チック・コリア & 小曽根真 Duo コンサート

5月18日、長野市芸術館にチック・コリアと小曽根真のDuoコンサートを聴きに行きました。

芸術館は5月8日に杮落としをしたばかり、ピカピカのブランニューなホールです。このホールは震災復興の影響で工数不足、東洋ゴムの免震装置の問題、そして設計ミスによって一部の席から舞台が見えないなどが原因で完成時期が1年以上遅れてしまいました。それでも今月無事オープンすることができました。

長野県内に良いホールが出来て良いコンサートが開催されるのは嬉しいことです。

チック・コリアと言えば私がJazzを聴き始めた頃、あの「Return To Forever」が発売されまさに溝が磨り減る程聴きました。それからも継続して注目しているピアニストです。一時期エレクトリックとアコースティックのアルバムを交互に出していましたが今はほぼアコースティックかなあと思います。(全部聴いていないのでわかりませんが、、)

小曽根真は何度かライブを聴いていますがあまりCDを持っていません。小曽根のスタイルは変幻自在ですが基本的にチック・コリアに似ていると思います。ビッグ・バンドを率いるなど才能溢れる演奏家だと思います。

小曽根と彼の師匠であるゲイリー・バートンとのDuoを聴きましたがそれはチック・コリアとゲイリー・バートンの演奏を彷彿とさせるものでした。二人ともバド・パウエル~ビル・エバンスから続くモダン・ジャズの主流の中に位置しています。今回のコンサートも小曽根=ゲイリー・バートンの共演と同じく師弟共演と言えると思います。

全ての演奏の曲名はわかりませんが、、以下のような演目でした。

  1. チックコリアのオリジナル?
  2. Bud Powell (アルバム Remembering Budの中の曲)
  3.  Someone to watch over me (スタンダード)
  4. Spanish Song (本日のために作った曲)
  5. Children Song No.20
  6. Mozart 2台のピアノのための協奏曲 (N響と競演 7月に放映予定)
  7. Mirror Mirror (ゲイリー・バートンとのLPの中の曲)
  8. Snap Shot (小曽根のオリジナル初演)
  9. Fantasy for two pianos ( チック・コリアのオリジナル)
  10. アンコール ?

感想です。

スリリングながらリラックスした演奏で、次から次へとメロディが沸き出て来ます。お互いに刺激しあいスパイラルアップしている感じです。どちらかがアドリブを弾くともう一方がコードを弾いてバックアップしますが単純なバックでは無く相手をインスパイアーします。お互いのキャッチボールが自由自在で聴いていて本当に楽しかったです。

そして2人の演奏が非常に似ていました。手を見ないとどちらが弾いているのかわかりません。もしかしたら小曽根がチックに合わせていたかもしれません。あるいはチックが小曽根を引き込んでいたということでしょうか?

ホールの響きが良いのかピアノを強打しなくてもクリアに力強く音が響いていました。(私の席は最後部でした)音響的に優れているホールだと感じました。

ただ家内は前の席の人が邪魔でステージが見えなかったと言ってました。改修した席かどうかわかりませんが視認性には問題があるかもしれません。

いずれにしても楽しい時間をすごすことができました。

会場でチックと小曽根のDuoのCDを販売していたので買いました。このCDは過去の二人の共演のコンピレーションでした。中にはゲイリー・バートンを含めた3人の共演もあり非常に興味深いものでした。Chick&Makoto

LPのディジタル化 ~ Wynton Kelly

私は仕事中にはいつもBGMを聞いています。時々ネットラジオを聴くこともありますがだいたいは音楽データをLinnのネットワークプレイヤーで再生しています。

CDはほぼRippingしてありますがLPのディジタル化はほとんどできていません。仕事しながらLPの音楽を聴きたいと思いますが手間がかかるしレコードが終わる度に仕事を中断しないとならないので普段は聴けません。そこで最近仕事の合間に少しずつLPをディジタル化しています。

