトルクが変化するので電圧が高いほと回転数が早くなるようです。

上記の動作は速度制御です。しかし回転が安定しないので水晶発振器との位相制御を加えようと考えました。私は電子工学系なのでモーターの知識がほとんどありません。インダクションモーターを含む制御系の解析は結構面倒だなあ、、、など思っている間に10年以上過ぎてしまいました。

そうしたらMJに記事が載っていたので「先を越された!」とちょっと悔しい思いをしています。

DP-3000のプレイヤーに載せたアームをもう一度使ってみたいのでMJの記事を参考にして復活を考えてみようと思います。

手持ちのDP=3000のモーターもしくはプラッターの磁気記録に問題があるかもしれないと恐れています。先ずは位相制御を加えると回転が安定するか簡単に確認してみたいと思いました。

LPのディジタル化 ~ Wynton Kelly

私は仕事中にはいつもBGMを聞いています。時々ネットラジオを聴くこともありますがだいたいは音楽データをLinnのネットワークプレイヤーで再生しています。

CDはほぼRippingしてありますがLPのディジタル化はほとんどできていません。仕事しながらLPの音楽を聴きたいと思いますが手間がかかるしレコードが終わる度に仕事を中断しないとならないので普段は聴けません。そこで最近仕事の合間に少しずつLPをディジタル化しています。

最初はどうしても聞きたい定番のLPをディジタル化しました。その後アーティスト毎に集中してディジタル化しています。 Wes Montogomeryに続いて最も好きなギタリストのTal FarlowのLPをディジタル化しました。そしてこの2-3日でWynton KellyのLPを取り込みました。

Wyntonはリーダーアルバムも多いですがサイドメンとして参加したアルバムのほうがはるかに多いです。彼の演奏を全て聴くことはとてもできないですが今回は手持ちのLPの彼のリーダーアルバムを7枚ほど聴きました。仕事をしながらなので集中して聴いたわけではないですが、、、

その結果彼の私にとってのベスト演奏はやはり”Cannonball Adderley Quintet in Chicago” の “Stars Fell on Alabama”だと再確認しました。

ダウンロード

このアルバムは1959年の録音です。当時のマイルル・デイビスsextetからマイルスが抜けたメンバーによる録音です。 Stars Fell.. はテーマに続いてキャノンボールのソロが1コーラス。このソロも最高に乗りが良くしびれます。

続いてWyntonのソロが1コーラス続きます。彼のソロの前半は原曲のコード進行に忠実にオーソドックスな演奏ですが彼の代名詞でもある転がるようなソロが少しずつ出てきます。そして後半にはこの軽やかなソロが全開になります。そしてWynton(多分)の唸りが明確に聞えてきます。彼の唸り声が聞える演奏はあまり無いのではないでしょうか?

1コーラスの中に起承転結を見事に詰め込んだ素晴らしい演奏だと思います。

LPのディジタル化をしながら過去の記憶を再発見したり新しい気づきがあるので楽しいです。

LPをディジタル化する機材にはSound Blasterを使っています。これでも充分LPのたたずまいを記録してくれます。できればもっと良いCODECを購入したいと思います。

LP-12(その2)

LP-12のVALHALLA電源を修理するついでに基板をプレイヤーの筐体から外に出すことにしました。

あまり費用をかけるのは勿体ないので写真のようにしました。

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・絶縁トランスを入れてトランスレスの解消 & 駆動電圧を10%程度下げる

・電源スイッチを搭載

・LP-12とXLRコネクタで接続

結果として音が非常によくなりました。(予想していたとは言え びっくりぽんや!)筐体から基板を出した効果が大きいと思いますがドライブ電圧の低下なども貢献していると思います。

VALHALLAのモーター駆動アンプの出力波形を見るとかなり歪んでいます。駆動アンプに高調波があってもメカニカルなLPFが働き歪みの影響が緩和されるかもしれません。しかし駆動アンプを改善するとさらに音が良くなる可能性があります。

それ以外にも改善すべき点がいくつかあります。検討してみたいと思います。

今回シンクロナス・モーターの駆動原理を調べようとしてネットを検索したり街の本屋さんでモーター関係の本を立ち読みさせてもらいました。しかしヒステリシス・シンクロナス・モーターの情報はほとんど入手できませんでした。文献を見てもブラシレスDCモーターとかステッピング・モーターの記述はありますがシンクロナス・モーターは情報が少なくどの情報源も同じような記述しかありません。またシンクロナス・モーターの駆動方法についての記述はほとんど見つけることができませんでした。