最初はどうしても聞きたい定番のLPをディジタル化しました。その後アーティスト毎に集中してディジタル化しています。 Wes Montogomeryに続いて最も好きなギタリストのTal FarlowのLPをディジタル化しました。そしてこの2-3日でWynton KellyのLPを取り込みました。

Wyntonはリーダーアルバムも多いですがサイドメンとして参加したアルバムのほうがはるかに多いです。彼の演奏を全て聴くことはとてもできないですが今回は手持ちのLPの彼のリーダーアルバムを7枚ほど聴きました。仕事をしながらなので集中して聴いたわけではないですが、、、

その結果彼の私にとってのベスト演奏はやはり”Cannonball Adderley Quintet in Chicago” の “Stars Fell on Alabama”だと再確認しました。

ダウンロード

このアルバムは1959年の録音です。当時のマイルル・デイビスsextetからマイルスが抜けたメンバーによる録音です。 Stars Fell.. はテーマに続いてキャノンボールのソロが1コーラス。このソロも最高に乗りが良くしびれます。

続いてWyntonのソロが1コーラス続きます。彼のソロの前半は原曲のコード進行に忠実にオーソドックスな演奏ですが彼の代名詞でもある転がるようなソロが少しずつ出てきます。そして後半にはこの軽やかなソロが全開になります。そしてWynton(多分)の唸りが明確に聞えてきます。彼の唸り声が聞える演奏はあまり無いのではないでしょうか?

1コーラスの中に起承転結を見事に詰め込んだ素晴らしい演奏だと思います。

LPのディジタル化をしながら過去の記憶を再発見したり新しい気づきがあるので楽しいです。

LPをディジタル化する機材にはSound Blasterを使っています。これでも充分LPのたたずまいを記録してくれます。できればもっと良いCODECを購入したいと思います。

パワーアンプの設計

またまた投稿の間隔が開いてしまいました。

前回の投稿の後、熊本地震があり無くなった方、行方不明の方、そして避難生活をされている方々がいらっしゃいます。大変遅くなりましたが心よりご冥福とお見舞いを申し上げます。僅かながら義捐金を寄付させていただきました。

私の住んでいる松本市にも多くの活断層があり地震の発生する確率が高いと言われています。災害の備えをしないとならないと思いつつなかなか手をつけられていません、、、

以前のブログでも書きましたが安曇野市に光城山という桜の名所があります。先日そこに登って来ました。前回は家内と一緒にのぼりましたが今年は一人で行きました。どれだけ早く駆け上れるかちょっと頑張ってみました。麓から19分位でした。これは年齢を考えばまずまずの時間だと思います。

下のほうの桜は既に散っていましたが山頂近くの桜は見ごろでした。山頂付近から西側には常念山脈が綺麗に見えて本当に素敵な景色です。

光城山2016

花見のシーズンなので平日にもかかわらず海外の方を含めて非常に多くの人達が訪れていました。私は20年以上前から時折ここを訪れていたましたがこれほど賑わっていませんでした。またインバウンドの時代を反映してか海外の方が来ていることに驚きました。例によって体の節々が痛くなりました。

さて現在パワーアンプの設計を行っています。調査・勉強に時間がかかってしまいましたが製品のコンセプトが決まりおおよその回路構成が決まりました。頭の中ではほぼできていますが設計でてこずっています。詳細は書けませんが基本的な構成は極めて普通の回路です。

つまり初段はトランス・コンダクタンス・アンプ* → 2段目はトランス・インピーダンス・アンプ* 出力段はBJTまたはMOSFETによるコンプリメンタリー・エミッタ・フォロアという3段構成です。あまりに普通の回路ですがそれぞれに工夫を加えて最良の特性と音質を実現することを目指しています。そして+αの機能を加えようと思います。

しかし回路シミュレーションで思ったような特性が得られず苦労しています。シミュレーションでは何回でもやりなおしが簡単にできるのでこの段階で目一杯苦労したいと思います。試作段階になるとシミュレーションの100倍くらいイタレーションが大変になります。

それにしても仕事が遅くて困ります、、、 トホホ

*トランス・コンダクタンス・アンプは電圧入力を電流出力に変換するアンプのことです。アンプの増幅率は出力を入力で割ります。出力が電流で入力が電圧なのでアンプの増幅率=出力電流÷入力電圧 です。  入力から出力に電流/電圧(=コンダクタンス)を伝達するのでこう呼びます。V/I変換とも言います。

トランス・インピーダンス・アンプはこの逆で電流入力を電圧出力に変換するアンプです。I/V変換とも言います。電圧出力を出力段でバッファしてスピーカーを駆動します。

なぜ電流変換して再び電圧に戻すのでしょうか?幾つか理由があります。最大の理由は電流に変換すると電圧の変化が減少するのでトランジスタの電極間容量などを充放電する必要がなくなることだと思います。電極間容量はトランジスタの動作条件により変化するので歪の原因になります。

今日はここまで、、

確定申告

今年も確定申告が終了しました。

期せずしてマイナンバーカードを使った申告を行ったので報告します。

私は2月10日頃e-Taxで申告を終えました。申告に必要な住基カードの期限が2月末でそれに代わるマイナンバーカードがいつ届くかわからないので早期の申告が必要でした。

かつて使いにくいことで有名な(失礼)e-Taxもかなり改善されて来ました。私も自分用の「e-Tax申告マニュアル」を作成していたのでそれを見ながらすんなり申告ができました。

その後修正申告したいことが起きました。しかし既に住基カードの期限が切れていました。それなのにマイナンバー・カードは来ないので「ま、いいか。」と思っていました。

ところがそんな折にマイナンバーカードが届いたので修正申告してみました。

修正申告自体はできましたが以下のような問題が発生しました。

・マイナンバーカードで新たに「電子証明書の登録」が必要。

・電子証明書登録の際マイナンバーカードのパスワードを変更しなさいとメッセージが出たので変更。おそらく住基カードと同じパスワードを設定していたので変更を求めたと思う。(発行窓口ではパスワードは住基カードと同じでも良いと言われたのに)

・e-Tax送信の時に変更後のパスワードでエラーが出た。変更前のパスワードを使うと送信できた。

パスワードを変更したのに変更前のパスワードでないとe-Taxの申告ができなかったのは何故?このままだと変更前・後とっちのパスワードを使うべきか判らないです。もしかしたらパスワードを変更したサイトは正当なものでなくハッカーのサイトなのか?などと心配になります。

その疑問を解決するために日本の縦割り行政を実感するだろう問合せを始めました。予想通り総務省、電子証明書を発行する団体、電子証明書を使う国税庁などをたらい回しされました。そしてこれも予想通りですがマイナンバーカードのシステムの全貌を知っているところが無いことがわかりました。

色々確認した結果以下のようなことだと推測しました。

原因: 電子証明書の登録をしてから登録内容が反映するまで時間がかかった。

通常はマイナンバーカードの属性の全てが同時にデータベースに反映されると思うが何故かパスワードだけ数10分遅れて反映された模様。そのタイムラグの間にe-Taxの申請をしたのでエラーになった。問合せをした後再度e-Taxにログインしたら新パスワードに変更されていた。

データ変更の同時性はデータベースの基本だと思いますが、、 心配になります。

 

ベーゼンドルファーを弾きに行く

少し前のことですが、、、松本にあるアクトホールでベーゼンドルファーを弾かせてくれる催しがありました。30分 500円で誰でも弾くことができます。家内が申し込んでいたので私もついていきました。

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30分の持ち時間の中の5分ほど私もベーゼンドルファーに触って来ました。自宅にあるヤマハのピアノとは少々違う手触りです。優しく滑らかな感じがします。しっとりとしたタッチと言えるかもしれません。あいまいな記憶で書いているのでかなりいい加減ですが、、初動感度が低い(タッチが重い)が鍵盤が止まる時の抵抗感が柔らかい感じです。