子供の頃はマブチモーター(ブラシ付DCモーター)で遊んでいました。自分でブラシ・モーターを作ったこともあります。でもこれらは回転数の制御をしないモーターでした。

ステッピングモーターを仕事で使いましたが仕様がちゃんと規定されていました。

私がオーディオに目覚めた頃から普通にレコードプレイヤーで使われていたシンクロナス・モーターの情報がこれほど少ないと知り驚きました。シンクロナス・モーターは時代に取り残された存在なのでしょうか?

こんなに情報が少なくてドライブアンプの設計ができるか心配です。そこでモーターのインピーダンスもついでに測定してみました。測定の結果、所謂進相コンデンサの容量の意味もわかりました。(推測ですが)ドライブもできそうです。ただモーターの起動時や負荷変動時に発生する逆起電力をどう処理するか、安定性をどう確保するかが重要だと思います。

余談

LP-12からVALHALLA基板を取り外そうとLP-12の下に入り仰向けで作業していました。突然めまいを覚え起き上がることができなくなりました。脳に問題があるかもしれないとMRIで検査しましたが良性発作性頭位めまい症という三半規管の問題でした。脳には異常がないとのことで安心しました。まだめまいがあります。外部に出したVALHALLAとLP-12を結ぶ配線のために再度仰向けになった時も目が廻って大変でした、、、

LP-12

レコードプレイヤーにLinnのLP-12を2台使っています。1台はLingo電源を使ったもの。もう一台はValhallaを使ったものです。ValhallaはLingoより劣るもののアームもカートリッジも違うのでその個性を生かした良い音を出していました。しかし最近音に精彩がなくなりどうしたものかと調べてみました。Valhalla電源の劣化が原因だと思います。

Valhallaの回路図はネットで入手できます。Valhallaは途中で仕様変更があったようでネットで入手した回路図と所有する電源基板は多少異なります。それでも保護回路や他方の付加回路を除き基本的な回路は同じです。音の劣化を修復するには電解コンデンサと変色している抵抗を交換すればいいですがついでに回路を調べてみました。

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Valhallaの構成は以下のようなものです。

・水晶発振のクロックを分周して50Hzまたは60Hzにする。

・50Hz/60Hzの矩形波をLPFで正弦波にする。

・LPF出力をパワーアンプで増幅してシンクロナスモーーターを駆動する。

・電源はトランスレス

調べてみると理解不能な部分があります。

・電源オフでも消費電力がほとんど減らない。

⇒ できるだけ使用しない時にはACプラグを抜くよう心がけていましたが忘れることも多々ありました。しかし電源オフ時に動作時の電力の7割以上も使っているとは知りませんでした。この設計はなんと言ってよいかコメントしずらいです。回路構成の不可解な部分はほとんどが電源オン/オフにかかわる部分です。電源を元から切れば良いのに回路に電源を供給したままで動作を停止し消費電力を減らそうとしているのでかなり変で意味のない回路になっています。

・パワーアンプはこれ良いの?

⇒良くわからない回路です。50Hzの方形波をLPFで正弦波にし、パワーアンプに入力します。パワーアンプはOPアンプ+トランジスタの出力段で構成しています。OPアンプでループゲインを大きくしてNFBをかけて出力インピーダンスを低くしようとしています。構成は問題ないのですが、、、 私の理解が不十分か、ドライバ段のバイアスを決める定電流回路はカレントミラーで構成されていますが、ドライバー段の電流が増えるとその電流はカレントミラー以外に流れるところが無いのでカレントミラーに流れ込みます。これではカレントミラーの意味が無いのではないかと思います。

出力段は定電流負荷のエミッターフォロアーです。パワーアンプは交流成分の増幅だけでなくDCオフセットも増幅しているので出力電圧は電源電圧の影響を受けやすい回路です。

全体的にかなり電源電圧および素子の特性の影響を受けやすい恐い回路だと思います。

第一目標はValhallaの不調な部品を修理してをちゃんと動作させることですが、根本的に変更してLingoを超えることも考えてみたいと思います。