これに対してヤマハは初動感度が高く(タッチが軽い)て鍵盤が止まる時に急激に負荷が増えるようなイメージです。

ベーゼンドルファーは初動感度が低いので鍵盤が底についた時の抵抗感が緩和されるのかもしれません。

スタンウェイは?というとよくわかりません。100年以上前のスタンウェイのアップライトピアノをかつて借りていたことがあります。(ちなみにこのピアノには燭台を取り付ける穴があってそれを塞ぐ改修がされていました。)あまり記憶にないですし現代のグランドピアノと全く違うと思いますが初動感度が低く底に当たる時に抵抗感が急激に強くなったように思います。

試奏時間が終わり受付に行くとハンマーをお土産に渡してくれました。私たちは夫婦2人で申し込んであったためか2つ頂きました。

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ハンマーに革紐をつけて木部にガラス玉を埋め込んであります。木には「ベーゼンドルファー275」と捺印してあるのでアクトホールにあるModel275のハンマーです。調律の時に交換したものだと思いますがフェルトが痩せすぎているので最初はダンパーかと思いました。フェルトが痩せたの交換したのか?交換後長期放置したので痩せたのか?それはわかりませんがもしこれ程フェルトが痩せるまでハンマー交換ができないとしたら市の予算がよほど無いのでしょう。

試奏は毎年やっているので参加者が多いと思いますが交換後のハンマーの数は限られているので多分ラッキーだったと思います。

そういえば昔 Side by Side というレコードがありました。八城一夫がAとB面をベーゼンとスタンで弾きわけるという企画です。sbs

ベーゼン、スタンそれぞれに適した選曲をし録音もそれぞれを生かす録音をしています。つまり2つのピアノの純然たる音の比較ではないのですが私にはベーゼンとスタンの特性の違いが刷り込まれるレコードでした。

その後の様々な体験により上記レコードでの印象は間違っていなかった思います。

アクトホールから頂いたハンマーはキーホルダーにでもしようと思います。

LCDモニタの交換

世間はバレンタインデーで賑やかなようです。海外では男性が女性に花を贈るのが普通なので私も小さい花束を家内に贈ろうと思います。

30年以上前、私が社会人になった頃の設計のやり方は今とかなり違っていました。マーケティングの結果を元に仕様書を手書きで作成し、文献やデータブックを読みながら回路の構想を決め、ドラフタに向かって図面を書いていました。その後ブレッドボードで動作確認をして量産試作を作って評価して認定します。

ソフトウェアの開発では最も初期はニーモニックを紙テープにパンチしてそれをミニコン(ミニと言っても幅60cm、高さが1m以上ある巨大なコンピュータで主記憶はなんと磁気コアメモリでした)でアッセンブルしていました。その後ソフト開発環境はワークステーションベースに変わりアッセブラ、Cなどを使いました。

その後ドキュメント作成、ソフト開発などがPCで行えるようになり続いて回路図入力、ケース設計、各種シミュレーションもPC上で可能になりました。

今は設計作業のほとんどがPC上で行えるようになりCAD、シミュレータなど各種ツールも無償またはかなり安価に入手可能です。隔世の感があります。私も作業のほとんどをPCを使って行っています。多分9割以上はPCに向かって仕事、残りの1割が半田コテを握ったり音を聞きながらの作業だと思います。つまりほとんど毎日PCに向かっています。

PCの表示には2台のLCDモニタを使っいます。当初21″(4:3)のモニタを2台使っていました。例えば1台のLCDにCADを表示させてもう1台に部品のデータシートを表示させるなどします。モニタが2台無いと非常に不便です。2年ほど前モニタが1台が壊れてしまったので27″のワイドのモニタを購入しました。メインのモニタが27″ワイド、サブが21″(4:3)です。2台のモニタのアスペクト比が違いますが27″ワイドと21″インチ(4:3)は画面の縦サイズがほぼ同じなのでアスペクト比が違っても問題ありません。むしろ27″ワイドは幅が広すぎて疲れます。よってワイドと4:3の混在ディスプレイをあえて使っていました。

ところが残りの21″(4:3)のモニタも壊れてしまいました。10年近く使っているのでしかたありません。モニタ1台では作業効率が著しく低下しますしソフトによってはサブモニタに表示させていたポップアップがどうしても表示できないので仕事になりません。早速27″モニタを購入しました。27″を2台なのでこれで「表示は最強」だと思われるかもしれませんがワイドを2台使うと左右の幅が1.2m以上で全てを使いきることは不可能です。

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下手に全領域に情報を表示させると首を左右に振らないとならないので疲れます。結局右側モニタの左半分、左側モニタの右半分を主に使用して時折見る情報を残りのエリアに表示させます。試しに液晶の縦使いを試しましたが高層ビルを見上げるようで最悪です。縦使いの限界は24″位?

本当は22-24″の4:3モニタがあればいいのですが見つかりませんでした。あったとしても価格はかなり高いでしょう。PCでも動画を楽しむことが一般的になり量産効果を得るためにTVと同じ液晶をPCでも使うのは自然の流れでしょうがPCで業務を行うユーザ(さらに近眼で老眼)には全く迷惑です。なんとかならないものでしょうか?

電力自由化

電力自由化により電力会社を自由に選ぶことができるようになりました。

以前住んでいた英国では1990年代から電力の自由化が行われていてどの電力会社から購入するか自由に決めることができました。ガスと電気のセット割もあって少しでも安いものを選ぼうとしましたがどこを選んでもそれほど料金に大きな差が無かったように記憶しています。

日本で電力会社の選択ができるようになり私のところに案内が来ていました。そろそろ従来の電力会社から購入するか新しい電力会社から決めようと料金プランを調べてみました。調べた結果なんのことはない、現在のプランを継続するのが最も安いことがわかりました。今の電気料金より多少安くなるかもしれないと皮算用していましたが期待はずれです。

英国では自由化の副作用として電気料金が値上げされたと言われています。詳しいことは良くわかりませんが自由化しなくても値上げされたでしょう。また自由化により各電力会社の効率化が進んだので自由化前より値上げが少なかったかもしれません。

日本でも電力価格に市場原理が働くようになるので今までよりは企業間競争によりコスト削減、サービスの向上が期待できます。色々と課題はあると思いますがそうでないと意味がありません。

今より料金プランは安くならないのでできるだけ節電して電気料を減らしたいと思います。

私の地域は先月電気のスマートメータが取り付けられました。今までは月単位の電力使用量しかわかりませんでしたが現在はWebで日単位、時間単位の電力使用量がわかるようになりました。これは大変な進歩です。しかしリアルタイムの使用量はわかりません。

スマートメータから家のHEMSにリアルタイムでデータを送るBルートサービスというものがあるようです。折角スマートメーターになったのでHEMSを購入してみようと思い調べてみました。まだ手ごろな価格のHEMSは無いようです。機器の値段が高いし月額使用料がかかるなど購入したくなるレベルではありません。

簡単なHEMSならスマートメータと無線またはPLCで通信してデータを保存して閲覧できれば良いだけです。いずれ数千円のHEMSが出て来ると思うのでそれを待つことにします。

MUTE回路について

大変遅くなりましたが

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

2016年は穏やかな年明けを迎えましたが、この1週間ほど冬らしい天気で各地で大雪が降っています。

大きな災害にならないことを祈っています。

私が住んでいる松本でも大雪が降りました。その後寒さが続き雪が凍って外出時に滑らないように気を使います。

先日久しぶりに以前勤めていた会社の仲間と飲む機会がありました。その際「最近ブログが全然更新されていないじゃないか」とお叱りを受けました。色々と忙しくてついつい更新を先延ばしにしていました。これからは頑張って書こうと思います。

いままで次の製品の設計のために勉強していましたがそれが終了して設計作業に移行しています。数種類の回路方式を候補して検討しています。性能、商品性、コスト、独自性など考慮しながら絞り込みをしようとしています。最終的には2~3種類の回路が評価できるブレッドボードを試作して回路を決めたいと思います。

そんな折に受託の依頼があったので受けるか迷いしました。しかし他の製品を設計していれば良いアイデアやヒントが浮かぶかもしれないと思って受けることにしました。

この設計でMUTE回路について検討しましたので書きたいと思います。

ラインアンプ等では信号経路とグランド間にスイッチを入れてMUTEします。こうすると信号経路にスイッチが入らないので接点による特性への影響がありません。私はプリアンプの出力にリレーによるMUTE回路を使っています。この方法は理論的にMUTE回路による信号劣化は皆無です。

受託の設計ではスペースと消費電流の点から半導体を使ったMUTEを試して見ることにしました。

LTspiceを使って特性を調べてみました。回路は以下の通りです。

MUTE_CIR

MUTEがかかっていない状態の歪率を測定した結果は以下の通りです。信号は1kHz 2Vp-pです。僅かですが歪が発生しています。9次までのTHDは約0.00002%なので無視できるレベルかもしれませんが気になります。

MUTE_FFT

またMUTEによる減衰量は26dBでした。電源オン時のポップノイズを防止するためにはこれで良いかもしれませんが減衰量にも不満があります。もちろんR2を大きくすれば減衰量は増えますがあまり大きくすると弊害があるので減衰量は20-30dBがいいところでしょう。

結局今回のMUTE回路もリレーを使用することにしました。

MUTEがかかっていない時に歪が発生する理由ははっきりしません。アーリー効果による抵抗とコレクタ=ベース間容量がVceによって変動することが原因だと想像できます。トランジスタのモデルのこのパラメータを変更してみましたが歪は減りませんでした。他のパラメータが影響していると考えられます。今回は半導体のMUTEを使用しないのでこれ以上の解析はしません。いずれしっかりと確認したいと思います。しかし一般論としてアーリー電圧が高く、電極間容量の少ないトランジスタがMUTEには向いていると思います。

上記回路ではNPNトランジスタを使っていますがQ2をPNPに変更してみました。歪はなんと30dB以上増加しました。やはりPNPは特性が悪いです。

またオーディオ雑誌のメーカ製品の紹介記事の回路ではMUTE回路をNPNトランジスタ一つで実現しています。私も最初はこの回路を真似て確認してみました。しかし1石の回路ではMUTE時に出力が半波整流波形になりMUTEが機能しません。半導体MUTEを検討する場合には注意が必要です。

あと数日寒い日が続くようですが皆さん気をつけてお過ごしください。

LP-12(その2)

LP-12のVALHALLA電源を修理するついでに基板をプレイヤーの筐体から外に出すことにしました。

あまり費用をかけるのは勿体ないので写真のようにしました。

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・絶縁トランスを入れてトランスレスの解消 & 駆動電圧を10%程度下げる

・電源スイッチを搭載

・LP-12とXLRコネクタで接続

結果として音が非常によくなりました。(予想していたとは言え びっくりぽんや!)筐体から基板を出した効果が大きいと思いますがドライブ電圧の低下なども貢献していると思います。

VALHALLAのモーター駆動アンプの出力波形を見るとかなり歪んでいます。駆動アンプに高調波があってもメカニカルなLPFが働き歪みの影響が緩和されるかもしれません。しかし駆動アンプを改善するとさらに音が良くなる可能性があります。

それ以外にも改善すべき点がいくつかあります。検討してみたいと思います。

今回シンクロナス・モーターの駆動原理を調べようとしてネットを検索したり街の本屋さんでモーター関係の本を立ち読みさせてもらいました。しかしヒステリシス・シンクロナス・モーターの情報はほとんど入手できませんでした。文献を見てもブラシレスDCモーターとかステッピング・モーターの記述はありますがシンクロナス・モーターは情報が少なくどの情報源も同じような記述しかありません。またシンクロナス・モーターの駆動方法についての記述はほとんど見つけることができませんでした。

子供の頃はマブチモーター(ブラシ付DCモーター)で遊んでいました。自分でブラシ・モーターを作ったこともあります。でもこれらは回転数の制御をしないモーターでした。

ステッピングモーターを仕事で使いましたが仕様がちゃんと規定されていました。

私がオーディオに目覚めた頃から普通にレコードプレイヤーで使われていたシンクロナス・モーターの情報がこれほど少ないと知り驚きました。シンクロナス・モーターは時代に取り残された存在なのでしょうか?

こんなに情報が少なくてドライブアンプの設計ができるか心配です。そこでモーターのインピーダンスもついでに測定してみました。測定の結果、所謂進相コンデンサの容量の意味もわかりました。(推測ですが)ドライブもできそうです。ただモーターの起動時や負荷変動時に発生する逆起電力をどう処理するか、安定性をどう確保するかが重要だと思います。

余談

LP-12からVALHALLA基板を取り外そうとLP-12の下に入り仰向けで作業していました。突然めまいを覚え起き上がることができなくなりました。脳に問題があるかもしれないとMRIで検査しましたが良性発作性頭位めまい症という三半規管の問題でした。脳には異常がないとのことで安心しました。まだめまいがあります。外部に出したVALHALLAとLP-12を結ぶ配線のために再度仰向けになった時も目が廻って大変でした、、、

LP-12

レコードプレイヤーにLinnのLP-12を2台使っています。1台はLingo電源を使ったもの。もう一台はValhallaを使ったものです。ValhallaはLingoより劣るもののアームもカートリッジも違うのでその個性を生かした良い音を出していました。しかし最近音に精彩がなくなりどうしたものかと調べてみました。Valhalla電源の劣化が原因だと思います。

Valhallaの回路図はネットで入手できます。Valhallaは途中で仕様変更があったようでネットで入手した回路図と所有する電源基板は多少異なります。それでも保護回路や他方の付加回路を除き基本的な回路は同じです。音の劣化を修復するには電解コンデンサと変色している抵抗を交換すればいいですがついでに回路を調べてみました。

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Valhallaの構成は以下のようなものです。

・水晶発振のクロックを分周して50Hzまたは60Hzにする。

・50Hz/60Hzの矩形波をLPFで正弦波にする。

・LPF出力をパワーアンプで増幅してシンクロナスモーーターを駆動する。

・電源はトランスレス

調べてみると理解不能な部分があります。

・電源オフでも消費電力がほとんど減らない。

⇒ できるだけ使用しない時にはACプラグを抜くよう心がけていましたが忘れることも多々ありました。しかし電源オフ時に動作時の電力の7割以上も使っているとは知りませんでした。この設計はなんと言ってよいかコメントしずらいです。回路構成の不可解な部分はほとんどが電源オン/オフにかかわる部分です。電源を元から切れば良いのに回路に電源を供給したままで動作を停止し消費電力を減らそうとしているのでかなり変で意味のない回路になっています。

・パワーアンプはこれ良いの?

⇒良くわからない回路です。50Hzの方形波をLPFで正弦波にし、パワーアンプに入力します。パワーアンプはOPアンプ+トランジスタの出力段で構成しています。OPアンプでループゲインを大きくしてNFBをかけて出力インピーダンスを低くしようとしています。構成は問題ないのですが、、、 私の理解が不十分か、ドライバ段のバイアスを決める定電流回路はカレントミラーで構成されていますが、ドライバー段の電流が増えるとその電流はカレントミラー以外に流れるところが無いのでカレントミラーに流れ込みます。これではカレントミラーの意味が無いのではないかと思います。

出力段は定電流負荷のエミッターフォロアーです。パワーアンプは交流成分の増幅だけでなくDCオフセットも増幅しているので出力電圧は電源電圧の影響を受けやすい回路です。

全体的にかなり電源電圧および素子の特性の影響を受けやすい恐い回路だと思います。

第一目標はValhallaの不調な部品を修理してをちゃんと動作させることですが、根本的に変更してLingoを超えることも考えてみたいと思います。